アウトプット系文法を極める5つのステップ

こんにちは。藤本です。

前回の記事で

「インプット系文法を極める5つのステップ」

という話をしましたが、今回はその続きで、

「アウトプット系文法」

の学習方法です。

 

アウトプット系文法とは、ライティングやスピーキングなど英作文をするとき使う文法です。

こちらはインプット系文法以上に、問題がある人が多いのですが、でも自覚がある人はとても少ないです。

 

例えばIELTSライティングで6.0のスコアの人は、Task2のエッセイの中だけで、20-30箇所程度文法ミスを含んでいることが多いです。

5.5だと30-50箇所ぐらいあることもあります。

そんなに?って感じかもしれませんね。

でもそれぐらいミスが含まれているということです。

 

ちなみにライティング6.5ぐらいになると5-20箇所ぐらいです。

だから6.0から上がらない人は、文法が原因の可能性が大きいです。

多分、IELTS受験生のほとんどはアウトプット系の文法には課題を持っています。

 

しゃべっている分には通じてしまう言い回しでも、特にライティングの場合は間違いとしてカウントされることも多いです。

ここに真正面から取り組まない限りはアウトプット系のスコアは向上しません。

 

ただ、同じ英文法でも、インプット系の文法力を鍛える方法と、アウトプット系の文法を鍛える方法はちょっとやり方が違います。

そこで今回はアウトプット系の文法を鍛える方法を説明します。

 

アウトプット系文法とは何か

まずアウトプット系文法とは何か、ということですが、これは英文を書いたり話したりするときに、確実に相手に伝わる正しい文章が作れるための知識です。

先ほどもお伝えした通り、ライティングで6.0までは行くけど、それ以上スコアが上がらない場合や、スピーキングで採点官に話が伝わっていないと感じてしまうときなどは、文法力に課題がある場合が多いです。

 

このアウトプット系の文法力を高めるためには、1つの重要な方針があります。

それは

間違った英文に即座に気付けるようになる

ということです。

 

例えば次の文章の中には文法ミスが7箇所含まれています。

見つけられるでしょうか?

If we want study abroad, reading English books are one of most effective way to prepare. Because  it will help us improve English. Furthermore, by reading English books, it will increase our understanding of the culture of countries which English is spoken.

 

もし見つけられたミスが6箇所以下なら、見つけられなかったミスはあなたが自分で英作文したときにも含まれてしまう可能性が高い、ということです。

 

答え合わせをすると

want study abroad ⇒ want to study abroad

動詞wantの後ろに、もう1つ動詞studyを重ねています。

1つの節に述語になる動詞は1つだけです。

 

reading English books are ⇒ reading English books is

主語がreadingという動名詞なので単数扱いになり、述語も単数形になります。

 

most effective ⇒ the most effective

最上級にはtheをつけます。

 

one of most effective way ⇒ one of most effective ways

one ofの後ろに置く名詞は複数形です。

 

prepare. Because  it will ⇒ prepare, because  it will

従属節は単体では使えません。

その前にある文章を主節として、それに続けて従属節を置きます。

 

by reading English books, it will increase our understanding of the culture of countries ⇒ by reading English books, we will increase our understanding of the culture of countries

by+ingの構文を使うときは、ingの意味上の主語と、主節の主語が一致している必要があります。

この場合はreadingの意味上の主語は、weになるため、主節の主語もweにする必要があります。

 

countries which English is spoken ⇒ countries where English is spoken

関係代名詞whichを使った場合、後ろに続く文章は主語か目的語が欠けた不完全な文章です。

ここではEnglish is spokenという完全な文章になっているため関係代名詞ではなく関係副詞になります。

 

このように間違った英文に敏感になっておくと、英作文をしたときの文法ミスの確率が減ります。

 

アウトプット系文法学習の5ステップ

では間違った英文に気付ける感度を磨く具体的な学習方法です。

インプット系文法の学習方法は5つのステップで進めていきます。

ステップ1.添削を受ける
ステップ2.文法ミスで修正された英文を集める
ステップ3.なぜ間違いか文法ルールにのっとって理解する
ステップ4.一問一答形式にまとめる
ステップ5.間違った英文を見て、一度で間違いの箇所が修正できるまで繰り返す

順に見ていきましょう。

 

