インプット系文法を極める5つのステップ

こんにちは。藤本です。

 

IELTS受験者の中では、文法が苦手だという自覚を持っている人はそれほど多くはありません。

それはIELTSに直接文法力だけを問うセクションがないからでしょう。

 

でもこんなことは感じませんか?

・リーディングを読んでいて単語は全部分かっているのに意味が理解できないことがある
・リーディングで、長文になると返り読みしないと読めない
・リスニングの選択肢問題は、聞こえた単語から答えを推測しているが正解率は高くない

 

もし当てはまっているとしたら、それは文法力の問題かもしれません。

特に構文を把握する力に課題がある可能性があります。

 

ということで、今回はリスニング、リーディングなどのインプット系文法の学習方法について書いてみます。

この記事を読むと、文章を読んでいて分からない構文に出会う確率が減り、より早く正確に英文の意味を捉えることができるようになります。

 

インプット系文法とは何か

まずインプット系文法とは何か、ということですが、これは英文を読んだり聞いたりしたときに即座にその構文が理解できるための知識です。

使われているすべての単語が分かっているのに意味が理解できないときや、返り読み、二度読みをしないと意味が分からない英文が多いときは、このインプット系文法力が弱い可能性が高いです。

 

インプット系文法の知識を高めて、読んだ英文、聞いた英文の構文が即座に理解できるようにするには1つの重要な方針があります。

それは

知っている構文パターンを増やせ

ということです。

 

例えば

I read the book.

という文章は、誰もが即座に意味を理解できるでしょう。

これは、「主語+述語+目的語」という単純な構文は、これまで何度も何度も見聞きしてきて、構文を意識すらしなくても意味が理解できる状態になっているからですね。

 

ではこちらはどうでしょう?

I read the book that I bought yesterday.

これも、「関係代名詞のthat」という構文に慣れている方はいちいち構文を意識しなくても理解できますね。

でも関係代名詞という構文に慣れていない方は、一瞬戸惑います。

 

さらに次はどうでしょう?

I read the book that I bought yesterday, studying at the library. 

これも、「分詞構文」という構文に慣れている方は即座に理解できるでしょう。

でも分詞構文が分からない人にとっては何となく意味は分かるけど確信は持てない文章でしょう。

 

次はどうでしょう?

I read the book that I bought yesterday, studying at the library, with my friend interrupting me.

だいぶ複雑になりましたかね。

このあたりになると理解できない人も増えてきます。

最後は「付帯状況」の構文でした。

分かる人はスッと理解できる構文だと思います。

 

このような感じで、人間は自分が認識できている構文は瞬間的に理解できるけど、認識できないものは即座には理解できません。

この「認識できる構文パターン」を増やしていくのが、インプット系文法の学習方法になります。

 

インプット系文法学習の5ステップ

ではその具体的な学習方法です。

インプット系文法の学習方法は5つのステップで進めていきます。

ステップ1.苦手な構文を集める
ステップ2.和訳を手掛かりに構文を理解する
ステップ3.分からない構文を分類する
ステップ4.一問一答形式にまとめる
ステップ5.英文を見て一度で理解できるまで繰り返す

順に見ていきましょう。

 

ステップ1.苦手な構文を集める

まずは自分が「何が認識できていて、何が認識できていないか」を理解することからスタートです。

これには公式問題集を使うと良いでしょう。

公式問題集のリスニングスクリプトと、リーディングセクションを読んでいって、一度で意味が理解できない構文をどんどんチェックしていきます

 

このときに「単語が分からなくて理解できない文章」と「単語は分かるのに理解できない文章」は明確に区分します。

前者については単語を調べて下さい。そして、調べた上でもなお分からない英文であれば「単語は分かるのに理解できない文章」として判別します。

 

また、理解できる、出来ない、については厳しめに判定してください

ここの判定が甘いと文法の学習効果は落ちます。

特に「何となく言いたいことは分かる」という構文は要注意です。

主語、述語、修飾関係などがきっちりと明確に説明できない構文は「何となく言いたいことは分かる」と考えても実は理解できていない構文である可能性が高いので、「理解できない文章」として区分してください。

 

チェックした構文は、あとから分類作業をするので、一旦エクセルのような表記式のソフトに打ち込んでおくと便利です。

 

ステップ2.和訳を手掛かりに構文を理解する

次に1.で集めた英文の構文をきっちり確認していきます。

このときに周囲に構文の確認が出来る人がいる場合は良いですが、それが出来ずに自力で行う場合は、和訳を見て確認していきます。

和訳を見て、主語、述語や修飾関係などが、自分の解釈と同じ解釈であれば構文は正しく解釈できていると考えられるので、削除しても良いです。

逆に、和訳を見たときに

「ああ、そういう意味だったのか」

「そういう構文だったのか」

と初めて認識するような構文は、理解できていない構文と考えて残します。

 

和訳を知るには翻訳ソフトが便利です。

以下の自動翻訳はかなり正確に翻訳してくれます。

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また、「リーディング対策講座」を受講頂いた方、または「ブースターパック」を受講済みで、受講の感想を頂いた方には、ケンブリッジ11以降の公式問題集リーディングの全文和訳と難易度が高い構文の解釈をお渡ししています。

 

ステップ3.分からない構文を分類する

2.で絞り込まれた自分が理解できていなかった構文ですが、これらをなぜ理解できなかったのかを分類していきます。

IELTS受験生が理解に苦しむ構文はいくつか代表的なものがあり、以下の記事でも5つのタイプを挙げています。

「分からない・・・」リーディングで苦手とする人が多い構文5パターン
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とりあえずこの5つで分類しても良いですし、このほかに分からなかった構文があればそれがなぜ理解できなかったのかの文法的な理由を明らかにしつつ、タイプごとに分類していきます。

 

ステップ4.一問一答形式にまとめる

3.で分類した英文を一問一答形式にまとめていきます。

これはライティングなどでも有効な方法ですが、人間は何かを覚えるのに最も有効な手段は「思い出そうとする」行為を何度も繰り返す、ということです。

そのため、集めて分類した英文を、何度も何度も見直して、答えを思い出そうとする機会を人工的に作ります。

そのためにはノートが有効です。

ノートの左側に英文、右側に日本語訳や構文上のポイントをまとめていきます。

これを分類したタイプごとにまとめても良いし、ランダムで記載しても良いです。

 

ステップ5.英文を見て、一度で理解できるまで繰り返す

4.で作ったノートを見て、右側の日本語訳や構文上のポイントを手で隠して、左側の英文だけを見て、日本語訳や構文ルールを思い出すトレーニングをしていきます。

ノート形式にしておくことで、移動時間でも、寝る前の布団の中でもちょっとした空き時間に繰り返し学習することが出来ます。

もちろん新しい英文に触れたときに一度で意味が取れない構文に出会ったら、どんどんそのノートに追記していきましょう。

もうすべての構文を覚えた、構文を意識しなくても意味が理解できるようになった、と思えたらそのノートは卒業です。

その頃にはリスニング、リーディングのスコアもかなり上がっているはずです。

 

 

5ステップを自力で行う時間が無い方に

これらの作業をしてくのが面倒な場合、ブースターパックのご利用をお勧めします。

こちらでは公式問題集から理解が難しいと思われる構文をピックアップして構文を解説した上で、繰り返し確認ができるように問題形式にまとめています。

これらを継続して利用すれば、IELTSで出題される英文は、構文に関しては完璧に理解できるようになるはずです。

無料サンプルもありますので、宜しければ確認してみて下さい。

ブースターパック