こんにちは。藤本です。
生徒さんのリーディングを確認していると、リーディングが苦手な場合、
・知っている単語が少ない
・複雑な構文で即座に主語・述語・目的語といった構文がつかめない
の2つが原因としては圧倒的に多いです。
ところが、少数ですが、そこに当てはまらない人もいます。
それは
・単語は努力してたくさん覚えており、よく知っている
・複雑な構文でもしっかりと構文は捉えられる
のに、英文がまったく頭に入ってこなくて、理解できない場合です。
こうなってしまう原因があります。
それは
「単語を辞書通りの訳でしか訳していない」
ということです。
「そしてしっかりと自分の腹に落ちていない訳にしてしまう」
のです。
たとえば
disdain
という単語があります。
辞書によっては
「蔑む(さげすむ)」
という訳がついています。
ところがこの「蔑む」という日本語は、普段あまり使わない人もいますね。
そしてその意味を正確に分からないままにしている人もいるでしょう。
しかし、その意味を「蔑む」というよく分からない日本語のまま覚えてしまうと、当然英文を読んでいてdisdainが出てきたときに「蔑む」としか訳せません。
そうすると、その人の中では意味が本当の意味でイメージできません。
でも例えば「蔑む」がよく分からない人でも「軽蔑する」なら、理解できる人も多いでしょう。
「軽蔑する」でも分かりにくければ「見下す」「馬鹿にする」ぐらいまでかみ砕けば理解できるのではないでしょうか?
「見下す」「馬鹿にする」という訳をつけて初めて腹に落ちた意味として理解できます。
ある人は「argument」を「議論」という日本語訳で覚えていました。
なので、
He has an argument with her idea.
という文章が出てきたときに
「彼は彼女と議論する」
という訳で理解しました。
でもこの文脈で言うargumentは「反対意見」に近いニュアンスで
「彼は彼女の意見に反対する意見を持っている」
ぐらいの意味になります。
恐らく辞書にはargument=反対意見という訳は直接は出ていないと思います。
でも、文脈的にargumentを「反対意見」ぐらいのニュアンスで捉えられないと、正確に意味はつかめません。
このように、辞書にある意味を絶対的なものとして、その訳しかできないと、文脈によっては意味がすっと入ってこないことがあります。
文脈に応じて、適切な訳を付ける必要があるわけです。
英語を読むときに、ただ単純に日本語に変換する、という作業として考えていると、このようになってしまいます。
英文も、結局は著者は何かを伝えようとしているわけですから、その何かを捉えようという意識で読めば、辞書の意味にこだわらずに文脈に応じた訳が出来ると思います。
その辺りがよく分からない場合は、和訳のついた英文を読んで、自分の訳と和訳とを比較してみると良いです。
IELTSの公式問題集は残念ながら和訳はついていませんが、入手する方法はありますよ。