こんにちは。藤本です。
IELTSのライティングTask2は、論理的に文章を構築していく必要があります。
論理的というのは、
AだったらB、BだったらC、よってAだったらC
という構造のことですね。
この論理展開をしていくに当たって何度も出てくるのが
因果関係
です。
AだからB
逆に
BなのはAだから
というAとBの関係性を示す表現です。
言ってみればTask2というのは、この因果関係の連続で出来上がっているわけです。
つまり、Task2は因果関係がいかに表現できているかを問われている、と言っても過言ではないわけです。
よく使う因果関係の構文パターンを複数持っておくことが表現上、非常に有利になるわけですね。
そこで今回の記事では、この因果関係の構文パターンを一気に12ほど説明していきたいと思います。
是非12パターン全部覚えて、自在に使えるようにしていってくださいね。
目次
- パターン1.前提条件を示す従属節 + 予測を示す主節
- パターン2.前提条件を示す句 + 予測を示す主節
- パターン3.原因を示す従属節+結果を示す主節
- パターン4.原因を示す句 + 結果を示す主節
- パターン5.原因を示す節+等位接続詞+結果を示す節
- パターン6.原因を示す節+関係代名詞節(結果)
- パターン7.(原因を示すセンテンス)⇒(結果を示す副詞+結果を示すセンテンス)
- パターン8.(結果を示すセンテンス)⇒(原因を示すセンテンス)
- パターン9.原因を示す主語+述語+結果を示す目的語
- パターン10.原因を示す主語+使役動詞+目的語+動詞の原形
- パターン11.原因を示す主語+述語+目的語+to不定詞
- パターン12.原因を示す主語+述語+目的語+from+動名詞
- まとめ
パターン1.前提条件を示す従属節 + 予測を示す主節
まず「前提条件」と「予測」の組み合わせで表現するパターンです。
「もし~だったら」「~だったとき」と言った感じで、前提条件を「従属節」を使って表現し、その結果となる予測を「主節」で表現していきます。
前提条件を示す従属節は
When(~のとき) / If(もし~ならば) / Once(一度~すれば)
といった接続詞を使います。
これらの接続詞を使った従属節の表現は、誰でも知っているのですが、いざ英作文になると使えない人も多く、無理やり無生物主語で表現しようとする人も多いです。
が、無生物主語はこの後に説明しますが、慣れない人が書くと色々なエラーが入りやすいので、慣れないうちはこれらの従属節を使って表現するのが一番楽です。
主節は未来のことや、現状に反する仮定の話にするなら、助動詞を入れて表現します。
また、文法的には従属節⇒主節の順番でも、主節⇒従属節の順番でも良いわけですが、文脈的に「前提条件」は「予測」よりも先に説明すべきなので、原則「従属節⇒主節」の順番で表現します。
そして、従属節の終わりと主節の始まりの間にはカンマを入れます。
If the company introduces the system, it would significantly increase the sales.
(もしその会社がそのシステムを導入すれば、売上は大きく増えるだろう)Once the company introduces the system, it would significantly increase the sales.
(一度その会社がそのシステムを導入すれば、売上は大きく増えるだろう)
パターン2.前提条件を示す句 + 予測を示す主節
パターン1と同じく「前提条件」と「予測」の組み合わせですが、前提条件を「節」ではなく「句」で表現するパターンです。
With(~があれば) / By ~ing(~することによって)
などの表現を使います。
句にする場合、節だったら入っていたであろう主語や述語を省略した表現になりがちです。
例えば節なら
If the company introduces the system, ~
と表現していたところを
By introducing the system, ~
と表現することにより、introduceの主語であるthe companyが抜け落ちますね。
その場合、前後関係から読み手が省略した主語や述語を間違いなく読み取ることができるかを確認します。
もし、複数の主語や述語が想定出来てしまう場合は、読者が混乱する恐れがあります。
その場合は、迷うことなくパターン1の節のパターンで表現しましょう。
主節はパターン1と同様に、未来のことや、現状に反する仮定の話にするなら、助動詞を入れて表現します。
またこれもパターン1と同様に前提条件を示す句から文章を始めた場合は、主節が始まる前にカンマを入れます。
With the introduction of the system, the company would significantly increase the sales.
(そのシステムの導入で、その会社は大きく売り上げを増やすだろう)By introducing the system, the company would significantly increase the sales.
