こんにちは。藤本です。
私へのお問合せの中には、高校で海外に留学されたお子さんの親御さんからのご相談も多いです。
現地の高校の卒業が見えてきて、そのまま英語圏の大学に進学したいけど、そのときにIELTSが必要になるというケースです。
当然、お子さんは現地で1年間とか3年間とか英語漬けになっているので、IELTSぐらい楽勝、と思いきや実はそうでもないのですね。
現地の高校生活は支障なく過ごせていて、きちんと単位が取れているお子さんでも、いざIELTSを受験すると4.0~5.5ぐらいということはよくあります。
大学入学に求められるのが6.0~6.5ということが多いので、さてどうしたものか、と思うわけですね。
私の経験上、高校で留学された方は、リスニング、スピーキングはそこそこスコアが取れることが多いです。
でも、リーディング、ライティングで苦労されることが圧倒的に多いです。
そして得意のはずのリスニング、スピーキングに関しても、帰国して数か月経つと急激に落ち込みます。
この原因はズバリ文法です。
日本の高校では文法をかなりしっかりやります。
このことで「日本の高校では使えない英語ばかりを教えている」と批判を受けることも多いです。
が、IELTSを教える立場から言わせてもらえれば、日本の高校で学んだ方は、基礎部分がしっかりしていて、応用部分を教えると伸びることが多いのです。
それに対して、海外の高校に行かれた場合は、文法をそこまでしっかりとやらないことが多いです。
現地に留学された高校生の多くは、英語を文法ではなく、感覚で捉えている、という状態になります。
よって、現地の友達と苦もなくコミュニケーションしているように見えても、その英語には文法的な裏付けが弱いのです。
このとき、自分が知っている範囲の表現が出たときは理解できますが、自分の知っている範囲を超えた複雑な内容が出てきたときに、分からないなりに文法ルールに沿って意味を推測する、ということができなくなってしまいます。
IELTSのリーディングは、そういった少し複雑な文章の箇所こそ設問で聞かれるので、文章全体では何を言いたいかは分かっているのに、設問はコロコロ引っ掛かってしまう、という事態になります。
現地にいるときは良かったリスニングが、帰国後急速に落ちてしまうのも同様の理由です。
感覚で英語を捉えているために、帰国後しばらく日本語の生活になると、元の感覚に戻せない、という状態になるわけです。
また、スピーキングの方も、現地では細かい文法は弱くても、相手は単語の羅列からとりあえず意味が推測出来てしまうことが多いです。
このため、自分の英語をいちいち修正されることがなく、コミュニケーションできてしまいます。
本人も内容が伝わればそれで良いと考えて、それ以上の改善を怠ってしまいます。
間違いを気にせず臆せずしゃべれるというのは日常生活においてはとても大きな武器になります。
これは大人になってから英語を学ぶ人がなかなか克服できない部分なので、若いうちに留学された方ならではのアドバンテージです。
でも、英語の能力を判断されるIELTSに関していえば、文法が弱いのはマイナスであることも多いです。
IELTSでは文法の間違いもきっちり評価の対象になってしまいますので。
また、ライティングに関しては、上記のような文法の弱さに加えて、耳で覚えた口語表現を多用してしまうという傾向があります。
ライティングは口語的な表現ではなく、オフィシャルな表現と構文が求められるため、そこでも不利になります。
また、添削でフィードバックを受けた際も、
「現地ではこの表現で通用していたのに」
という思いが邪魔をして素直に改善ができない場合もあります。
そんなこんなで、留学していた高校生は意外とIELTSで苦労します。
対策としては、
- IELTSは現地でしゃべっていた英語とは少し異なるもので、「感覚」ではなく「理屈」で理解する必要があるということを理解すること
- リスニングとスピーキングは感覚を落とさないように、帰国したとしても日々必ず使うようにして維持すること
- リーディングとライティングについては、しっかりと文法を固めて、正しく理解、記述できるようにすること
の3つです。
IELTSで必要とされるレベルの文法を学習するには
がお勧めです。
無料サンプルがありますので、登録して確認してみてくださいね。