こんにちは。藤本です。
オーストラリア永住権を目指してIELTSに取り組み、無事に卒業された久野さんのロングインタビューの3回目をお送りします。
1回目から読みたい方は以下からご覧ください。
今回は、各セクション別の対策について伺いましたので、お送りします。
リスニングセクションの対策
― では各セクションのお話を伺いたいと思います。リスニングは2015年のときから5.5でしたので、あまり苦手意識はなかったという感じですか?
苦手意識はなかったんですが、スコアを見ると、14回受験した中で5.5以下が8回ありまして、一番伸び悩んだ科目でした。
― それを6.0にするには何が有効でしたか?
まずはシャドーイングです。
シャドーイングは合格までの間に3回実施しました。これがベースを作ったかなと思います。
その後NH K Worldラジオを1日10分前後聞くような習慣をつけていました。
NHK ラジオは日本の情報が入ってくるので楽しくて、それが良かったです。
― そうですね。
あと後半は過去問に移って朝の時間帯を中心にやりました。
そのときにTonekoさんというイギリス在住の女性がIELTSのリスニングを自分で解く動画をYoutubeで出していて、それがヒントになりました。
なんてことはないのですが、問題を読むときにキーワードにアンダーラインを引いていくんです。
私も今までもそうやっていたんですが、その人は全部の問題の重要なキーワードにアンダーラインを入れていくんです。聞かれている箇所以外もすべて。問題のタイトルとかも含めて。
そして音声を聞きながら、今度はそのキーワードが読み上げられるとチェック入れていくんですね。
そうすると聞き逃しがないという感じです。おいて行かれなくなりました。
すごく単純なことですがその方法が私にとってはすごく良かったです。それを参考にさせて頂きました。
― なるほど。
最終的には一番自信がある科目がリスニングでした。
ある時点からは過去問をやっても6.0以下は取らなくなって、たまに7.0も取れてました。
自分でも7.0取れるんだ、というのが自信になりました。
本番では7.0は取れなかったですが、それぐらい良いスコアが取れるようになったのがリスニングでした。
リーディングセクションの対策
― リーディングは最初の受験は4.5でしたが、後はだいたい5.5から6.0という感じでしたかね。
そうですね。リーディングは6.5が2回あって、5.5が3回、残りは全部6.0でした。
― 安定していたんですね。
でも自分としては、毎回賭けみたいな感じで、時間が足らなくて最後えいやで穴埋めをするのがリーディングでした。
時間が一番ネックでした。
― リーディングはどんな感じで勉強していたんですか?
基本的には藤本さんに教えていただいた4度読みをやっていました。
特にTrue or False問題とパラグラフタイトル問題が苦手だったので、それを意識して強化するような練習をしていました。
True or Falseは藤本さんに教えていただいたNot Givenの解釈が分かりやすくて、割と得意な分野になりました。
あとはリスニングと同様にTonekoさんがリーディングを解いている動画があって、それも参考にさせて頂きました。
― 具体的には?
Tonekoさんのリーディングの読み方は同じように固有名詞やキーワードにアンダーラインを引いていくんですね。
これが来たらアンダーラインしましょうという項目を挙げていて、同じように練習のときは、アンダーラインを引きながら読むようにしていました。
そうすると問題を解く助けになるなと思いました。
設問から本文に戻るときにそのアンダーラインの場所に目が行くという感じになりました。
頭から抜けてしまった情報もアンダーラインを読み直すと思い出せるみたいな。
実践のテクニックの1つだと思います。
― なるほど。そのアンダーラインを引くという作業を4度読みをベースにやっていったということですね。
はい、4度読みは結構体力を使うので、タフな勉強でした。
同じ文章を何度も読むので、ストイックな勉強法だなと思いながらやっていました。
でも最終的にはこれしかないなと思いました。
― そうですね。色々参考書はありますけど、結局のところリーディングは読めれば解けるし、読めなければ解けないというシンプルな話なので、読む力を上げるしかないんですよね。
あと藤本さんのテキストも2回ぐらい読み直しました。
― なるほど。2回目読んだときに1回目には無かった発見はありましたか?
基本的に同じところでつまずくのですが、2回目は納得できるところも増えました。
― そうですね。最初にテキストや動画を見るときは大事なところが結構スルーされてしまうんですよね。2度目以降になると大事なところが分かるので、もっと記憶に残る感じになりますね。私も生徒さんには2回以上動画を見るようにお勧めしています。
ライティングセクションの対策
― 次はライティングですね。どんな対策をしていましたか?
