こんにちは。藤本です。
IELTSはさっさと終わらせるべきです。
なぜなら、ほとんどの人にとってはIELTSはただの手段であって、本当の目的はその先にある留学や移住のはずだからです。
でも、残念ながら現実には多くの人が目標スコアに到達するまで長い時間を要してしまいます。
そんな中、非常に短期間でスコアを上げる方がいます。
これまでIELTS受験者を多く見てきて、対策が長引く人と、そうでない人には学習上の考えに大きな違いがあります。
今回はその違い3つを書いてみます。
この3つはすごく大事なことなので、是非この3つの違いを認識して、早期卒業を目指してみて下さいね。
違い1.「知っている」ことと「覚えている」ことの違い
ある知識を「知っている」のと「覚えている」のは全く次元が違います。
例えば、アカデミックのライティングTask1で、円グラフの問題が出たときに
「~のシェアは〇〇%である」
という表現を何度も使って説明することになります。
さて、このシェアの表現をあなたはいくつ知っているでしょうか?
私のライティング講座では、シェアの表現については、2つの構文を覚えて、さらにその2つの構文ごとに3つの単語のバリエーションを覚えて、合計6つの表現を覚えるように指導しています。
例えば、
The (share/percentage/proportion) of ~ is 〇〇%
~ (accounts for/makes up/represents) 〇〇%
という感じです。
ほとんどの方は、この6つの表現を見たときに、読めば理解出来ます。
つまり知っている構文です。
でもすべて理解出来ている人でも
「シェアの表現を6つ挙げてください」
と言われて、間髪入れず上記の6つが出てくる方はほとんどいません。
ひどい場合は1つも出てきません。
長期低迷する方の思考法として、「知っている」から「覚えている」と思ってしまう、ということがあります。
「知っている」と思った段階で、安心してしまうんでしょうね。
だから、その後の「覚える」という作業をサボってしまうんです。
しかし、これは大きな勘違いです。
ライティングやスピーキングで「知っている」だけで自力で表現できないのは、1点にもならないのです。
「知っているけど覚えていない」という状態は、試験では「何も知らない」のと同じなんです。
だからライティングやスピーキングでスコアを上げたければ「覚えている」状態を作らなければ意味がありません。
スコアを早期に上げられる方は、「理解する」という作業と、「覚える」という作業は全く別であること理解しています。
そして「覚える」にはそのための作業が必要であることも知っています。
スコアが低迷している場合、IELTSの学習には、この「覚える」という作業が必須であることをまずは理解しましょう。
そして「覚える」という作業にもっと時間を割きましょう。
具体的な「覚える」作業は、以下を参考にしてみてください。

違い2.「忘れることに無自覚」と「忘れないために作業する」の違い
さて、「覚える」という作業を頑張って行ったとしましょう。
ところが人間の脳には「忘却」という機能が備わっています。
長期低迷する方は、この忘却に無自覚な人が多いです。
一度しっかり覚えたら、1か月後でも覚えている、と何となく思ってしまっているのです。
例えば、私のセミナーに参加されたり、リーディング講座の動画をご覧になった方は、
「トピックセンテンスには5つのパターンがある」
という話を聞かれていると思います。
セミナーでも、動画でも相当強調して説明しています。
しかし、3か月後にこの5つのパターンをスラスラ言える人は多くはありません。
「そんな話ありましたっけ?」
という反応もよく聞かれます。
その話を聞いた時点では「なるほど」「大事だから覚えよう」と思っていたはずですが、完全に記憶から抜け落ちています。
ライティング講座を受ける方には、
「Solution問題は、Body1に対する解決策を書け」
という注意点を、相当時間を取って、強調して説明しています。
さらにご丁寧に
「この話は3か月後には忘れている人が大半だから、そうならないようにしてくださいね」
という説明までします(笑)。
さすがにここまで強調すると、1週間後のレッスンでは覚えている方が大半です。
ところが、3か月後に確認すると、きれいに忘れています(涙)。
いかに人間が大事だと思っていることも忘れてしまうか、です。