(そのシステムを導入することで、その会社は大きく売り上げを増やすだろう)
パターン3.原因を示す従属節+結果を示す主節
パターン1と似ていますが、今度は「前提条件」と「予測」ではなく、「原因」と「結果」の関係になります。
パターン1や2は、主節が「予測」なので助動詞を使うことが多いですが、「結果」の場合は既に起こっていることが多いので、現在形、過去形、完了形を使うことが多いです。
「原因」を示す従属節は
Because(なぜなら~だから) / Since(なぜなら~だから) / As(なぜなら~だから)
などを使います。
パターン1は「従属節⇒主節」の順番が一般的でしたが、「原因」と「結果」の組み合わせの場合はどちらもあり得ます。
原則の考え方として、「読者にとって既知の情報」を前に置き、「読者にとって未知の情報」や「強調したい情報」を後ろに置きます。
従属節から始めた場合は、主節が始まる前にカンマを入れます。
Population is increasing because medicine has been developed.
(人口は増えつつある。なぜなら医療が発達したからである)Since medicine has been developed, population is increasing.
(医療が発達したおかげで、人口は増えつつある)
パターン4.原因を示す句 + 結果を示す主節
パターン3と同じく「原因」と「結果」の組み合わせですが、原因を句で表現するパターンです。
because of(~という理由で) / due to(~という理由で) / thanks to(~のおかげで)
などの表現を使います。
パターン2と同様に、句にする場合、節だったら入っていたであろう主語や述語を省略した表現になりがちですので、前後関係から読み手が省略した主語や述語を間違いなく読み取ることができるかを確認します。
読者が混乱する場合は、句ではなくパターン3の節のパターンで表現しましょう。
Population is increasing due to the development of medicine.
(人口は医療の発達のおかげで増えつつある)Thanks to the development of medicine, population is increasing.
(医療の発達のおかげで人口は増えつつある)
パターン5.原因を示す節+等位接続詞+結果を示す節
パターン3と同様に「原因」と「結果」の節を組み合わせますが、パターン3と違い、等位接続詞を使って表現します。
so(その結果) / and then(そしてその後)/ and therefore(従って)
といった接続詞を使います。
thenやthereforeは接続詞ではなく、副詞なので、単独で節と節をつなぐことはできません。
andのような接続詞と一緒に使います。
この場合、必然的に「原因」を示す節が先に出て、「結果」を示す節が後ろに出ます。
Medicine has been developed, so population is increasing.
(医療は発達した。その結果人口は増えつつある。)Medicine has been developed, and therefore, population is increasing.
(医療は発達した。従って、人口は増えつつある。)
パターン6.原因を示す節+関係代名詞節(結果)
最初に原因を示す節を置き、その節全体を先行詞とした関係代名詞節で結果を表現します。
, which(そしてそれが)
文章全体を先行詞にする関係代名詞は、必ず非制限用法(カンマ付き)で、whichを使います。
Medicine has been developed, which increases population.
(医療は発達した。そしてそれが人口を増加させた。)
パターン7.(原因を示すセンテンス)⇒(結果を示す副詞+結果を示すセンテンス)
ここまでパターン1、3、5、6は、2つの節をつなげて1つのセンテンスにする表現でしたが、無理にワンセンテンスで表現する必要もありません。
2つのセンテンスに分けても、その2つのセンテンスの関係性がはっきり表現されていれば、十分に因果関係は伝わります。
原因を示すセンテンスを一旦終えて、その後に結果を示すセンテンスを表現する場合
Then(その後) / Thus(従って) / Therefore(従って)
のような副詞を結果を示すセンテンスの文頭に置きます。
パターン5と形は似ていますが、5は「and therefore」などのように接続詞とセットにして、前のセンテンスとカンマでつないでいますが、ここでは接続詞ではなく副詞だけになるので、前のセンテンスはピリオドで完結させる必要があります。
そして、結果を示すセンテンスを新たに大文字で始めますが、これらの副詞を文頭に置く場合、直後にはカンマを入れることが多いです。
Medicine has been developed. Therefore, population is increasing.
(医療は発達した。従って、人口は増えつつある。)
パターン8.(結果を示すセンテンス)⇒(原因を示すセンテンス)
パターン7と同様に2つのセンテンスに分けて書く方法ですが、7とは逆のパターンで、「結果」を示すセンテンスを先に書いて、その後に「原因」を示すセンテンスを置きます。
この場合、「原因」を示すセンテンスは
This is because(これは~だからである) / This result comes from(この結果は~から起こっている) / This is caused by(これは~によって起こされる)
のような書き出しを使います。
これらはパターン7とは違い、副詞ではなく主語+述語の組み合わせなので、これらの表現の後にカンマを入れる必要はありません。
Population is increasing. This is because medicine has been developed.
(人口は増えつつある。これは医療が発達したからである。)Population is increasing. This is caused by the development of medicine.
