こんにちは。藤本です。
ライティングはIELTSの4つのセクションで最難関と言われております。
実際に日本におけるIELTS受験者の2015年の平均点を見ますと
アカデミックモジュール
Listening 5.9
Reading 6.1
Writing 5.3
Speaking 5.6
ジェネラルトレーニングモジュール
Listening 5.8
Reading 5.4
Writing 5.4
Speaking 5.7
と、どちらのモジュールもライティングが最低となっています。
特にライティングは6点台に乗るかどうかが1つの壁になっていて、なかなかこの壁を越えられないという人が多いようです。
そこで、IELTSライティングで6.0を超えるにはどのようなポイントがあるのか、9つにまとめてみました。
気持ちを入れて書いたら過去最高に長い記事になってしまいました(笑)。
時間をかけて読んでもらったらと思います。
目次
1.ライティングスコアはオール6狙い
1)Task1とTask2のバランス
ライティングのスコアはTask1とTask2を1:2の割合で平均化して算出されます。
なので、ライティングトータルで6.0を出そうと考えた場合、
Task1=7.5、Task2=5.0
Task1=7.0、Task2=5.5
Task1=6.5、Task2=5.5
Task1=6.0、Task2=6.0
Task1=5.5、Task2=6.0
この辺りが考えられる組み合わせになります。
しかし、この5つの組み合わせのうち、上の2つの組み合わせは現実的ではありません。
Task1で7.0取れる力がある人はTask2でも6点台は十分取れるからです。
ということで、よほどTask1が突出して得意な方で
Task1=6.5、Task2=5.5
の組み合わせ、それ以外の大多数の方にとっては、
Task2=6.0
が最低必要、と考えていくのが自然です。
この時の組み合わせとしては
Task1=5.5、Task2=6.0
というのがミニマムなのですが、Task2で6.0が取れる人は、Task1も大抵6.0以上取れるので、ここではひとまず
Task1=6.0、Task2=6.0
をターゲットに話を進めていきたいと思います。
ちなみにこの1:2という割合から、本番ではTask2から手をつけるべき、という参考書は多いですが、少なくともライティングスコア6.0以上を目指す場合はそうとは言い切れません。
その理由を知りたい場合は以下の記事で詳細をご覧ください。
2)Task1、Task2で6.0を取るには
では、各タスクで6.0取るにはどうしたら良いのでしょうか?
各タスクともさらに4つの採点基準があり、その採点基準の平均を0.5点刻みで切り下げたものがスコアになります。
4つの採点基準とは、
・課題達成度
・論理の一貫性とまとまり
・語彙の豊富さ
・文法力と正確性
になります。
この基準ごとにそれぞれ9点満点(1点刻み)で採点されるわけですが、ではトータルで6.0を確保するにはどうしたら良いでしょうか?
・課題達成度=6点
・論理の一貫性とまとまり=6点
・語彙の豊富さ=6点
・文法力と正確性=6点
のようにオール6点なら6.0ですね。
6点が3つ、5点が1つなら、切り下げで5.5になります。
ここも組み合わせとしては、7点が1つ、6点が2つ、5点が1つという組み合わせもあるのですが、私のお勧めとしては、6.0を狙うなら、4つの採点基準ですべて6点を取るオール6点が一番狙いやすいと思います。
というのも、これは私の意見ですが、この4つはどうしても連動しがちであるということです。
例えば、内容的、理論的には完璧に設問に答えたつもりであったとしても、語彙や文法ミスにより、読み手にとって、意味が分からないところがあったとしたら、読み手にはその論理が完璧には伝わりません。
よって4つの基準のうち2つは7点で、残り2つは5点、みたいなバランスにはなりにくいんです。
1つの基準が下がるとそれにつられて残りの基準も下がる、ということが起こりがちです。
なので、Task1もTask2もともに6.0を狙うなら、この4つの基準すべてで6点を確保する、というのが、まずは大きな方針になってきます。
では、各基準で6点を目指すにはどのようなことが出来ていなければならないかをまとめていきます。
2.時間内に最低文字数を書き上げる ~テンプレートの活用~
1)時間内に書き終わるために
まずは4つの採点基準以前に、60分間で、Task1=150 words、Task2=250 wordsという最低文字数をクリアすることです。
これは最も基本的なことなのですが、ある意味最も壁が高いところと言っても良いかもしれません。
ここがクリアできない場合6.0を出すのは極めて厳しい状況になります。
では、どうすればよいか?
