こんにちは。藤本です。
IELTSのライティングについて、この言葉を使えば評価される、というものはありませんが、少なくとも使うとマイナス評価されるという単語があります。
今回はその単語をご紹介してみますね。
全部で7つのカテゴリーに分けて説明してみます。
1.口語表現・カジュアルな表現(ジェネラルTask1を除く)
アカデミックモジュールはTask1、Task2ともにフォーマルな文体で記載する必要があります。
ジェネラルトレーニングモジュールはTask1の中でインフォーマルな文体が許されるケースもありますが、Task2は少なくともフォーマルな文体が求められます。
フォーマルな文体の中で口語表現やカジュアルな言い回しを使ってしまうと、政府が出す公式文書の中で「マジで最高」「~って言ったやん」と書いているぐらいの場違い感があります。
自分が使っている表現が口語表現と知らずに使っているケースもあるので要注意です。
実際に添削をしていてよく見る口語表現としては以下のようなものがあるので、よりフォーマルな表現に書き換えましょう。
口語表現・カジュアルな表現の例 | 言い換え候補 |
lots of / tons of | many / a number of / a great deal of |
a bit | slightly / somewhat |
besides | furthermore / additionally |
a kind of | some |
youを主語にした表現 | weを主語にした表現 / 別の構文に言い換え |
2.初歩的過ぎる表現
上記の通り、IELTSではフォーマルな文体が求められます。
それに加えてジェネラルのTask1のインフォーマルな文体であってもある程度大人の文章である必要があるので、子どもっぽい幼稚な表現は避けた方が良いです。
ネイティブの感覚ではフォーマルな文体の中に初歩的過ぎる単語が使われるとイラっとする人すらいるようなので、こういった単語の使用は避けた方が良いです。
添削をしていてよく見かける初歩的過ぎる表現としては以下のようなものがあります。
初歩的過ぎる表現の例 | 言い換え候補 |
big | large / significant / enormous |
good | positive / beneficial / desirable |
bad | negative / harmful / undesirable |
think | consider |
3.曖昧過ぎる表現
何を指しているか分からない曖昧な表現はフォーマルな文体では避けるべきです。
例えば、読んでいて「何か悪いことが起こるから反対です。」と言われるようなものです。
そんなこと言われても説得力がないし、「だからその『何か悪いこと』って何??」と言いたくなりますよね。読んでいてフラストレーションがたまる表現です。
以下、実際に添削していてよく見かける曖昧過ぎる表現を挙げてみます。
曖昧過ぎる表現の例 | 言い換え候補 |
someone | 具体的に言い借る(citizen, customer, studentなど) |
something | 具体的に言いかえる(item, material, factorなど) |
thing | 具体的に言いかえる(item, material, factorなど) |
and so on / etc. | この表現は使わない |
4.差別的な表現
特定の性別や人種を指すような表現は極力使用を避けます。
特に「man」が入った表現は、著名人が公の場面で使うだけで批判されるぐらいセンシティブな言葉であると認識しておきましょう。
差別的な表現の例 | 言い換え候補 |
businessman | businessperson |
salesman | sales representative / salesperson |
policeman | police officer |
manmade | artificial / synthetic |
manpower | workforce |
5.一般的でない略称
略称を断りもなく使うのは、世界の誰もが知っている略称(USA、UKなど)や、略称以外を使うことがむしろ不自然なケース(DVD、BC(紀元前)など)にとどめます。
あまり知られていない略称を断りもなく使うと、場合によっては別の単語の略称だと勘違いされるケースもあります。
判断に迷う場合は、最初に出てきたときに「正式名称(略称)」という形で表記しておけば、以降は略称を使うことが出来ます。
添削をしていてよく見かける略称として以下のものがありますが、断りもなく使うのは避けた方が良いです。
一般的でない略称の例 | 言い換え候補 |
PE | physical education |
GMO | genetically modified organism |
NY | New York |
6.一般的でない専門用語
「難しい単語を使わなければならない」と考えて、ネイティブでも知らない、あるいは知っていてもまず日常で使うことが無いようなレベルの単語をどこかから調べてきて使う人がいますが、これは逆効果です。
例えばあなたがエッセイを読んでいていきなり「可換性の・・・」「動物相は・・・」「内生性があるので・・・」などと言われても読む気になれないでしょう。
以下、実際に添削の中で使っていた人がいた専門用語です。
一般的でない専門用語の例 | 言い換え候補 |
commutative(数学用語:可換性の) | exchangeable |
occidental society(史学用語:西洋社会) | western society |
fauna(生物学用語:動物相) | この表現は使わない |
endogeneity(経済用語:内生性) | この表現は使わない |
7.極端な表現・感情的過ぎる表現
基本的にフォーマルな文章では、断言する表現や極端な言い回しを避ける傾向があります。
そう言い切れるだけの根拠があるなら良いですが、根拠もなく断定するのは非論理的ですし、感情的に見えます。
中には無自覚に断定表現や極端な表現を使っているケースもありますが、その言葉が持つ意味の強さをしっかり認識するようにしましょう。
極端な表現の例 | 補足説明 |
controversial | controversialは、「論争の的になる」「物議をかもす」というニュアンスで、世論を二分するような内容ならともかく、大して議論になってもいない内容で、この言葉を使うと違和感がある。 |
cannot | cannotは強い否定の意味で、完全に出来ないと言い切れない状況であればmay not be able toなどを使うのが無難。 |
extremely | 「極端に」というのは著者の感覚であり主観的。根拠もなく主観的な表現を使うと感情的に見えて説得力が落ちる。 |
surprisingly | 「驚くべきことに」というのは著者の感覚であり主観的。根拠もなく主観的な表現を使うと感情的に見えて説得力が落ちる。 |
いかがでしたでしょうか?
これまであまり意識することなく使っていた表現があれば、今後は気を付けてもらえればと思います。