IELTSリーディングで3問目が読み終われない方へ

こんにちは。藤本です。

今回もzoom相談会でのご相談内容の1つをシェアしてみたいと思います。

今回のご質問は

「リーディングで3問目を最後まで読み終われないです。どうすればよいでしょうか?」

というものです。

アカデミックのリーディングに関するご質問ですね。

お答えします。

 

ポイントはペース配分

リーディングで3問目が最後まで読めない大きな原因は1問目、2問目のペース配分が悪いことです。

1問目、2問目にかけている時間が長すぎるので3問目が終わらないわけですね。

これだけ聞くと当たり前のように感じると思いますが、でも、この問題は実はもっと深い意味を含んでいます。

同じリーディングの実力であっても、このペース配分を変えるだけでスコアが変わることがあるのです。

その辺りをもう少し詳しく説明してみますね。

 

お勧めのペース配分

アカデミックモジュールの場合、3問の長文が出題されますが、私は3問とも20分ずつ平均的に時間配分することをお勧めしています。

人によっては、1問目、2問目に比べて3問目は難しいから長い時間を配分する、という考え方も見られます。

が、実際の問題を見てみると必ずしも3問目が一番難しいというケースばかりではなく、1問目や2問目が一番難しかった、というケースもあります。

なので、最初から3問目が一番難しいと決め打ちする必要もありません。

 

それでももちろん1問目、2問目が20分以内で終われるのであれば、3問目に長い時間かけるのは問題ありません。

余った時間を使ってじっくりと3問目に取り組めば良いです。

 

ただ実際問題として、1問目も2問目も20分以内には終わらないというのが多くの受験生の実態だと思います。

問題は、このように最初の2問が20分で終わらなかったときの対応です。

 

20分で終わらなかったら・・

ここで多くの受験生は、20分で終わらなかった場合、そのまま解き終わるまで時間を延長して続けると思います。

例えば、1問目で22分、2問目で24分、といった具合に。

その場合どうなるか?

当然3問目が残り14分という状態になります。

これでは3問目が最後まで終わらない、というのは当然です。

1問目、2問目が20分以上かかる方が、3問目を20分以内で終われるはずがないのです。

 

ではどうすればよいか?

これは1問目、2問目で20分に到達した場合、強制終了するに限ります。

1問目、2問目で残り数問が残っていたとしても、適当で良いので残りの答えを埋めて、次の問題に移るのです。

1,2問目を20分で強制終了した場合、当たり前ですが、3問目に20分残ります。

残り14分で3問目に取り組むよりは、最後まで終われる可能性がぐっと高くなります。

ここまでは分かりますね?

 

で問題は、

作戦A:1問目、2問目を時間を延長して、3問目を時間不足で取り組む

作戦B:1問目、2問目を強制終了して3問目に20分使う

このどちらが良いか?ですね。

これはハッキリBが良いと言えます。

なぜならBの方がスコアが高くなる可能性が高いからです。

でもこの部分が直感に反することなので、なかなか理解されにくいです。

説明しますね。

 

強制終了しないとどうなるか?

まず、作戦Aのように1問目、2問目の時間を延長したことで、残り時間15分ほどで、3問目に取り掛かった場合の心理状況を考えましょう。

これはかなり焦った状態になるはずです。

「急いで読まないと最後まで読めない」
「とりあえず全部は読んでいられない」

こんな意識になるはずです。

こういう状態で読んだ英文って頭に入ってくるでしょうか?

無理ですね。ほぼ頭に入ってこないです。

 

読んでいても、文字面だけに目を走らせている状態で、内容が頭に入ってきません

二度読みも多くなります。

こんな状態で設問を解くとどうなるか?

 

かなり正解率は下がります。

14問中3問正解とか、そんな感じの正解率になります。

仮に1問目が13問中11問正解、2問目も13問中11問正解していたとしても、トータルで40問中25問の正解になります。

スコアは6.0といったところです。

 

強制終了するとどうなるか?

逆に作戦Bで、1問目、2問目ともに最後の2問、合計4問は強制終了で捨てたとしましょう。

捨てた問題はサイコロを振るイメージでランダムに答えます。

True/False/Not given問題は3択、選択肢問題は4択なので、適当に答えても確率的に4問に1問は正解する可能性があります。

4問捨てても、そのうち1問ぐらいは正解する可能性があるわけですね。

 

そのラッキーも含めて、1問目が13問中10問正解、2問目が13問中9問正解だったとしましょう。

ここまでは作戦Aの方が優勢に見えます。

しかし、この強制終了作戦のご利益は、3問目に20分使えることです。

 

残り15分のときに比べて、たった5分ではありますが、標準時間である20分あることを考えると、心理的安心感がかなり違います。

いつものように落ち着いて読むことが出来るでしょう。

仮に最後まで読むだけの時間が足りなかったとしても、特に重要な第1パラグラフなどを落ち着いて読むことで、文章全体の内容が頭に入りやすくなります。

そうすると普段の正解率に近い結果になります。

 

仮に14問中8問正解だったとしましょう。

そうすると、トータルで40問中27問正解、スコアは6.5に上がります。

 

トータルスコアで考えること

このように、1問目、2問目を強制終了したことで損する得点よりも、3問目を焦って読むことで損する得点の方が大きい、というのがミソです。

リーディングは、

落ち着いて読んだときと、焦って文字面だけを読んだときでは、正解率が大きく異なる

ということと、

1問目、2問目で10問正解しているのを11問正解にすることに時間を使うよりも、3問目で3問正解を8問正解にする方が簡単かつ効率が良い

ということです。

 

IELTSは、全40問が同じ重みでカウントされるため、どこで正解しても同じです。

であれば、全40問の中でトータルに正解数を増やすことを考え、最もスコアを伸ばしやすいところを伸ばすことが重要です。

 

必要なのは本能と直感に反する勇気

1問目、2問目を強制終了するというのはある意味、勇気が必要です。

人間の本能としては、途中まで読んだものは最後まで読みたいものだし、それ以上に直感としては、途中まで読んだ馴染みのある内容を最後までやった方が、新しい文章を読むよりも効率的に思えるものです。

でも、客観的に見ると、それは間違った判断です。

自分の満足感を得ることよりも、スコアを獲ることを優先して考えるなら、上記の通りに強制終了する方が正しいです。

是非このことを念頭にリーディングに取り組んでもらえればと思います。