この部分をクリアするために私がお勧めしているのがテンプレートです。
テンプレートとは、どのような内容であっても使えるような表現になります。
例えば
「問題提起」をする場面であれば、
Some people argue that ~.
「ある程度賛成である」というポジションを述べる場面であれば、
I agree to some extent with the idea that ~.
みたいな表現で、「~」の部分に必要な表現を入れれば、様々な設問で使える、というものです。
このテンプレートを使いこなすことによって、特にTask2の時間は大きく短縮できます。
(Task1ではテンプレートが使える場面は少ないです)
のみならず、正しいテンプレートを暗記しておくことで、少なくともその部分は文法ミスを回避することが出来ますし、高度な単語を含めておくことで語彙力のアピールにもなります。
2)テンプレートの注意点
テンプレートの使用は非常に強力なのですが、使い方を誤ると減点につながってしまいます。
IELTSのライティングでは「暗記した文章を使っている」と減点されるというシステムがあります。
テンプレートが「暗記した文章」だと採点官が判断すると6.0は遠くなります。
従って、テンプレートを使うべきかどうかは議論が分かれるところです。
しかし私は、5.5以下の方が、自力でゼロから文章を作成した場合の、文字数不足になるリスク、ミスを含んでしまうリスクを考えると、6.0を獲得するためならばテンプレートの活用は十分有りだと考えます。
実際に、私の講座でお伝えしているテンプレートで6.0、6.5を獲得される方もたくさんいます。
要はテンプレートは使い方次第なのですね。
テンプレート使用の可否については以下でも論じています。
3)設問タイプに沿ったテンプレート
では「暗記した」とみなされないテンプレートはどのようなもので、どのような使い方が必要なのでしょうか。
それは設問タイプに応じてテンプレートを使い分けるということです。
IELTSのTask2はある決まったタイプの設問が出る傾向があります。
具体的には
1.1つの意見に対して、どの程度、賛成か反対かを聞く設問
2.あるモノに対して、長所と短所のどちらが大きいかを聞く設問
3.2つの意見を戦わせて、さらに意見を聞く設問
4.ある現象に対しての原因と結果を聞く設問
5.ある現象に対しての原因と解決策を聞く設問
6.ある現象に対しての問題と解決策を聞く設問
ほぼこの6パターンで出題の95%以上を占めます。
そしてこの設問に沿って答えていないと4つの採点基準のうちの1つ、課題達成度がとても低評価になってしまいます。
この6パターンすべてに対して1つのテンプレートでは対応できません。
なので、この設問ごとに異なるテンプレートを使うことです。
要はこの6種類の設問タイプそれぞれにテンプレートを用意しろということです。
テンプレートを使って失敗する人の中には、どんな設問でもすべて1つのテンプレートで対応しようとする人がいます。
しかし、これは「設問に答えていない」という評価を受けるばかりか、まさしく暗記した文章であることが丸わかりで、非常に印象が良くありません。
3.適切なフォーマットを用いる
1)フォーマットのルール
課題達成度の評価の中に、適切なフォーマットを使っているか、という視点があります。
ライティングスコア5.0以下の方のライティングを見ると、そもそものフォーマットが崩れているケースがあります。
フォーマットは以下のルールで実施します。
・同じパラグラフのうちは、センテンスが変わっても改行しない。同じ行に続けて書く。
・パラグラフを変える場合は、1行空ける。ただ改行だけではなく、きっちり1行空白の行を入れる。
⇒以上2つより、改行だけして、1行空いていないケースというのは存在しない。
・カンマ、ピリオドの前にスペースを入れない。
・カンマ、ピリオドの後はスペースを入れる。
簡単なルールですが、意外と守られていない人が多いです。
IELTSライティングは手書きなので、スペースがあるかどうかは厳密には分からないのですが、普段からクセをつけて書くようにしましょう。
2)パラグラフ構成
英語のパラグラフの構成には1つのルールがあります。
それは1つのパラグラフで言いたいことは1つであるということです。
そして通常は、そのパラグラフで言いたいことを端的にまとめたセンテンス(トピックセンテンス)を持つ、ということです。
トピックセンテンスについては、Task1はそこまで厳密でないケースもありますが、しかし1つのパラグラフで1つのことを述べるという原則は貫くべきです。
