こんにちは。藤本です。
本日はIELTSリスニング対策についてのお話ですが、本日の話はあまり記事にはしてこなかったリスニングのテクニック的なお話です。
リスニングでよくあるパターン
リスニングの過去問を解いているとしばしばこういうパターンに出会いませんか?
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客「明日お店が開くのは何時?」
店員「平日は午前9時だけど、明日は週末だから平日より1時間遅いよ。平日も週末も午後5時までやっているよ。」
質問:明日お店が開くのは何時か?
選択肢A:午前9時
選択肢B:午前10時
選択肢C:午後5時
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これがIELTSお得意の引っ掛けパターンです。
日本語で見れば簡単な話なのですが、英語で、それもリスニングで聞くと選択肢A、Cを選択する人たちがバタバタと出てきます。
引っ掛けパターンに引っ掛かる理由
なぜこういうことが起こるのか?
最大の原因はやはり英語が聞き取れていないということに尽きます。
内容を理解しておらず、聞こえてくる単語だけから選択しようとしているからですね。
まず設問を先読みしていれば、とりあえず「店の開店時間」を聞き取ればよいことは分かります。
でも音源をきっちりと文章として理解できていないと、とりあえず聞き取れた断片的な情報だけから答えようとしてしまいます。
聞き取れた「開店時間」らしき表現が「午前9時」と「午後5時」だけだったとしましょう。
スクリプトのどこにも「午前10時」という表現が出てこないので、多くの人はここで選択肢Bを候補から外してしまいます。
そして「午前9時」と「午後5時」で悩む。
出題者の思うツボですね(笑)
このようにIELTSリスニングの問題は、主要な「単語だけ」を聞き取って、それをつなぎ合わせて意味を理解しようとするレベルの人にとっては、引っ掛かりやすい問題が多いのです。
その理由は、
1)スクリプトにはわざと紛らわしい表現がちりばめられている
2)正解の選択肢に入っている単語はスクリプトでは別の表現になっている
という2つです。
どこまで聞き取れたら引っ掛け問題は回避できるか
ではどのレベルまで理解出来ていればこういった引っ掛け問題は回避できるのでしょうか?
実はこの問題は、完璧に100%理解できていなくても解けます。
少しリスニング力が上がって「午前9時」「午後5時」の他に「平日」「明日」「までやっている」という情報が耳に入ってくるとどうなるでしょう?
「平日は午前9時・・」
「明日は・・・」
「午後5時までやっている」
ここまで分かるということですね。
この段階でカンが良ければ選択肢AとCを消去して、選択肢Bを選べます。
そうなのです。
ズバリ聞かれているコアの情報(今回なら「時間」)とは別に、その情報が成立する条件や付帯情報(今回なら「平日」「週末」「までやっている」)を聞き取ることが実は重要なのです。
たまに
「選択肢Bにある「午前10時」って言葉が聞こえなかったなー、平日9時って言ってたけど、それって結局明日の話だったのかな?」
なんて考え過ぎてしまって結局不正解になる人もいますが、これはちょっともったいないですね。
2)正解の選択肢に入っている単語はスクリプトでは別の表現になっている
というIELTS特有のパターンを考慮した上で、ずばりそのものの表現がなかったとしても聞き取れた情報を元に自信を持って不正解の選択肢は消去してもらいたいです。
リスニング7.0取れる2種類の人間
ということで、リスニングで7.0以上獲れる方は2種類の人がいます。
「平日は午前9時だけど、明日は週末だから平日より1時間遅いよ。平日も週末も午後5時までやっているよ。」
という話の全体像がきっちりと理解出来ている方と
全体像は聞き取れていなくても
「平日は午前9時・・」
「明日は・・・」
「午後5時までやっている」
という重要な条件・付帯情報だけが聞き取れている方です。
実際のリスニング力は前者の方が圧倒的にあるわけですが、ことIELTSのリスニングスコアに関していうと前者と後者は同じようなスコアになります。
本当は前者の実力をつけるのがベターですが、時間がない場合、とにかくIELTSを早く卒業したい場合は、後者のように条件・付帯情報だけでも確実に聞き取れるように意識していきましょう。
実践練習
では最後に1つ例題です。
この設問はどの部分が聞き取れたら回答できるでしょうか?
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マイク「ハイ、ジョージ。論文のテーマは決まった?」
ジョージ「やあマイク。最初に考えていたのは君と同じように現代のマスメディアについてだったんだけど、先生からはそれならメディアの歴史を調べてみろと言われたんだ。で歴史を勉強していたら、教育に興味が出てきたんだ。だから教育をテーマにすることにしたよ。」
設問:マイクの論文のテーマは何か?
選択肢A:現代のマスメディア
選択肢B:歴史
選択肢C:教育
ちょっと意地悪な問題でしたね。
答えはAでした。