こんにちは。藤本です。
私は元々理系の人間であり、英語が嫌いになった原因の1つも、理系のように1対1の答えにならないのが気持ち悪いというところからでした。
だから、理屈が通らない話は信じられず、もちろん頭にも入ってきません。
そんな背景もあって、私のIELTS対策も、理屈やパターンをとても重視しています。
基本的には、論理的に考えて正しいと考えられる方法、合理的な方法しかお勧めしていません。
しかし、そこは言語の話なので、どうしても理屈では説明できないこともいくつか残ってきます。
その1つがシャドーイングです。
シャドーイングとは、耳で聞こえた音を0.5秒遅れぐらいで、口から出すというトレーニングです。
これがリスニング力の強化に役立つという話は、英語業界では昔から言われてきましたし、実際にそれを証明する論文もあります。
ただ、私の頭の中ではシャドーイングがリスニング強化につながる本当のところの理由は、よく理解出来ていません。
本来なら、こういうものはお勧めしないのが私の主義ですが、シャドーイングについては私自身が試して効果があったのもあって、お勧めをしています。
そして、私がお勧めするシャドーイングは、ただ声に出すというだけではなくて、一言一句、三単現のSや冠詞にいたるまで100%完コピ状態にするという方法です。
この完コピを作るためには、最初は口がついていけないので、シャドーイング前に、暗唱してスクリプトを口に出しながら覚える、という作業が入ります。
つまり、シャドーイング時は、覚えたスクリプトを耳から聞こえる音に合わせてしゃべる、といった作業になります。
当然、そんなに長い文章をシャドーイングするわけではありません。
時間にして、1~2分の音源を1時間かけてシャドーイングしていく感じになります。
しかも、その1時間のうち40分ぐらいは暗唱に使う、という感じになります。
先日、メルマガ読者からこんなご相談を頂きました。
「藤本さんがくださったシャドウイングのやり方を実践しているのですが、ただセンテンスを覚えて音声の後から言うだけだと、音声の音を聞くと言うより暗記したものをただ言ってるだけに感じます。」
ごもっともです。
正直、これがリスニングのトレーニング?という感じがすると思います。
ただ、暗記したものをしゃべっているだけ、というのはその通りです。
私も当時は、その疑問を抱きつつ、やっていました。
全然聞く練習じゃないじゃないかと思っていました。
聞く分量も少ないし、仮に題材になっている音源は聞き取れるようになったとしても、他の音源で効果があるのかが疑問でした。
でも、これは本当に私も理屈はよく分からないのですが、私の場合は、これでリスニングの能力が上がりました。
100%完コピという条件が加わることで、少ない分量でも集中状態がマックスになった状態で聞いているのかもしれません。
そしてこの成果が出ているのは私だけではありません。
同様の取り組みをして成果を出された方もいらっしゃいます。
だから私は、このシャドーイングを、効果がある方法としてお勧めしているのです。
世の中のことすべては、理屈では説明しきれませんが、理屈ではないけど結果が出ることは取り入れてみる、という柔軟性は持っておいた方が良いのかもしれません。