こんにちは。藤本です。
IELTS8.0を獲得された宮脇さんのロングインタビュー第3回をお送りします。
前回の内容はこちらをご覧ください。
今回は、ライティング、スピーキングの対策について伺いました。
ライティングの対策
― では続いてライティングについてお伺いしていきます。
スコアを見ていきますと初回が5.5で、その後6.0、6.5、7.0と受験ごとに0.5ずつ上げています。
ライティングは多くの方が一番停滞するセクションで、0.5上げるのに半年以上かかることもあるので、この順調な上がり方はとても珍しいです。
1回目までは全然勉強していなくて、むしろ受験してみてから1時間では書き終われないということに気付いたので、そこからライティングをどう勉強したらよいかを調べ始めました。
1回目の受験の後、IELTS対策の専門の学校に通っていました。
そこはグループレッスンで週1回3時間ぐらいのクラスでしたが、そこでネイティブの先生からライティングを中心に授業がありました。
ライティングの書き方を習ったり、授業以外で添削をしてもらったりして、あとは時間内に書き終えるというのを意識して、というのを2回目の受験まではやっていました。
― それで2回目の受験で6.0が取れた、ということですね。その後は7.0まではどうやって伸ばしていきましたか?
まずテンプレートを作りました。
毎回その場で書く内容を考えるということだと時間が足らなかったので。写経もするようになりました。
ielts.lizというサイトで、その中にあるエッセイなどを使って写経して、どういう風にパラグラフが組み立てられているかを分析しました。
藤本先生がおっしゃっているように書きやすい文章だけを抜き出して覚えるとか、トピックセンテンスだけ覚えるとかを意識しました。
7.0に上がるときにはだいぶパターン化できてきたというのはありました。
― パターンというのは構文のパターンですか、それとも展開のパターンですか?
どちらかというと展開のパターンですね。
Introductionでこういうことを書いたら次にこういう展開をする、というような。
自分の中ではこういう展開がかなりパターン化できてきたのが大きかったです。
― 特にTask2はアイデアがパッと思いつかないという方が多いのですが、ここはどう対応されましたか?
ielts-simon.comというサイトに、色んなトピックがあって、そこで書かれているのも自分の中では書きやすい例だったので、そういうアイデアは参考にしていきました。
― 添削は最初に通われた学校でやったぐらいですか?他にもやりましたか?
最初グループレッスンの先生に授業とは別で添削をお願いしていましたが、そちらが終わったので、今年に入ってからは別の添削サービスみたいなものがあったので利用しました。
自分がどれぐらいの点数かを知りたかったのですが、6.5が出たり、8.0が出たりと、かなり変動も激しく本当かな、と思っていましたし、フィードバックを見ても何が悪いのかよく分かりませんでした。
添削で7.0が取れていても本番だと6点台だったりしたので、何が悪いかよく分からず、少しもったいないことをしてしまったと思っています。
― なるほどです。
あとライティングは7.5を1回取られていますね。日本人でライティング7.5を獲得された方はほとんど聞いたことがありません。このときの感覚とか手応えはどうでしたか?
このときはTask2のトピックが健康関連のトピックで、自分が医療職というのもあったので、比較的トピックが自分にプラスに働いたというのはありました。
あとTask1の手紙も友達に書くタイプだったので、比較的フランクな言葉も使えました。
それとテンプレートは覚えていたので、自分の中で展開が決まっていて、あとは肉付けだけしたらいいという状態でした。
それから学校に行っていたときに、パラフレーズをしなさいと言われて、構文も言い換えるように意識したので、自分の中でバリエーションが増えたのかなというのはあります。
― そうですね。6.5から上のスコアは多分そこですね。パラフレーズとか言い換え。
言い換えも構文は全く一緒で単語だけ変えているというのに良く出会いますが、これはあまりいいパラフレーズではなくて、構文を入れ替えているのが印象としては良いのかなと思います。そういう感覚ですか?
はい、そうですね。
7.5獲れたときはそういった言い換えがスラスラと出てきたので、結構書けたかなという印象は自分の中でありました。
― それからジェネラルからアカデミックに転向したときは、特にTask1が違う対策が必要になります。このタイミングでライティング対策講座を受講頂いて動画を見て頂きましたが、内容的には動画を見てだいたい理解出来ましたか?