(人口は増えつつある。これらは医療の発達が原因である。)
パターン9.原因を示す主語+述語+結果を示す目的語
この後のパターン9-12はすべて無生物主語の構文になります。
「原因」を示す「句」を作り、それを主語にして表現します。
パターン2でも書きましたが、句で表現するということは、本来節であれば入っていたであろう主語や述語が抜け落ちる可能性があります。
その抜け落ちた主語や述語を推測するときに、読者が混乱する可能性があります。
このため、前後関係から間違いなく読者を混乱させないと考えたときだけ使用します。
慣れないうちは、パターン1-8の構文を使うのがお勧めです。
パターン9は無生物主語では最もノーマルな
主語+述語+目的語
の形です。
主語が「原因」、目的語が「結果」という表現です。
この構文で使う述語はたくさんありますが、よく使う述語は覚えておいた方が良いですね。
lead to(~につながる) / bring about(~をもたらす) / result in(結果として~になる)/ cause(~をもたらす)/ affect(~に影響する) / have an effect on(~に影響する)
といった動詞です。
句で情報が抜け落ちる部分さえ注意すれば、比較的表現しやすいと思います。
The development of medicine leads to the increase in population.
(医療の発達が人口の増加につながる)The development of medicine brings about the increase in population.
(医療の発達が人口の増加につながる)
パターン10.原因を示す主語+使役動詞+目的語+動詞の原形
パターン9の構文は、主語が「原因」で、目的語が「結果」になっており、常に直接的な因果関係の表現になります。
しかし世の中そのような単純な因果関係だけではなく、「AがBするのにXが影響を与える」といった因果関係もあります。
このように間接的な因果関係を示すのに使えるのが使役構文です。
使役の構文は
make / have / let / help((目的語に)~させる)
といった使役動詞と呼ばれる決まった動詞を使って表現します。
使役動詞を使う場合
使役動詞+目的語+動詞の原形
という形にするのがルールです。
The development of medicine helps population increase.
(医療の発達が人口が増加するのを助けている)
パターン11.原因を示す主語+述語+目的語+to不定詞
パターン10の構文は、make, have, let, helpといった決まった動詞しか使えません。
しかし、それ以外の動詞を使って間接的な因果関係を表現したい場合もあります。
このようなときに使うのが
動詞+目的語+to不定詞
という構文です。
この構文で使える動詞はたくさんありますが、以下のような動詞が代表的です。
allow(~が~するのを許す) / enable(~が~することができる) / encourage(~が~することを促す)/ prompt(~が~するのを促す)
これらの動詞の後ろに目的語を置き、その後ろにはto不定詞を置いて表現します。
The development of medicine allowed population to increase.
(医療の発達が、人口が増えることを許した)The development of medicine prompts population to increase.
(医療の発達が、人口が増加することを促す)
パターン12.原因を示す主語+述語+目的語+from+動名詞
パターン11は「AがBする」という結果をもたらす構文でした。
逆に「AがBしない」という結果をもたらす構文もあります。
この場合
動詞+目的語+from+動名詞
という構文を使います。
代表的な動詞として
ban(~が~するのを禁ずる) / prevent(~が~するのを妨げる) / keep(~に~をさせない) / protect(~が~することから守る)
が挙げられます。
例文を見てみましょう。
The teacher bans students from playing video games.
(その先生は生徒がテレビゲームをするのを禁じている)Police officers with guns can prevent criminals from committing crimes.
(銃を持った警察官は犯罪者が犯罪行為するのを妨げることができる)
まとめ
いかがでしたでしょうか?
もう一度12の構文パターンをまとめますね。
- 1.前提条件を示す従属節 + 予測を示す主節
(When / If / Onceなど) - 2.前提条件を示す句 + 予測を示す主節
(With / By ~ingなど) - 3.原因を示す従属節+結果を示す主節
(Because / Since / Asなど) - 4.原因を示す句 + 結果を示す主節
(because of / due to / thanks toなど) - 5.原因を示す節+等位接続詞+結果を示す節
(so / and then/ and thereforeなど) - 6.原因を示す節+関係代名詞節(結果)
(, which) - 7.(原因を示すセンテンス)⇒(結果を示す副詞+結果を示すセンテンス)
(Then / Thus / Thereforeなど) - 8.(結果を示すセンテンス)⇒(原因を示すセンテンス)
(This is because / This result comes from / This is caused byなど) - 9.原因を示す主語+述語+結果を示す目的語
(lead to / bring about / result in / cause / affect / have an effect onなど) - 10.原因を示す主語+使役動詞+目的語+動詞の原形
(make / have / let / help) - 11.原因を示す主語+述語+目的語+to不定詞
(allow / enable / encourage / promptなど) - 12.原因を示す主語+述語+目的語+from+動名詞
(ban / prevent / keep / protectなど)
これらの表現はどれも必須なので、是非すべて覚えて、自在に使えるようにしてみて下さいね。