6.0に届かないライティングでは、1つのパラグラフで一貫していない内容が入っていることが多いです。
3)お勧めの構成
パラグラフの性質と一般的な英文の表記法から考えて、私がお勧めしているのは、以下のようなパラグラフ構成です。
Task1(アカデミック)
下記の4段落で構成する
・イントロダクション:与えられた図表が何を表すかを記載
・オーバービュー:図表から分かる最も大きな特徴を記載
・ボディ1:図表の詳細を記載
・ボディ2:図表の詳細を記載
Task1(ジェネラルトレーニング)
下記の7段落で構成する
・宛名
・オープニング:手紙の目的を記載
・ボディ1:1つ目の要件について記載
・ボディ2:2つ目の要件について記載
・ボディ3:3つ目の要件について記載
・クロージング:手紙の締め括り
・署名
Task2
下記の4段落で構成する
・イントロダクション:ポジションとアウトラインを記載
・ボディ1:ポジションをサポートする1つの見解を記載
・ボディ2:ポジションをサポートするもう1つの見解を記載
・コンクルージョン:ボディから導かれる結論を記載
Task2の4段構成はこちらでも詳しく説明しています。
設問によって多少変更が発生することもありますが、基本的にはこのような決まったパラグラフ構成を考えておくと良いでしょう。
4.アカデミックモジュールTask1の適切な論理展開
ここからは、モジュール別、タスク別の話をしていきます。まずはアカデミックモジュールのTask1です。
アカデミックのTask1はグラフの記述が多いですが、地図、フローチャートなども数回に1度は出題されます。
ここではどのパターンにとっても6.0を獲得するために必要なポイントを記載します。
1)オーバービューを適切に記述する
オーバービューは与えられた図表から言える大まかな特徴です。
オーバービューが書けているかどうかがスコアに関わってくることは採点基準に明記されており、オーバービューと分かる形で、図表から確実に言える内容が記載されていることが必要です。
お勧めのパラグラフ構成として、わざわざ1つの独立した段落をお勧めしているのはそういう意味です。
このオーバービューが無かったり、書かれているけど図表からは言えない内容だったり、オーバービューとは言えない個別の話だったりすると、その時点で6.0は厳しくなります。
2)比較の視点を入れる
Task1では比較の視点を含めることが求められています。
グラフであれば、ただ単に数値を説明すればよい、というものではありません。
その数字が、大きいのか、小さいのか、増えているのか、減っているのか、順位はどうなのか、割合はどうなのか、といった比較を表現することが必要になります。
地図であれば、既に説明したものより西にあるのか東にあるのか、が比較の視点となります。
フローチャートであれば、あるプロセスは、別のプロセスよりも前なのか、後ろなのかが比較の視点です。
6.0に届かないライティングは、比較の視点が弱く、ただ淡々とデータを説明する傾向が強いです。
3)選択して記載する
特にグラフに関しては、全ての数値、全ての視点を言えば良いというものではありません。
たくさんある数値や視点の中から、伝えるべきものを適切に選択して説明することが必要になります。
ただし、地図やフローチャートに関しては、選択についてはあまり意識する必要はなく、むしろ図表から分かる特徴をしっかりと伝えることの方が重要です。
アカデミックTask1については、もう少し詳しく以下に記載しています。
5.ジェネラルトレーニングモジュールTask1の適切な論理展開
ジェネラルトレーニングモジュールのTask1のテーマは手紙です。
リクエストや謝罪などテーマは様々ですが、どのテーマでも以下の3つを落とすと6.0に届きません。
1)手紙の目的を記述する
手紙の目的が明確かどうかがスコアに関わってくることは採点基準に明記されており、ジェネラルのTask1では外せない要件となります。
基本的には手紙のオープニングで、話の流れ上、自己紹介などを先にした方が良い場合も、少なくともボディ1の終わりまでに手紙の目的を記載すべきです。
手紙の目的が無い場合は6.0に届かない結果となります。
2)適切なトーンを選択し、一貫させる
Task1で重視されるのが手紙のトーンです。
改まったフォーマルな文面なのか、友達へのインフォーマルな文面なのかによって、トーンが変わってきます。
設問で与えられたシチュエーションを考えて、フォーマルとインフォーマルを判断します。
この判断を間違うとスコアが伸びません。