アカデミックを自分で勉強しようと思ったときに写経をしていたのですが、グラフ問題の解答例を見ても、どうしてこのポイントを書いているんだろうと理解できないことがありました。
書いている内容は分かりますが、どうしてこの数字を選択しているのだろうかと。
それがライティング対策講座の動画を見て、具体的にこういう数字を選択するということを知ることができました。すごくわかりやすかったです。
― ライティング講座でも、動画を先に見て頂いただけだとなかなかポイントまで捉えられない方が多いです。が、恐らく宮脇さんは問題意識が高かったということでしょう。
写経していて、どこがポイントなのか、なぜこのデータを選択したのか、と具体的な問題意識を持てていたので、たくさん吸収できたということだと思います。
ちなみに添削や写経も含めて、ライティングの対策全体で、どれぐらいの分量を書きましたか?
結構書きました。多分50問ぐらいじゃないでしょうか。
特に今年に入ってからは根詰めてやりました。
― 全勉強量の中でライティングが占める割合が一番大きかったということでしょうか?
はい、2日に1回ぐらいはTask1かTask2、または両方やるという形で、分量は多めに、全時間のうちの7割から8割はライティングに取っていました。
― 私もIELTSを受験していたときは同じ感覚でした。
リーディングは一度スコアが上がってしまえばあとは安定するので週1回ぐらい、リスニングは継続しないと落ちるので短い時間でも毎日続ける、で一番時間を投入するのがライティングで、ここに7から8割ぐらいの時間を割く感じでした。
そうですね。
スピーキングの対策
― 最後スピーキングですね。スピーキングは最初からある程度スコアが高くて、その後も安定していて、少しずつアベレージが上がっていったという感じですね。
スピーキングの対策はどんな感じでしたか?
1回目で6.0獲れたので、安心したのもあって、正直その後もあまりやっていませんでした。
学校に行き始めたときに、会話する機会は増えましたが、試験の形式に慣れるという意味でPart2の練習を授業中にやったぐらいしかしていませんでした。
2回目の受験の直前にDMM英会話で、IELTSの対策が出来る先生がいると聞いてやってみました。ただ毎回Part1からPart3までひたすらテストをやるという形で、その都度フィードバックはもらっていたのですが、それを繰り返すだけでした。緊張感はなくなりましたが、ただPart3になると自分の言葉が出てこなかったりとか、そんな感じで4回目までは6.0から6.5で停滞していました。
1月に入って、このままじゃだめだということで、Part1とPart2は、藤本先生がおっしゃっているように質問を集めて、全部答えを準備して、受験していきました。受験して新しい問題が出たらその問題も追加して、それに対しても答えも準備してという形で進めていきました。
1月、2月あたりは毎日1時間ずつぐらい準備した答えを音読する練習をしていました。
DMM英会話では、Part3を重点的にやってもらいました。Part3は答えが準備しにくいので、そこだけは先生に質問をしてもらって、その場で答えて、授業が終わった後は、どういう答えが良かったかを復習する、というサイクルでした。ネイティブではないですが何人かいい先生がいて、結論を先に言って、その後に理由を言うみたいな、答えの展開の仕方も見てくれていたので、そのアシストを受けられる先生に集中的にレッスンをしてもらっていました。
― その先生は指名ができるんですね?
はい。予約する形で出来ます。
― 何人かの先生に当たっていく中で見つけたということですか?
はい、そうですね。
― スピーキングについては私もスクリプトの準備が有効だと思います。特に音読をされていた、声を出して準備していた、というところですが、実際に発声することの効果はありましたか?
かなりありました。
何度も声に出して練習することで、質問見ただけで答えが出てくる状態になりました。あと口も動きやすくなりました。口が動きやすくなるというのは効果的だったかと思います。
― シャドーイングと似ていますね。リスニングやスピーキングは実際に一定量の英語を口に出すと脳を英語脳になるというのはありますね。
ということで、ライティング、スピーキング対策のお話でした。
ここでも基本に忠実に1つずつ課題を克服されていったのがうかがえます。
次回は最終回で、どのように勉強の時間を作ったのか、モチベーションはどのように保ったのか、振り返ってこうすれば良かったと思うこと、について伺っています。