ライティングは大部分の時間を費やしたんですけど、最初はテンプレートの暗記です。紙がボロボロになるまで何度も読みました。
このテンプレートの暗記に助けられました。
あとは解答例や添削された文章を写経するようにしました。
藤本さんの解答例が一番なじみが良くて、すごく参考にさせて頂きました。
他の解答例は頭に入って来ないんですけど、藤本さんの解答例が分かりやすかったです。
あれは受験者のレベルに合わせているんですか?
― そうですね。私自身が写経したときに難しい解答例は頭に残らなかったんですね。自分では書けない文章だってなってしまって。なので、解答例ではなるべく使いやすくて、汎用性が高い表現をたくさん使うようには心がけています。
文法ミスなどは文法テキストのファイルに戻って学び直しました。
文法テキストで指摘を受けた項目は日付を書いていったんですが、何度も同じ指摘を受けたところはどんどん日付が溜まっていって、こんなに何度も間違っているんだということに気付けました。
― なるほど。面白いですね。
あとは書く練習をしていったのですが、書くときに自分の道具がないと書けないということに気付きました。
道具とは、つまり単語や構文なんですが、その蓄積が無いと書けないということですね。
そこに気付いて、講座で頂いたライティング用の単語集を覚えました。
― 講座でお渡ししている単語集は、例えば日本語は浮かぶけど英語が浮かびにくい単語とか掲載していますからね。集中して単語をインプットするのは大事ですね。
オーストラリアでも家庭教師についてライティングの添削をしてもらっていたんですけど、その家庭教師に言われたのが、goodとかbadとかいう単語はあまり使わないこと。それ以外の形容表現を4つぐらい持っていなさいということを言われて、それも意識していました。
― それも大事ですね。私も先日のメルマガで書いたんですけど、パラフレーズは名詞を無理に書き換えるよりも、形容詞とか動詞をうまく書き換えられると良いのかなという感じですね。
後半はテンプレートに依存し過ぎないようにするのが良いと思い始めました。
これも、その家庭教師の先生からの指摘なのですが、あなたの文章はどこか他から取ってきた文章を使っていると分かると指摘されて、最後はテンプレートを崩すような形にしていきました。
― 効果はありましたか?
最後の受験はその効果が出たのだと思います。
― テンプレートは本当は使わないに越したことはないんです。でも5.0とか5.5ぐらいの人は、最初はまず型として覚えるべきだと思うんです。
はい、まさしくそうでした。
最初は意味も分からずテンプレートを丸暗記していたんですが、勉強が進むとそのテンプレートに書かれている内容が理解できるようになりました。
その段階になって初めて、崩してみようという気になりました。
― 深く理解できるとカスタマイズも含めてテンプレートも使いこなせるようになるということですね。
はい。でも、何も考えずに最初にとりあえず丸暗記したのは良かったと思います。
スピーキングセクションの対策
― 最後はスピーキングですね。
スピーキングは全体を通して安定していました。
6.5が3回あって、5.5以下は3回だけありましたが、残りはずっと6.0で安定していました。
たまにヘマをすると5.5になるので、そういう意味ではプレッシャーはありましたけど。
スピーキング対策で一番役に立ったのがスクリプトの暗唱でした。これに尽きると思います。
そういえば中学で英語を勉強したときも、教科書を暗唱していたなと思い出しました。
暗唱すると無意識に英語が出てくるという感覚もよく分かりました。
― 英語を流暢に喋れている人も元の表現を自分の中で暗記していて、それを組み合わせて出しているだけなんですよね。その蓄積無しにゼロからその場で英文を作るというのはやっぱり厳しいですよね。
はい。本当にそう思いました。
スピーキングは安定していた分、普段は他の科目に時間を使えていたのですが、逆に最後の1週間でこれまで作ってきたスクリプトを暗唱するのは、追い込み時期に他にやりたいことがある中、スピーキングに時間をとらねばというのが少しストレスでした。
― なるほど。でも最初に1回作ってしまえばあとは使い続けられますからね。
そうでした。
各セクションの具体的な対策をお話頂きました。
それぞれピンと来るところがあれば是非実践してみて下さいね。
次回は、まとめとして、久野さんから受験生に向けてのメッセージを伺います。