フォーマルなら宛名は敬称+ラストネーム、署名はフルネームで、文面も略語(I’m, It’sなど)や失礼な表現を避けて記載します。
インフォーマルならファーストネームを使い、略語や多少砕けた表現も許されます。
それらのトーンを最初から最後まで一貫させることが重要です。
3)要件にすべて答える
ジェネラルトレーニングモジュールのTask1ではシチュエーションの設定と共に、箇条書きで書かれた3つの要件が与えられます。
この3つの要件にすべてバランスよく答えることが必要になります。
例えば、3つのうちの1つには一言だけしか答えていないのに、別の1つは2つのパラグラフを使って答えているなどというのはバランスが悪いです。
私がお勧めするのは、ボディを3つ使うパラグラフ構成ですが、基本的には1つの要件につき、1つのボディを使って書くのがお勧めです。
ジェネラルのTask1についてはこちらも参考に。
6.Task2の適切な論理展開
Task2は両モジュールとも同じタイプの問題です。
ここではTask1以上に論理展開を崩さないように書いていく慎重さが求められます。
1)問われた通りのポジションを書く
どういう立場で論じていくかを書くのがポジションです。
このポジションを一番最初のパラグラフ、イントロダクションで明確に示します。
ここで多いミスは、問われた通りに素直に答えていないケースです。
例えば「どの程度賛成か反対か述べなさい」と問われたら「どの程度」と「賛成か反対か」の2つが問われていると考えなければなりません。
従って、「強く賛成」「やや賛成」「やや反対」「強く反対」のいずれかで答えることになります。
ただ「賛成」だけでは1つの問いにしか答えていないことになって、6.0には届きません。
そして、一度示したポジションは、最後まで一貫させなければなりません。
「強く賛成」のポジションなら「強く」賛成する理由を、「やや賛成」のポジションなら「やや」賛成となる理由を、その後のボディとコンクルージョンで展開していくことになります。
2)トピックセンテンスをパラグラフを代表するように書く
ボディパーツでは、文頭にトピックセンテンスを書きます。
このトピックセンテンスはイントロダクションのポジションを受けたものであり、かつそのパラグラフを代表する表現でなければなりません。
例えば、そのボディで、設問文に対する反対意見を説明し、その理由を2つ述べようとしていたとします。
このとき、トピックセンテンスは
「~という意見に対して反対する理由がいくつかある」
といった書き方になります。
ところが、
「~という意見に対して反対する理由の1つ目は、~」
という書き方をしてしまう人が多いのです。
こう書き出してしまった場合、その後に
「反対理由の2つ目は~」
と書いた時点で、最初の一文は、そのパラグラフ全体を代表する表現にならず、トピックセンテンスが不在のパラグラフになってしまいます。
3)サポーティングアイデアは結論から書く
ボディパーツで、トピックセンテンスの後に、
「1つ目の賛成理由は~」
「1つ目の長所は~」
「1つ目の原因は~」
といった具合にトピックセンテンスを具体的に展開していきます。
これをポジション、あるいはトピックセンテンスに対するサポーティングアイデアと言います。
このサポーティングアイデアの展開は、結論から入るのが英語のスタイルです。
そして、その結論に対して、さらに根拠を説明していきます。
根拠の書き方としては主に以下の4つです。
・理由(なぜかというと~)
・結果(そのことがもたらすのは~)
・例(たとえば~)
・引用(~によると~)
常にどれか1つを使えば良いというものではありません。
内容に応じて、一番効果的な根拠を書くようにして下さい。
4)トピックセンテンスの内容から離れない
それからボディの説明は、書いているうちにいつのまにかトピックセンテンスから離れてしまうケースがあります。
トピックセンテンスで
「~に関してはいくつかの長所がある」
と書いておきながら、そのパラグラフの中で、長所と短所を両方書いてみたりすると、トピックセンテンスが機能しなくなりますね。
意外に多いミスなので注意してください。
5)結論は、ボディの内容を包含する
最後のコンクルージョンのパラグラフに結論を書きます。
ここでは、ボディで挙げた内容を総括して、再度ポジションを述べます。
ここで気をつけたいのが、ボディで挙げた内容を無視してしまうケースです。
例えば、ボディ1で反対意見を、ボディ2で賛成意見を述べた後に
「ボディ2で挙げたような理由で賛成である」
という締め括りをしてしまうケースです。
あれ?あなたボディ1で反対意見挙げてたじゃない?あれはどこに行ったの?
