「分からない・・・」リーディングで苦手とする人が多い構文5パターン

こんにちは。藤本です。

リーディングで一定のレベルでスコアが伸び悩んでいる場合、そもそも英文が正確に読めていないケースがあります。

比較的簡単な英文は問題なく読めても、少し複雑な構文に引っ掛かってしまって時間がかかる、そして、そこに限って質問で聞かれる(笑)

そんな感じですね。

そこで、リーディングで構文が読めない方が引っかかりやすい構文パターンを5つまとめてみたいと思います。

 

1.過去分詞と述語の区分
2.that節の区分
3.パラレルの見極め
4.分詞構文の見極め
5.同格・挿入の見極め

この5つのパターンです。

では順に見ていきましょう。

 

1.過去分詞と述語の区分

まず1つ目は過去分詞と述語の区分です。

これは、動詞の過去形があったときに、これが過去分詞で名詞を修飾しているのか、述語の過去形なのかが分かりにくいケースです。

 

例えば

Cars made in the factory are sold in Japan.

という文章があったときに、carsの後ろのmadeが過去分詞なのか、carsの述語なのかを見分けにくい、という感じですね。

 

しかし、makeは他動詞しかありませんので、madeが過去形でcarsの述語だとしたら、「carsは(何か)をmadeした」という意味になります。

madeが過去分詞だとしたら、「madeされたcars」という意味になります。

この場合は、意味的に前者は成立しないので、madeは過去分詞だと分かります。

 

Cars made in the factory are sold in Japan.
「その工場で作られた車は日本で売られている」

 

The grades improved by the teacher and his partner were reported.

こちらもimprovedが、過去分詞なのか述語なのか分かりにくいです。

improveが自動詞にも他動詞にもなることから、意味的には「gradesがimproveした」とも「improveされたgrades」とも取れるので、意味的には過去分詞にも述語にもなりそうです。

 

ただ、もしimprovedが述語なら、後半にあるwereは直前にある名詞his partnerが主語ということになります。

が、wereの主語は名詞の複数形になるはずなので、his partnerは主語にはなりません。

ということで、improvedは過去分詞であることが分かります。

 

The grades improved by the teacher and his partner were reported.
「先生や彼のパートナーによって改善された成績が報告された」

 

このように、主語と述語の関係や、述語との単複の一致などが、述語を見分けるポイントです。

 

2.that節の区分

2つ目のパターンはthat節の区分です。

that節は、いくつかのパターンがありますが、それが明確に区分できないというケースです。

 

We accepted the conclusion that he drew.

このthatは関係代名詞のthatですね。

関係代名詞のthatになる条件は

①thatの前に先行詞となる名詞がある
②thatの後ろが、主語か目的語が欠けた不完全な文章になる

ということです。

ということで、このthatは直前に先行詞conclusionがあり、thanの後ろがdrewの目的語が欠けた不完全な文章です。

よって関係代名詞になります。

 

We accepted the conclusion that he drew.
「我々は彼が導いた結論を受け入れた」

 

We accepted the conclusion that IELTS is difficult.

このthatは同格のthatです。

この同格のthatは知らない人にとっては構造を捉えにくいですね。

 

同格のthatになる条件は

①thatの前に名詞がある
②thatの後ろが、主語、述語が揃った完全な文章になる

です。

名詞+that+SV

という形で「SがVするという名詞」という意味になります。

 

この文章の場合は、直前にconclusionという名詞があり、that以下が完全な文章なので、同格のthatです。

We accepted the conclusion that IELTS is difficult.
「我々はIELTSは難しいという結論を受け入れた」

 

このように、thatの前後の形が何のthatかを見分けるポイントです。

 

3.パラレルの見極め

3つ目のパターンがパラレルです。

1つのセンテンスの中にandが複数含まれる場合、それが何と何をつないでいるandなのかが分からなくなるケースです。

 

He analyzed numbers, objective and physical evidence, and expert opinions, and as time progressed, reached the final decision.

このセンテンスには、andが3回出てきますが、それぞれ何と何をつないでいるか分かるでしょうか?

