「どのセクションを優先して対策を始めるべきでしょうか?」

こんにちは。藤本です。

IELTSは

リスニング
リーディング
ライティング
スピーキング

の4つのセクションがあります。

当然4つとも対策が必要なのですが、これからIELTS対策を始める場合、何から手をつけて良いかよく分かりませんね。

ということで、今回はこの4つのセクションの取り組み順についてのお話です。

 

4セクションの取り組み順について、まず頭に入れておきたい原則があります。

それは

・スコアを伸ばしやすいものから伸ばす

というものです。

 

なぜ伸ばしやすいセクションから取り組んだ方が良いのか?

伸ばしやすいセクションとは何か?

 

この辺りを書いてみたいと思います。

 

1つのセクションに集中した方が有利

例えば、オーバーオール6.0を目指していたとします。

各セクションで求められる最低スコアは無しだったとしましょう。

そして、現段階のスコアが

リスニング  5.5
リーディング 5.5
ライティング 5.5
スピーキング 5.5
オーバーオール5.5

だったとしましょう。

 

このときに一番早くオーバーオール6.0に持って行く方法は何でしょう?

 

それは、一番伸ばしやすいセクションだけに特化して1.0伸ばすことです。

 

例えばリスニングを1.0伸ばすと

リスニング  6.5
リーディング 5.5
ライティング 5.5
スピーキング 5.5
オーバーオール6.0

となります。

 

4セクション満遍なく勉強して、0.5ずつ上げるよりは、1セクションに集中して1.0上げる方が、時間的には短くて済みます。

なぜなら、一般的に勉強時間とスコアの関係は、直線的に上がるのではなくて、指数関数的に上がるからです。

こんな感じです。

 

だから、例えば4セクションをそれぞれ5時間ずつ勉強しても4セクションとも0.5も伸びないことがあり得ますが、1セクションに20時間投入できれば、その1セクションだけは0.5上がるかもしれないわけです。

つまり、各セクションに少しづつ時間を割り振るというのは、スコア的には損なんです。

特にスコアが低くて、伸びしろが大きい段階では、1つのセクションに集中して、その1つのセクションに長時間投入した方が有利です。

 

伸ばしやすいセクションからスタートするのが心理的にも有利

次に心理的な理由として、伸ばせるものを伸ばしておいた方が心理的に安心できる、という側面があります。

 

例えば、スコアを伸ばしにくいセクションに取り組んでいて、そのセクションを伸ばすのに3か月かかるとしましょう。

その3か月間は、残りの3セクションの力を全く伸ばすことなく過ごすことになります。

そうなると何だか焦ってきませんか?

残り3つのセクションに取り組めないストレスを抱えながら3か月過ごすことになります。

 

それに対して、スコアを伸ばしやすいセクションは、スコアを伸ばすのに1か月で良いとします。

そうすると、その1か月については、残りの3セクションに取り組めないですが、2か月目からは、別のセクションに取り組むことも出来ます。

 

ということで、どのセクションが伸ばしやすいかを見極めて、伸ばしやすいセクションから取り組むようにしましょう。

スコア的にも、目標スコア以上安定して出せるというセクションが1つでも2つでも、早い段階であった方が、勉強を続けるうえで、安心材料になるはずです。

 

では、集中するセクションは何が良いか?

これは、現在の力によって変わってくると思います。

 

まず、全セクションとも5.0以下、という場合や、未受験だけれども学生以来、数年間英語に触れていない、という場合。

この場合、基礎力がありませんから、最初にリーディングに集中して伸ばすのがお勧めです。

 

これは理屈としては

「読んで分からない文章は、聞いても分からないし、書くことやしゃべることもできない」

という考え方によるものです。

分かりやすい理屈だと思います。

 

逆に

「聞いても分からない英文だけど、読んだら分かる」

「書くことやしゃべることはできないけど、読むことはできる」

というケースは多いと思います。

 

またリーディングを鍛えることで、基本的な単語や構文の力が身につきますので、その力はリスニングやライティングにも活かすことができます。

その意味で、初心者の場合は、まずはリーディングに集中することがお勧めです。

 

次に、5.5以上取れているセクションがある場合です。

これは、伸びしろの大きいセクションを優先していくと良いでしょう。

 

伸びしろをどうとらえるかですが、これは平均点とのギャップで見ることができます。

 

2017年の日本でのIELTS受験者の平均点

アカデミックモジュール

リスニング  5.91
リーディング 6.09
ライティング 5.41
スピーキング 5.59

ジェネラルトレーニングモジュール

リスニング  5.86
リーディング 5.53
ライティング 5.39
スピーキング 5.71

出典:https://www.ielts.org/teaching-and-research/test-taker-performance

 

この平均点よりも自分のスコアが低い場合、平均点と自分のスコアとのギャップが一番大きいセクションが、一番伸びしろがあると考えてもらうと分かりやすいと思います。

 

例えば今のスコアがアカデミックで

リスニング  5.5
リーディング 5.5
ライティング 5.5
スピーキング 5.5
オーバーオール5.5

だとすると、一番ギャップが大きいのがリーディングなので、リーディングが伸ばしやすいということになりますね。

 

こんな感じで、取り組むべきセクションを決めていくと良いと思います。

感覚ではなく、論理的に、戦略的に取り組んでいきましょう。