という感じです。
ボディ1で反対意見、ボディ2で賛成意見を挙げたのであれば、それらを総括して、反対意見よりも賛成意見が大きい理由を述べなければ、賛成という結論は導けません。
そのようにボディでネタフリをしておいて、結論で両者を「比較」して、結論を導く、という書き方が必要です。
Task2での論理展開については以下でも詳しく説明しています。
7.接続表現、指示語の適切な使用
では各モジュール、各タスク共通の話に戻ります。
採点基準の1つ「論理の一貫性とまとまり」では接続表現と指示語についての記載があります。
1)接続表現でメリハリをつける
スコアが安定しない方のライティングでは、接続表現が出てくる比率が低い傾向があります。
使いすぎは逆効果ですが、場面に応じた接続表現を上手く使うことで、文章にメリハリが出てきます。
特に対比、逆接などをしっかり表現できると文章の流れが分かりやすくなります。
このとき、文法的な話ですが、等位接続詞、従位接続詞、接続副詞の3つをしっかり区分します。
等位接続詞は、and, but, soなどです。
この接続詞は節と節をつなぐ場面で使い、2つの節の間に置きます。
従って、「節1, and 節2.」の形を取ります。
単独の節の文頭につけて「And+節」の形で使うことは避けます。
従位接続詞は、because, while, althoughなどです。
この従位接続詞も2つの節をつなぎますが、等位接続詞と違って文頭に置くことができます。
「節1, because 節2」または「Because 節2, 節1」の形です。
こちらも単独の節の文頭につけて「Because+節」という形はできません。
以上のように、等位接続詞、従位接続詞は、単独の節には使えないのですが、この単独の節に接続詞をつけてしまうミスが非常に多いです。
単独の節につけたい場合は、接続副詞を使います。
接続副詞はhowever, additionally, on the other hand, thereforeなどですね。
逆に接続副詞は2つの節をつなぐことは出来ません。
「節1, however 節2」という形にはなれないわけですね。
しかし、このミスもやはり非常に多いミスです。
2)指示語は正確に使う
もう一つ流れをスムーズにしたり、メリハリをつける方法の1つに指示語を適切に使うということがあります。
こちらは、5.5以下の方のライティングを見ていても、比較的使われているのですが、使い方が間違っていたり、使い方がうまくない場合があります。
まず間違った使い方として、単複が合っていないケースがあります。
これは分かりやすいですね。
単数ならitで受けて、複数ならtheyで受ける、これをうっかりミスで間違ってしまうケースです。
ただ、これは5点台を取っている人ならクリアできていると思います。
もう1つあるのが、その代名詞が指す内容が複数考えられるケースです。
(×)I bought a pen and a notebook. It was expensive.
とあるとitが指す候補がpenとnotebookの2つあり、どちらを指すか分かりません。
このように指す候補が複数ある場合はどちらを指すかが分かるように書きます。
このとき「this+指示語が表す単語」という表現が便利です。
I bought a pen and a notebook. This pen was expensive.
みたいな感じですね。
流れがスムーズな人はThisの使い方が上手です。
これは、その直前の話を受けて、次の話を展開している、ということであり、前のセンテンスを受けて次のセンテンスを展開しようとすると必然的に増える表現なのですね。
少し意識してみると良いかもしれません。
8.語彙力のアピール
1)伝わる単語の選択
採点基準「語彙の豊富さ」における5点と6点の違いは、ざっくり言ってしまえば「語彙の選択ミスにより意味が伝わらない箇所があるかどうか」です。
なので、伝わる単語が選択出来ているかが重要になってきます。
基本的なライティングの心がけとして、見たことある表現だけを使っていくようにします。
見たことがない、自分で一から作った表現というのは大抵間違っています。
まずは間違いのない単語を選択することからスタートしましょう。
2)高尚な単語の使用
1)の話がクリアできたうえで次のステップです。
英単語には幼稚な単語と高尚な単語があります。
そして同じ意味なら、幼稚な単語よりも高尚な単語の方が評価されます。
cheapよりもinexpensive
makeよりもproduce
bigger numberよりもgreater number
といった具合ですね。
日本語でも正式な文書には、
「デカい」とは書かずに「大きい」「巨大な」と書きますよね。
それと同じです。
なので6.0を越えていくためにはある程度高尚な単語も覚えて使えるようにしていく必要があります。
もちろん、大前提は伝わる表現である、ということです。
この前提を崩してまで高度な単語を使うのは本末転倒です。
自信がないなら、簡単な単語を使ってください。
簡単な単語だけでも正しく伝われば6.0の水準には乗ってきます。
伝わらない表現で落としてしまうケースについてはこちらもご覧ください。
9.構文力のアピール
1)伝わる構文の選択
語彙力と似ているのですが、採点基準「文法力と正確性」における5点と6点の違いは、ざっくり言ってしまえば「構文・文法ミスにより意味が伝わらない箇所があるかどうか」です。
なので、確実に伝わる構文が書けているかが重要になってきます。
添削をしていると多く見かけるのが、構文として成立していない文章を書いてしまうケースです。
代表的なミスを3つ挙げてみますね。
まず単純なケースとして、述語が入っていない、または2つ以上入っている節を書いてしまうケースです。
こんな感じですね。
(×)This industry which has a negative influence on nature.
