IELTSのスコアが下がってしまった方へ

こんにちは。藤本です。

IELTSの受験は、勉強すれば、回数を重ねれば、自動的に上がるものではありません。

そのことは頭ではわかっている方が多いのですが、いざ受験してみてスコアが下がるとショックなものです。

本日は、スコアが下がるメカニズムと、そのときの考え方について書いてみます。

 

試験のスコアは上下するもの

IELTSは、同じ実力の人が受験したら同じスコアが出る、と思っていませんか?

試験なので本来はそうあるべきですが、残念ながら現実は違います。

同じ人が2週連続で受験しても、違うスコアになることは普通にあります。

 

これはたかだか半日の試験では、その人の実力の一部しか判断できないのが原因です。

 

リスニングは40問、リーディングも40問でスコアが出るわけですが、これぐらいの数でその人の実力が完全に分かるはずもないのです。

例えば、船について詳しい人が受験したときに、リーディングで船の歴史の文章が出れば普段より理解しやすいのは当たり前ですね。

逆に、蚊が大の苦手で蚊について考えただけで気分が悪くなる人が、蚊のメカニズムについての文章が出たときに平静な気持ちでスラスラ読めるわけがないですね。

 

あるいは、True/False/Not Given問題だけが異常に苦手な人が、受験した日に限って、40問中15問がTrue/False/Not Given問題だったとすると、やっぱり不利でしょうし、True/False/Not Given問題が、40問中5問しかないときはスコアが高めになるはずです。

 

このように試験問題との相性で、スコアは前後します。

 

問題との相性以外でも、その日の体調だったり、隣に座った人の貧乏ゆすりだったり、会場の空調の雑音だったり、ちょっとした当日のコンディションによっても集中度合いは左右され、スコアも影響を受けます。

 

あと以前にも書きましたが、正しく努力していても、その途上では一旦スコアが下がることもあります。

正しいIELTS対策をしたらスコアが下がる法則
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これらを考えたときに、1回1回の受験においてスコアが上下するのは当たり前だと言えるのです。

毎回順調にスコアが上がることはむしろ稀なのです。

 

特に各セクションのスコアはその傾向が強いです。

4セクションの平均であるオーバーオールのスコアは比較的安定しています。

 

受験回数10回を超える方はこのことはよく理解されていると思いますが、受験回数が少ない場合は実際に経験するまではなかなか実感できないかもしれませんね。

でもこれは事実なので、まずこのことを認識しましょう。

 

過去3回の平均が自分の実力

では自分の実力、特に各セクションごとの実力はどのように考えれば良いでしょうか?

私は、過去3回の受験の平均点が実力と考えると良い、とお伝えしています。

 

1回の受験のスコアは上記のように様々な要素によって上下します。

でも3回分の平均を考えると比較的その人の実力を示していることが多いです。

 

例えばリーディングのスコアが過去5.5⇒6.5⇒6.0と推移しているのであれば、ベストスコアは6.5ですが、実力としては6.0と考えます。

6.5のときはたまたま上手くいって実力以上のスコアが出たと考えます。

 

特に5.5⇒7.5のような急激な伸びを示した場合、次の受験のスコアが大事です。

もし次の受験のスコアが6.0ぐらいだとしたら、7.5はたまたま取れた奇跡的なスコアという捉え方をするのが自然です。

もちろん一度でも7.5が獲れたことがあるという自信は大事なので、自信という面では7.5獲得を誇っても良いと思います。

ただ実力としては6.0前後という冷静な目を見失わないようにしましょう。

 

逆に7.0⇒6.0のような下がり方をした場合も、その次の受験で判断をします。

もし再び7.0が獲れたなら6.0はたまたま調子が悪かったという見方が出来ます。

しかし、次の受験でも6.0の場合は、7.0がまぐれだった可能性を考えます。

「自分は6.0の実力なのに7.0をラッキーで取れてしまった」

と考えるのです。

 

結果を見たときの感情と対策は切り離して考える

スコアが発表されるときは、人間なのでどうしても感情が湧きます。

前回よりも上がっていれば嬉しいでしょうし、下がっていれば悲しくなります。

それは良いのです。

 

ただ、その感情と、自分の実力の見極め、次の受験に向けた対策とは切り離して考えましょう。

この切り分けが出来ないと非効率な勉強方法を採用してしまうことになりますし、最悪な場合、モチベーションに影響を与えます。

 

ベストスコアが出たからと言って、それを自分の実力と過信しないようにします。

今回スコアが上がった原因は何で、それは真の実力なのかを冷静に見極めましょう。

 

逆にスコアが下がった場合も、落ち込むのではなく、何が原因で、それは実力的に下がったのかを見極めましょう。

 

一般的に正しい努力を継続している場合、実力が下がるということはあまり考えられません。

スコアが下がるのは、試験問題との相性や当日のコンディションなどに原因があったか、もしくはその前のスコアが実力以上のスコアだったか、のいずれかです。

特に後者の要因を見落としがちなので、その部分は冷静に捉えるべきです。

 

この考えを持たないと、スコアが下がったときに、

「IELTSは得体の知れない攻略不可能な試験である」

という考えになったり

「自分はいくら努力しても成果が出せない人間である」

といった間違った解釈をしてしまいます。

こう考えるとモチベーションを保つのが難しくなります。

 

まずスコアが下がることは普通にあり得るということ、そして最後の1回のスコアだけをみるのではなく、過去のスコアの推移から、現在の実力を冷静に見極めること、この点を忘れなければ、スコアが下がったからと言ってモチベーションが下がるということはなくなります。

IELTSの受験はこういった物の見方も鍛えてくれる良い経験になります。