こんにちは。藤本です。
私は昔高校で野球をやっていましたが、バッティングマシンで130キロを打ち込んでいると、試合で120キロくらいのピッチャーの球が見易くなるという経験がありました。
普段速いと思っているピッチャーでも、それ以上に速い球に目を慣らしておくことで、見易くなるという効果ですね。
勉強においても、それと同じことが言われることがあります。
つまり難しめの問題に取り組んでおけば本番の試験の問題が簡単に感じるという効果です。
これは一理あると思います。
分かりやすいのがリスニングです。
リスニングのテープを1.5倍速でずっと聞いていると、通常のスピードに戻したときにゆっくりに聞こえて理解が進むことがあります。
リーディングも難解な文章を読んでおくことで、通常レベルの文章が簡単に感じることはあります。
こうして自分の実力よりやや難易度を上げて勉強するというのは、自分の限界を伸ばす、自分の壁をぶち破るための1つの方法です。
ただし、この勉強法は使い方によって毒にも薬にもなります。
例えば気をつけたいのが、まだ実力が低い段階でいきなり高い難問題に取り組まないということです。
きちんとした英文理解力がない段階で、いきなり1.5倍速の音源を聞いたり、超難解な英文を読むのはあまり効果がありません。
効果がないどころか、逆効果のときもあります。
本当は構文を理解しながら聞かなければならないのに、1.5倍速で聞くことで、丁寧な聞き取りを忘れて、聞こえた単語だけから意味を推測しようとしたり、難しい文章を、分かった単語から意味を勝手に推測するような読み方をしようとしたりということが起こります。
もしこういった聞き方や読み方がその人のフォームとして定着してしまうと逆効果です。いつまで経ってもしっかり理解をするような丁寧な読み方、聞き方が身につかないことになってしまいます。
言わば、100キロの球が打てない小学生がいきなり150キロのバッティングマシンに挑戦するようなものです。野球経験が少ない小学生がいきなり150キロを目の前にしたら、バットに当てようという意識より恐怖心が勝ってしまって、腰の引けた悪いバッティングフォームが身についてしまいます。
だからしっかりと基本的なフォームが固まるまでは、自分の実力に合わせた基礎的な水準の問題に取り組むべきです。
そこで基礎的な問題をしっかり解けるようになったら、少しづつ難易度を高めていくということですね。
ということで、基礎力をつける時期は基礎的な問題を、実力がついてきたらちょっと難易度の高い問題に取り組んでみてください。
最後までありがとうございました。