IELTSのライティングはTask2から始めるべき?ライティング本番対策の本当のところ

こんにちは。藤本です。

IELTSのライティングはTask1とTask2の2つを60分で取り組んでいきます。

 

このときにTask1、Task2どちらから取り組めば良いでしょうか?

多くの参考書にはTask2から取り組め、ということが書かれていると思いますが、私はちょっと違う見解を持っています。

今日はこのことについて書いてみます。

 

参考書がTask2から始めろと言っている根拠

多くの参考書がTask2からスタートするように指導している理由は単純にスコアの重みです。

IELTSのライティングはTask1:Task2=1:2の重みでスコアが配分されるため、より配点の高いTask2から始めろ、というのが多くの参考書の根拠になっています。

 

これはこれで一理あると思います。

 

ただ、この考えには、ある1つの前提が隠れています。

それは、少なくともTask2を最後まで書くことができれば、Task1は途中で終わっても良い、という考えです。

配点が高いからTask2から始めろ、というのはそういうことですよね。

 

その考え、どうなんでしょうか?

 

過去の生徒さんとお話してきた経験から、Task1が途中で終わった場合、スコアは最高で6.0止まりになります。

途中で終わって6.5以上を獲得したという話は、これまでのところ聞いたことはありません。

もちろん、途中で終わっても6.0に届くのはほんの一握りで、ほとんどのケースは途中で終わった場合、5.5以下になっています。

 

つまり、Task1は途中で終わっても良い、という戦略が取れるのは、目標のライティングスコアが6.0までの方に限ります。

それ以上のスコアを目指す場合は、どちらから始めるにしても、両方きちんと最後まで書ききることが大前提になるということなんです。

 

過去生徒さんを見てきて分かる傾向

では、両方とも終わらせることを考えたときは、どちらから書き始めても良い、ということでしょうか?

 

ここで、私自身の経験、および過去の生徒さんたちが実際に講座の中で書く様子を見てきた経験から、言える傾向を1つご紹介します。

 

それは、スタートした方のタスクが長引く傾向にある、ということです。

Task1から始めた場合は、目標時間の20分を越え、Task2のための残り時間が40分を切るケースが多く、逆にTask2から始めた場合は、目標時間の40分を越え、Task1の残り時間が20分を切るケースが多いということです。

私自身、過去Task1から始めたことも、Task2から始めたこともありましたが、常にスタートした方のタスクは予定時間を超えてしまいました。

 

これは、最初の方は残り時間が多くあると思って、ついペースを考えず書きすぎてしまったり、長く見直し時間を取ったりしてしまうのが原因かもしれません。

 

ではどちらから始めるのが良いのか?

結論を書きます。

ライティングの目標スコアが5.5以下の人は、Task2から始めるのが良いでしょう。

しかし、ライティングのスコア6.0以上を目指す人は、Task1からスタートするのがお勧めです。

 

そう考える根拠を書きますね。

 

まず、5.5以下はTask1が途中で終わっても届く範囲に入ります。

よって、途中で時間切れになるリスクを考えると、5.5獲れれば良いという人は、多くの参考書が言う通り、配点が高いTask2からスタートするのが良いでしょう。

 

逆に6.0以上を目指す場合、基本的には両タスクを最後まで書ききることが前提になります。

そのときに、先ほどお伝えした傾向から、Task2から始めると、Task2の時間が40分をオーバーする傾向があります。

Task1の時間がその分削られます。

例えばTask2の時間が3分オーバーすると、Task1の残り時間が17分ですね。

Task1から始めた場合、やはりTask1の所要時間は延び気味になると思います。

仮に3分オーバーしたとすると、Task2に使える時間は37分です。

 

さて、ここで人間の心理として、残り17分でTask1を書き上げるときと、残り37分でTask2を書き上げるのは、どちらが冷静でいられるでしょう?

残り時間でピンと来なければ、こう考えてください。

17分というのは、本来Task1に割くべき20分から15%時間が短縮されている状態です。

一方37分というのは、本来Task2に割くべき40分から7.5%時間が短縮されている状態です。

15%と7.5%、明らかに15%も時間が削減されたら、人間冷静ではいられませんね。

7.5%なら何とか平静でいられるレベルだと思います。

 

この差は結構大きいです。

私自身の経験からも、Task1から始めて予定時間を過ぎたときと、Task2から始めて予定時間を過ぎたときでは、明らかにTask2から始めたときの方が焦ります。

 

また単純にこういう言い方も出来ます。

Task2から始めた場合、Task2を書き終えるのは少なくとも開始時間30分を越えていますね。

一方でTask1から始めた場合は、試験時間の半分に到達する前にTask1を終えていることが多いでしょう。

残り十数分でもう1つタスク(Task1)が残っているという状態と、時間を半分以上残して、1つのタスク(Task1)を終えてしまっている状態とで、どちらが安心感があるでしょう?

やっぱり後者の方が安心だと思うのです。

 

ということで、6.0以上を目指す場合は、Task2からスタートするのがお勧めです。

IELTSは当日の精神状態もスコアに大きく影響を及ぼすので、なるべく平常心でいられて、実力が出せるような戦略をとると良いですよ。