早期にスコアを上げられる方は、時間とともに知識は忘却することをしっかり自覚しています。
「知っている」と「覚えている」には大きな差があるように「覚えたけど忘れた」と「忘れないで覚えている」には大きな違いがあります。
試験本番では「覚えたけど忘れた」は「知らない」と同じですね。
そのためには「忘れない」工夫が必要です。
まずは今覚えていることでも、1か月後には「忘れてしまう」という自覚を持ちましょう。
この自覚がないと、いつまで経っても「忘れないようにしよう」とはならないのです。
そして「忘れない」ための唯一の解決策は、繰り返しです。
まず忘れるべきでないことはきちんとメモを取ることです。
メモに頼らず頭で覚えようという人は、1か月後に大事なことをすべて捨てるようなものです。
そしてメモは取りっぱなしではやはり意味がなくて、そのメモを日々のルーチンの中で、何度も何度も見直すような習慣化が必要です。
スコアを一気に高める方は、この部分を大事にしています。
違い3.「忠実に実行」と「勝手にアレンジ」の違い
私のブログ、メルマガ、講座などでは、IELTSを早期卒業するための様々な学習方法をお伝えしています。
スコアを上げられる方は、それをそのまま忠実に実行してくださいます。
しかし、中には
「自分に合った方法がある」
あるいは
「もっと楽に、効率的にやりたい」
と考えて、独自のアレンジをする方がいます。
しかし、それは多くの場合、むしろ非効率な選択になります。
これが長期低迷の第一歩になることに気付いていません。
例えば、単語を覚えるときに、私は10単語単位で1セット5分で覚えるようにお伝えしています。
ところが、講座などで単語テストをして成績が良くない人に確認してみると、10個単位ではなくて20個単位で覚えていたり、書いて覚えようとしていたりします。
「そんな細かいところまで?」
と思う方もいるかもしれませんね。
しかし、10個単位だったら5分で覚えられて、2セット20単語覚えるのに10分で覚えられたかもしれないのに、20個単位になると15分かかったりします。
たった5分の違いかもしれませんが、200単語覚える間にそれが50分の違いになります。
1週間経てば5時間以上もの差になります。
結果的に自分の勉強時間を削ることをやっているのです。
実際に、10単語単位で覚えるように方法を変えただけで、成績が上向く方が多いです。
リスニングのシャドーイングでは、私は1分の音源を100%完璧にしろ、シャドーイングの前に暗唱や音読のプロセスを入れろ、と指導しています。
ところが、
「シャドーイングをしても効果が出ない」
という方に、その方法を伺うと、5分の音源を使っていたり、100%にならないうちに諦めていたり、暗唱や音読のプロセスを省略していたりします。
私からしたら、それじゃ効果ないのと同じだよ、という学習を延々と時間をかけてやっているのです。
時間と労力を無駄に使っているわけです。
このように、お勧めされる方法を「勝手にアレンジする」という行為は、本人にとっては、わずかだと思えることであったとしても、結果として大きな損失を生むことがあります。
この「勝手にアレンジ」の深刻な影響をあまりに軽視している人が長期低迷のトンネルに突っ込みます。
私がブログや講座でお伝えしている方法は、私が実際に実施して効果があったものや、多くの人に試してもらって効果があった方法です。
その意味で、あなたが自分自身で考える方法よりも、実績があり、洗練された方法と考えてください。
料理でも、スポーツでも、仕事でも、一定のレベルに達するまでは、基本的に経験豊かな人に言われた通りにやるのが一番効率が良いですよね。
IELTSも同様です。
少なくともIELTS6.5-7.0の水準に達するまでは、勝手なアレンジは控えて、忠実に言われたことを行う方が結果として時間短縮になります。
まとめ
ということで、IELTSを早期に卒業する人と、長期低迷する人の違いを3つ挙げてみました。
1.「知っている」と「覚えている」の違い
2.「忘れることに無自覚」と「忘れないために作業する」の違い
3.「忠実に実行」と「勝手にアレンジ」の違い
少し厳しい表現も入っていたと思いますが、すべては長期低迷者を出したくない、という気持ちからです。
上記のような内容に当てはまっている人がいたら、それが大きなロスを生んでいることを自覚して、是非正しい方法にシフトしてみてくださいね。