こんにちは。藤本です。
本日はIELTSライティングのお話です。
私はよく
「ライティングは暗記科目」
ということを言っていて、講座の受講生にもがっつりと表現を覚えてもらいます。
そのときに、一言で「覚える」と言っても人によって覚え方に違いがあります。
そして、その覚え方によってその人が本番で取れるスコアが大きく変わってきます。
例えば、アカデミックモジュールのTask1のグラフ問題で、シェアを表す英文というのが
1) The share of A is 30%.
2) The percentage of A is 30%.
3) The proportion of A is 30%.
4) A accounts for 30%.
5) A makes up 30%.
6) A represents 30%.
のように6つほどあったとします。
そして、「この例文を覚えてきてくださいね」と言って宿題にしたとします。
Aさんは、この6つを全部意味としては理解した上で、暗記しようとはしませんでした。
読めば分かる文章なのだから、いざとなれば自分でも作れると思ったわけですね。
Bさんは、6つの例文を全部理解した上で、1つだけ暗記しました。
同じ意味の文章なのだから、そのうちの1つだけ覚えれば十分、と考えたわけです。
Cさんは、なんとか頑張って6つを覚えようとしました。
でも6つを全部バラバラに覚えたので、本当に全部頭に入ったかが自信がありません。
Dさんは、こんな覚え方をしました。
まずシェアを表す表現としては、第2文型を使った構文1)~3)と第3文型を使った構文4)~6)があることを理解して、2つの構文があることをまず暗記しました。
なので、シェアを示す構文には2つがあること、そしてその構文にはそれぞれ3つずつの単語のバリエーションがあることを覚えました。
Eさんは、Dさんと同じように2つの構文があり、それぞれに単語のバリエーションが3つずつあることを理解して、さらにこんなところまで気を付けて暗記しました。
第2文型を使った構文1)~3)は、主語がshare, percentage, proportionなどの「数値」を示す単語で構成されている。
第3文型を使った構文4)~6)は、主語がAのように「カテゴリー」を示す単語で構成されている。
さて、試験本番。
この日出題されたのは、円グラフが2つ並んだ問題でした。
それぞれの円グラフは5つの国のシェアが出ているので、合計で10個のデータがある問題です。
USAは20%、UKは18%、Japanは10%・・・と10個のデータを説明しなければならなかったとします。
このような問題に出会ったときに、Aさん、Bさん、Cさん、Dさん、Eさんのうち、誰が最も有利か、、、、
もう、分かりますね。
何も暗記をしていなかったAさんは、シェアの表現がさっとは出てきません。
何とか
USA is 20%.
という表現を書きあげましたが、これはもちろん文法ミスですね。
10個のデータを説明するのに、すべて文法ミスを含んだ表現を使ってしまい、大減点となってしまいました。
かろうじて1つの表現だけを暗記していたBさんは、その1つの表現ばかりを使って書くしかありません。
ひたすらその表現を繰り返して使いましたが、そうなると表現の幅がないということで、これまた減点となりました。
Cさんは6つ覚えていたはずですが、いざ本番で、書こうとすると第2文型を使った2つしか表現が思い出せません。
仕方なく、その2つの表現を順番に繰り返して書いて何とか乗り切りましたが、単語だけの入れ替えなので、どうしても表現が単調になってしまいました。
Dさんは2つの構文があることを覚えていたので、第2文型と第3文型の2つの構文を使って書こうとしました。
しかし、主語が何だったのかを明確に意識していなかったため、いつのまにか「数値表現」を主語にした第3文型や、「カテゴリー」を主語にした第2文型がいくつか混ざってしまい、文法ミスとしてカウントされてしまいました。
6つの構文と表現を完璧に覚えていたEさんは、6つの表現を適度に入れ替えながら、10個のデータの表現を書きあげました。
主語も意識して覚えていたので、正確に記載が出来ました。
IELTSのライティングで本番でも力を発揮する覚え方としては、Eさんのような覚え方をするしかないのです。
同じ表現を表すのにいくつの構文があるかを明確に覚えること。
そして、その構文の中で、さらにいくつの単語のバリエーションがあるかを覚えること。
さらに、それぞれの構文で、主語としてどのような表現を使い、述語としてどのような表現を使うかまで、正確に覚えること。
覚え方としては、例えば
「シェアを表す構文を2つ、さらに、それぞれの構文に対して、単語のバリエーションを3つずつ言え」
と言われてさらっと出てくるような覚え方をしなければなりません。
つまり、構文から覚えるのではなく、使うべきシーンから逆引きで、そのシーンで使える構文を思い出せるようにすることです。
これを「逆引き暗記法」と名付けます。
これが本番で使える覚え方です。
覚えない、というのは論外ですが、ただ何となく暗記したつもり、というのとはワケが違いますね。
IELTSの勉強における暗記とは、本番でいかに力を発揮するかを考え、そこから逆算して逆引きができるような正確な覚え方をすることですよ。