シャドーイングを実施しているのに効果が出ない?その理由は3つあります。

こんにちは。藤本です。

私がリスニングの力を伸ばすのに一番お勧めしているのがシャドーイングです。

 

実際に私がお勧めするシャドーイングを実施することで、リスニングのスコアを飛躍的に伸ばした例は、何人からも聞いています。

 

しかし、たまに

「シャドーイングに取り組んでいるのですが、効果が感じられません」

というお声を頂くケースがあります。

 

確かに、このシャドーイングを行って、効果が出る人と出ない人がいます。

しかし、効果が出ない場合、ほとんどのケースでシャドーイングのやり方が間違っています。

ということで、よくある間違ったシャドーイングについてまとめてみます。

 

1.初めて聞く英文でシャドーイングを実施する

シャドーイングというのは、知らない単語や知らない構文を覚えるトレーニングではありません。

聞き取れた音を、既に知っている(頭の中に入っている)単語や構文に当てはめて、理解するスピードを速めるトレーニングなのです。

このため、知らない単語や構文が多くある音源で、いくらシャドーイングをやっても、そもそも頭に入っていないものには当てはめようがないので、全く効果がありません。

 

シャドーイングは、内容がよく分かっている英文で行って効果が出ます。

なので、シャドーイングを行う音源は、必ずスクリプトがついている音源を使います。

そして、シャドーイングを行う前に、そのスクリプトを読んで、内容を完全に理解するようにします。

その上で、初めてシャドーイングを行うようにします。

 

知っている英語を聞いても効果が無いように感じて、初めて聞く音源でシャドーイングを行う人も多いですが、上記の理由により、全く効果がありません。

単語も構文も完全に理解している英文でシャドーイングは行うようにします。

 

2.大量の英文でシャドーイングしている

シャドーイングは1分ぐらいの短い文章で良いので、同じ英文を繰り返すことで効果が出ます。

これも常識的に「本当にそれで効果があるの?」と思える話ですね。

同じ英文を繰り返しても、その英文だけが聞き取れるだけで、新たな英文が聞き取れるようになれる気がしないのはよく理解できます。

だから、どんどん新しい英文を求めて、大量の英文でシャドーイングしたくなります。

 

しかし、1.のところで書いた通り、シャドーイングの目的は、耳で聞き取れた音と、頭の中にある単語・構文とをつなげるスピードを速めることです。

頭の中にある単語・構文を増やすことが目的ではないので、分量は必要ないのです。

 

スピードが早くなるということは、脳の回路がつながるということです。

この脳の回路が出来上がってしまえば、どんな単語であれ、聞き取れた音と頭の中の知識をつなげるスピードが速まるのです。

 

なので、同じ音源を何度も繰り返すだけで、聞いたことがない新しい英文を聞いても、脳の回路スピードが速まっていればクリアに聞き取れるようになるのです。

もちろん、時間が大量に取れるのであれば、多くの英文でシャドーイングをやっても良いと思いますが、それ以上に必要なのが、この後の3.で述べる精度の問題です。

精度を確保するためには、必然的に少ない英文を繰り返してシャドーイングしていきます。

上述の通り、それだけで、大量にシャドーイングを行うのと同じ効果があるのです。

 

3.細かいところは出来なくても良しとしてしまう

シャドーイングで大事なのが、精度です。

例えば、aとかtheなどの冠詞、複数形のsや、動詞の後ろの過去形のedなど、日本人にとっては、どうでも良いや、と思える箇所がありますが、その部分も含めて完璧にシャドーイング出来るようにならなければ効果が薄いです。

そのような細かい部分も含めて完璧にシャドーイングを完成させることを私は100%シャドーイングと呼んでいますが、この精度が95%のときと、100%のときでは、その効果に大きな違いが生まれます。

 

この理由もやはり上記と同じで、いい加減なシャドーイングをしていると、頭の中の単語や構文と完全にマッチングができないからです。

また100%にしようとすると、これ以上ない集中力を使わなければならなくなりますので、その集中力がさらに脳の回路づくりをスピードアップさせます。

 

まとめ

ということで、シャドーイングでありがちな間違いを3つまとめてみました。

いずれも、本人がサボっているというよりは、その方が良いと思って我流の方法を実施しているのかもしれません。

しかし、シャドーイングは上記の通り、少し常識とは違うような取り組みをすることで効果が出ます。

 

シャドーイングを行っているのに、今一つ効果が感じられない場合は、以上の3つの点をチェックしてみて下さい。

どこかで自分が出来ていなかった箇所があるはずです。