1.添削を受ける

いきなりですが、英文の添削を受けてみて下さい。

添削の目的は自分が無意識に行っている文法ミスを客観的に知ることです。

まずは自分が文法間違いをしていることを自覚しなければ、この後の学習のモチベーションが生まれないので、他人の添削を受けてみて、文法ミスがある英文を書いていることを確認してみてください。

 

添削は、文法のためだけならIELTSに特化している必要はないです。

ですが、どうせIELTSの学習をするのであればIELTS用の添削を受けた方が一石二鳥でしょう。

 

添削をお願いする人がいない、あるいは添削をお願いするお金が無い場合は、無料で添削してもらうサービスもあります。(IELTSに特化したものではありませんが)

その1つがGrammarlyで、文法的におかしな箇所は修正の候補を出してくれます。

最終的に候補を選択するだけの文法力は必要になりますが、自分では気づかない指摘をしてくれることもあるので、その意味では価値はあります。

 

2.文法ミスで修正された英文を集める

アウトプット系文法の勉強で大事なのが1.で添削を受けた後の話です。

多くの方は添削は受けっぱなしで、添削された結果は一度見て終わり、という場合が多いですが、実はこの添削された英文が宝の山なのです。

アウトプット系文法で大事なのは「間違いに気付けるようになる」という話をしましたが、そのためのトレーニングで必要なのが間違いを含んだ英文です。

そして、添削されて戻ってきた英文は、まさしく、この間違いを含んだ英文ですね。

しかも、最初に英文を書いた段階では自分のフィルターを通って正しいと判断されたものです。

例えば、主語が単数なのに述語にsを忘れたときは、主語と述語の単複が一致していなくても、気付かなかった、ということです。

なので、この英文を見て間違っていると気付けるようになれば、必然的に文法の力は上がっていきます。

 

ということで、添削後、修正をされた英文だけを取り出して集めていきます。

これを使って文法力を上げていきます。

 

3.なぜ間違いかを文法ルールにのっとって理解する

2.で間違えた英文を集めた後、修正案と比べてみて、なぜそのような修正が必要なのかを一通り理解するようにします。

例えば、冠詞のaを使った場所でtheに変更されたのであれば、なぜtheの方が適切なのかを理解します。

添削者から修正の説明がある場合は、そこで理解できるでしょうし、説明が無い場合は、なぜそれが間違いなのかを添削者に確認するか、自分で文法ルールを調べてみて自分が納得するまで確認しましょう。

文法のミスには「何となく」とか「こっちの方がゴロが良いから」といった理由はありません。

必ずルールがあるので、そのルールに反しているということを確認するようにしてください。

この理解がないと同じようなミスを繰り返すことになりますし、間違えた英文の数が増えてくると対処できなくなります。

 

4.一問一答形式にまとめる

2.で集めた英文を一問一答形式にまとめていきます。

インプット系文法でもお伝えしましたが、人間の記憶は「思い出そうとする機会」が多いほど定着します。

そのため、集めて分類した英文を、何度も何度も見直して、正しい表現を思い出そうとする機会を人工的に作ります。

そのためにはノートが有効です。

ノートの左側に間違った英文、右側に修正された正しい英文や文法上のポイントをまとめていきます。

これは、3.で理解した文法エラーのタイプごとにまとめても良いし、ランダムで記載しても良いです。

 

5.間違った英文を見て、一度で間違いの箇所が修正できるまで繰り返す

4.で作ったノートを見て、右側の正しい表現や文法上のポイントを手で隠して、左側の間違った英文だけを見て、正しい表現や文法ルールを思い出すトレーニングをしていきます。

ノート形式にしておくことで、移動時間でも、寝る前の布団の中でもちょっとした空き時間に繰り返し学習することが出来ます。

追加で添削した場合は、その際に指摘された間違いも、どんどんそのノートに追記していきましょう。

すべての英文は見た瞬間に間違いの箇所が分かる、どう修正すればよいかも分かる、という状態になったらそのノートは卒業です。

その頃にはライティング、スピーキングのスコアもかなり上がっているはずです。

 

5ステップを自力で行う時間が無い方に

これらの作業をしてくのが面倒な場合、ブースターパックのご利用をお勧めします。

こちらでは過去の私の添削でよく見かける間違いをピックアップして文法ルールを解説した上で、繰り返し確認ができるように問題形式にまとめています。

これらを継続して利用すれば、ライティングやスピーキングのミスが劇的に減って、スコアも安定するようになるはずです。

無料サンプルもありますので、宜しければ確認してみて下さい。

ブースターパック