IELTSリーディングのパラグラフタイトル問題の解き方

こんにちは。藤本です。

IELTSリーディングの中にはいくつかの設問タイプがありますが、そのうちの1つが各パラグラフに適切なタイトルを選択するという問題があります。

Heading問題、パラグラフタイトル問題とも言いますね。

リーディングのスコアが伸び悩んでいる方の中には、この問題形式を苦手にされている方が多いので、解き方についてまとめておきます。

 

このパラグラフタイトル問題を解くに当たっては、パラグラフには構造があるという考えを理解する必要があります。

この構造を理解するために以下の3つのことを理解しておきましょう。

 

まず、日本語と違って、英語のパラグラフは基本的には1つのことをだけを扱っています。

異なる2つのことを扱っているように見えるときも、大抵はその2つを包括したさらに1つ上位の概念で、そのパラグラフのことをまとめています。

 

次に、英文では多くの場合、そのパラグラフで何の概念を扱おうとしているかを示すセンテンスが1つ含まれています。

これがトピックセンテンスと呼ばれるものです。

 

最後に、英文のパラグラフでは、トピックセンテンス以外の文章はすべてトピックセンテンスを説明する内容、またはトピックセンテンスを引き出すための役割を果たします。

いわば、トピックセンテンスが「親」であり、残りの文章はすべて「その子供」である、という感覚です。

残りのセンテンスをサポートセンテンスと言います。

 

ここで、ちょっとまぎらわしいのですが、トピックセンテンスと、そのパラグラフで著者が伝えたいことは必ずしも一致していません。

トピックセンテンスはあくまで、そのパラグラフで取り扱う「概念」になります。

例えば、ちょっと極端な例ですが、こんな文章です。

 

世界で2番目に広い国土を持つ国がある。
それはカナダである。
カナダは西はバンクーバーから東はプリンスエドワードアイランドまで約1,000万㎢の面積を誇っている。

 

この文章で多くの人は2番目のセンテンスである「それはカナダである」をトピックセンテンスと捉えてしまいますが、これは違います。

このパラグラフで述べたいのは「2番目に広い国土を持つ国」であって、「カナダ」ではないのです。

従って、このパラグラフのトピックセンテンスは最初のセンテンスということになります。

 

確かに著者が伝えたいことは「カナダが2番目に広い国だ」ということかもしれませんが、もし2番目のセンテンスをトピックセンテンスとして捉えた場合、このパラグラフで扱う概念はカナダのこと全般になってしまうので、国土面積のみならず、人口、経済、宗教、気候など他の要素も取り扱うことになってしまいます。

この場合、最初のセンテンスを親の文章(=トピックセンテンス)、第2センテンス以降を子どもの文章(=サポートセンテンス)と捉える方が自然です。

トピックセンテンスは、そのパラグラフで何を扱うかを示す「目次」のようなものである、と捉えると分かりやすいかもしれませんね。

 

もちろん著者の主張と、トピックセンテンスが一致しているケースも多くあります。

 

日本は自然豊かな国である。
日本は四季がはっきりしており、降雨量も豊富だからである。
例えば、北側にある北海道では・・・

 

このパラグラフの場合は、最初の一文が、「トピックセンテンス」兼「著者の主張」になっています。

そして、残りの文章が、その豊さの「理由」だったり「例」だったりしています。

完全に、最初のセンテンスが親の文章(=トピックセンテンス)、第2センテンス以降は子どもの文章(=サポートセンテンス)となっていますね。

 

さて、このように、パラグラフがトピックセンテンスとサポートセンテンスから出来ていることを理解できれば、パラグラフタイトル問題を解くことは、比較的簡単です。

 

まずパラグラフタイトル問題にある選択肢からトピックセンテンスを言い換えた選択肢があれば、それを選択します。

例えば最初のカナダの国土のパラグラフなら

「2番目に大きな国土を持つ国」

のような選択肢があれば、それが正解です。

 

このときに引っ掛け問題として、サポートセンテンスを言い換えた選択肢がよく準備されています。

「カナダについて」

こんな選択肢は要注意で、トピックセンテンスでないサポートセンテンスの内容になっています。

これは、ちょっとパラグラフのタイトルとしてはぼやけていますね。

 

次に、トピックセンテンスを言い換えた選択肢がない場合、今度はサポートセンテンスがどのような観点でトピックセンテンスをサポートしているかを考え、その内容を示す選択肢を選択します。

例えば、日本のパラグラフで、

「日本の自然の豊かさ」

のようなトピックセンテンスと同内容の選択肢があればよいですが、それがなかった場合、

「日本の自然が豊かな理由」

「日本の自然の例」

といったニュアンスの選択肢があればそれを選択します。

 

このようにパラグラフの構造さえ、きっちり捉えられてしまえば、パラグラフタイトル問題は、かなり明確な根拠をもって回答することが可能であり、かつ正解率も高めることができます。

このようなパラグラフリーディングは、なかなか中学・高校では習わないですが、一度身につけると、英文を読む際にとても役立つので、是非マスターしたいですね。

 

パラグラフの構造を捉えるのが苦手な方は、以下でももう少し解説していますので、参考にしてみて下さい。

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