 

パラレルを見極めるコツは、A and B」の「A」と「B」は必ず「形と概念」が揃っている、ということです。

Aが動詞ならBも動詞、Aが節ならBも節、ということですね。

 

この場合、最初のandは、直前がobjectiveという形容詞なので、後ろの形容詞を探します。

すると直後にphysicalがあるので、objectiveとphysicalをつないでいると分かります。

(objective and physical)evidence

という構造ですね。

 

次のandですが、これは直前が「objective and physical evidence」という名詞句で、直後にも「expert opinions」という名詞句があるので、名詞句と名詞句をつないでいるandと考えます。

ただし、そうすると「objective and physical evidence」の前にあるカンマがよく分かりません。

そこで、「numbers」「objective and physical evidence」「expert opinions」という3つを「A, B, and C」の形でつないでいると解釈します。

 

最後のandですが、これは直後にas time progressedという挿入句が入っていて、reachedという動詞が入っています。

ということで「analyzed」と「reached」という2つの過去形動詞をつないでいるandであることが分かります。

 

全体構造としては

He 【analyzed {(numbers), (objective and physical evidence), and (expert opinions)}】, and <as time progressed,> 【reached the final decision】.

という感じです。

 

He analyzed numbers, objective and physical evidence, and expert opinions, and as time progressed, reached the final decision.
「彼は数字と客観的かつ物理的な証拠と専門家の意見を分析し、時間が経つにつれて、最終決断に到達した」

 

4.分詞構文の見極め

4つ目のパターンは分詞構文です。

分詞構文とは、ーingという形の動詞が、動名詞としてではなく、名詞を修飾する現在分詞としても使われていないときの構文です。

この構文が出てきたときに、何となく意味は分かるけど構文としてははっきり認識できない、というケースです。

 

The introduction of hybrid-vehicles resulted from the development of technology, mitigating the impact on the environment.

この文章の「, mitigating」以下が分詞構文ですね。

 

分詞構文は元々同じ主語を持つ2つの節をつなげる方法です。

例えば

The number increased.
The number reached 1,000.

という2つの文章を分詞構文を使ってつなげると

The number increased, reaching 1,000.

となります。

2つ目の節の主語を外して、述語をーingの形にして、1つ目の節の後ろにつなげると分詞構文になります。

 

The introduction of hybrid-vehicles resulted from the development of technology, mitigating the impact on the environment.

この文章も同様で、上記と逆のことをすると元の2つの文章に分解できます。

つまり、最初の節の主語を, mitigatingの前につけて、mitigatingを元の原形に戻します。

, mitigating~は、元々、The introduction of hybrid-vehicles mitigated ~という文章だったということです。

 

The introduction of hybrid-vehicles resulted from the development of technology, mitigating the impact on the environment.
「ハイブリッドカーの導入は、環境への影響を緩和しながら、技術発展してきた結果であった」

 

5.同格・挿入の見極め

5つ目のパターンは同格・挿入です。

同格の挿入句は、長いセンテンスの中にしばしば現れますが、この挿入句を正しく理解できないと、意味が分からない文章になります。

 

Computers, cell phones, and watches – electronic devices that can communicate are not allowed.

この文章の構造は理解できるでしょうか?

 

Computers, cell phones, and watchesが、A, B, and Cというパラレルになった主語であることは分かると思います。

そして問題は、その後の「- electronic」ですね。

この「-」(ダッシュ)が、クセモノで、このようなダッシュがある表現は大きく、

①2つの単語をまとめて1つにする
②同格の挿入句

の2つの意味があります。

しかし、この場面で、「watches – electronic」という2つの単語を1つにするのはちょっと不自然ですね。

ということで、①ではなく、②のダッシュだと考えます。

 

つまり、「Computers, cell phones, and watches」という主語を、「electronic devices that can communicate」という表現で言い換えているわけです。

このダッシュの意味を①しか知らないと、意味が分からない構文になってしまいます。

 

Computers, cell phones, and watches – electronic devices that can communicate are not allowed.
「コンピュータ、携帯電話、腕時計といった通信できる電子機器は許されていない」

 

まとめ

ということで、リーディングで理解できない人が多い構文をまとめてみました。

1.過去分詞と述語の区分
2.that節の区分
3.パラレルの見極め
4.分詞構文の見極め
5.同格・挿入の見極め

少なくともこれらの区分・見極めは、即座にできるようにしましょう。