(×)This industry has a negative influence on nature brings about serious consequences.
上は述語が無い文章、下は述語がhasとbringsの2つ存在する文章です。
上の場合はwhichが余計で、下は逆にhasの前にwhichが必要、という文章です。
こういう文章は全く意味が伝わらない文章になります。
もう1つ代表的なミスは第2文型違反です。
第2文型とは「主語+be動詞またはそれに準ずる動詞+補語」となる構文ですね。
I am a boy.
みたいな文章です。
この第2文型の特徴は、主語と補語がイコールの関係になっている、ということです。
例えば「日本のシェアは30%です」と言いたいときに
(×)Japan is 30%.
とやってしまうとアウトです。
主語のJapanと補語の30%がイコールの関係ではないので。
正しくは
The share of Japan is 30%.
となります。こうすれば主語のshareと30%はイコールの関係になりますね。
この第2文型違反も非常に多い間違いの1つで、かつ間違うと意味が伝わらない文章になりがちです。
3つ目の代表的なミスが受け身の後に目的語を置くケースです。
これは例文から。
(×)Scientists was developed medicine.
こういうミスをよく見ます。
受け身表現は元々、能動態だったときに目的語だったものを主語に持ってきて作る文章です。
なので、受動態にした時点で目的語は存在しないんですね。
例外は第4文型だけで、この場合は目的語が2つあるので、1つの目的語を主語に持ってきても、もう1つの目的語が残っています。
ということで、通常は受け身の後に目的語が置かれるというのは無いんです。
先ほどの文章は単純に
Scientists developed medicine.
と能動態で書けば良かったのですね。
ということで、他にもたくさんありますが、少なくとも意味が全く伝わらないような構文ミスを無くす、というのは文法力で6点の評価を得るのに必要なことです。
2)複雑な構文の使用
構文力のアピールのためには、少し複雑な構文も正しく使えることをアピールしていく必要があります。
スコア4点台の人のライティングは、ほとんど従属節が見られません。
1つのセンテンスの中に1つの節だけがある単文や、等位接続詞(and, but, so等)を使った重文だけで書かれています。
5点台になると従位接続詞(because, while, although等)を使った従属節のある複文が増えてきます。
しかし、関係代名詞を使った文章の中でミスが見られたり、分詞構文を使った文章はほとんど使われなかったりします。
6点に乗せるためには、従属節や関係詞節を自然に使いこなせていることと、必要であれば分詞構文のような構文も使える力が求められます。
こういった構文の力は、どんどん使っていくことで鍛えられます。
特にTask2では因果関係の表現が正しく使えることが必須になります。
こちらも参考にしてみて下さい。
まとめ
ということで、かなり長い(長すぎる?)記事になってしまいましたが、ライティングで6.0を取るために必要なポイントいかがでしたでしょうか?
「なぜ自分のライティングは6.0に届かないのか?」
と感じている人は、是非上に挙げたポイントを1つ1つチェックしてみて下さい。
必ずどこかに課題があるはずです。
ご自身では、どうしても分からない、あるいは修正の仕方が分からない、という場合は添削を受けるのが最も近道です。
こちらでは、上記のような視点でインプットとアウトプットのトレーニングをしています。
6.0以上を目指す方はこちらを参考にしてみて下さい。
Have a good day!