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こんにちは。藤本です。
IELTSに取り組んでいると、なかなか思うように結果が出ず、あるいは周囲の様々な要因によって、
「もうやめちゃおうかな・・・」
と思うこともあると思います。
実際、私も過去、様々な理由でモチベーションが下がった受験生とお話をしてきましたので、私なりに、その対処法について書いてみたいと思います。
目次
1.やる気の正体
私の中では、人間のやる気は、モチベーションを高める「アクセルの要素」と、モチベーションを低下させる「ブレーキの要素」があると思います。
「もう諦めたい・・」
と思っているときは、アクセルの要素が弱まっていて、ブレーキの要素が強まっている状態です。
逆にアクセルの力を強めて、ブレーキの力を弱めれば、自然にやる気は加速していくものだと思います。
2.モチベーションを高めるアクセルの要素
まず、アクセルの要素については、
(1)目標をより具体的にイメージする
(2)次の一歩に対する仮説を持つ
(3)小さな進化を実感する
(4)発想を逆転させ、弱みを強みに、ピンチをチャンスに変える
という4つが重要かなと思います。
具体的に説明しますね。
(1)目標をより具体的にイメージする
「目標を持つことはモチベーションを高める」ということは聞かれたことがある人も多いと思いますが、ここでのポイントは「可能な限り具体的にイメージする」ということです。
例えば
「カナダに留学したい」
よりも
「カナダのトロント大学に留学したい」
の方が具体的だし、
「トロント大学に留学して『データ・ドリブン・マーケティング』という授業を受けたい」
という方がより具体的です。
具体的であればあるほど、イメージがしやすくなり、モチベーションにつながります。
ちなみに、上の具体化の例は、実際に私が留学前に自分をモチベートするために考えていた目標です。
そして、文字上だけで考えるよりも、画像や映像にして考えた方がより具体化します。
行きたい場所、やりたいことを示した画像やYoutubeでの動画があれば、それを視聴してみると良いでしょう。
こんな感じで(↓)行きたい学校の写真を部屋に飾っておくのも良いでしょう。
maplelearningによるPixabayからの画像
さらに、その目標としている場所に実際に訪問して、先に自分が目標としている生活を実践している人の話を聞くと、五感で実感が出来るので、より具体的にイメージできるでしょう。
具体的の中には、「日付」も含まれます。
例えば
「来年留学したい」
よりも
「今年の12月31日までに出願を終えて、来年の4月30日までに現地に渡航したい」
の方が具体的ですよね。
絶対に具体的な日付を意識した方がモチベーションが高まります。
最後に、それらを頭の中でぼんやり思っているよりも、紙に書いて具体的に文字にしてみたり、人に宣言して具体的な言葉にする方が、よりイメージははっきりします。
だから恥ずかしがらずに、どんどん目標は語った方が良いです。
やりたいことや、その場所、時期、方法などを具体的にすればするほど、やる気がみなぎってきます。
(2)次の一歩に対する仮説を持つ
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仮説とは、例えば
「ひょっとして、これから1か月ライティングの解答例を全部覚える努力をしたら、表現の幅が広がるかも」
みたいな予測、予感です。
モチベーションが高い状態というのは、大抵この仮説を持てている状態です。
遠足の前の日にワクワクするのは、
「明日は〇〇に行って、××くんと話をして、△△して遊べるなー、楽しみだなー」
という予感があるからですね。
IELTSの勉強をするにあたって、この
「ひょっとしたら、〇〇をすれば、××になるかも」
という仮説を持つことは、超重要です。
逆にこの仮説を持たずに勉強することは、闇雲に時間をつぶすだけになるので、絶対に避けるべきです。
子どもの頃の勉強は「これを勉強すれば、後になってここで役立つかも」という仮説を持たず、やれと言われたことを意味も分からずやることが多いので、大人になってからもそういったスタイルで勉強しがちです。
でも自分で続けることもやめることもできるIELTSの場合は、その進め方では、当初の勢いがなくなった時点で続かなくなるんですね。
常に、今自分がやろうとしていることは、何の力をつけるためにやろうとしているのか、その仮説を持ち続けるようにしてください。
「仮説ってどうやって探したらいいんだろう?」
という方は、、、
このブログには500を超える記事で、仮説のネタを伝えていますので、気になったところから読んでみて仮説を作ってみて下さい。
もう少し体系的に自分が出来ていないところを探したい方は、グランドメソッド特講でやるべきことを網羅していますので、そちらを見てください。
(3)小さな進化を実感する
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せっかく目標を具体化して、仮説を作って、行動したとしても、その成果が実感できないと、モチベーションが続かない原因になります。
そのためには、小さなもので良いので、進化が実感できるようにした方が良いです。
進化を実感する最も分かりやすい指標は、何と言ってもIELTSのスコアだと思います。
どこか1つのセクションで良いので、少しでもスコアが上がると、進化は実感できて、励みになると思います。
しかし、残念なことに、IELTSのスコアというのは0.5点刻み。
刻みが大きすぎるので、実際に進化をしていたとしても、スコアには反映されないことも多々あります。
1年勉強しても、オーバーオールのスコアが変わらない、ということはよくあります。
その場合は、もう少し短いスパンで進化を実感できる指標を持ちたいです。
その最も良い方法は、勉強の記録を残すことです。
私は受験生には、勉強のスケジュール表を作れと言うことが多いのですが、このスケジュール表は、計画を立てるだけでなく、その計画を実際に実施したかどうかも同時に記録していきます。
エクセルで計画表を作るなら、そのセルに色付けをしていくことで、実際にその計画を消化できたかどうかが一目瞭然になります。
こんなイメージです↓
エクセルでの管理が面倒な人は、自分の勉強時間を管理してくれるサービスなどもありますので、そういったものを使うのも有りですね。
例えばStudyPlusというサービスには学習時間を記録しておけば、それをグラフにして表示してくれたり、他人とシェアしたりする機能があります。
またIELTSを勉強している人たちが所属しているコミュニティなどもありますので、そういったところに登録して、人から刺激を受けるのも有りです。
もちろん、勉強時間だけ長くて、結果が伴わないのは、あまり意味はないのですが、少なくともモチベーション維持の観点からは、自分がやってきたことを見える化するというのは、大事な要素です。
(4)発想を逆転させ、弱みを強みに、ピンチをチャンスに変える
何度も受験しているのにそれでも成果が出ないと
「私は本当にダメなんだな、才能無いんだな」
と思ってしまうかもしれません。
これも、モチベーション低下の原因の1つですね。
でもこれも考え方1つで、やる気に変えられます。
それは
「今あるこの苦しみや挫折は、将来同じように苦しんだり挫折したりしている人を救うために経験している」
と考えることです。
まさに逆転の発想ですね。
その1つの例が私です。
私には、本当に語学の才能はありません。
スコアを上げるのも人より長く時間がかかったし、何より語学が好きになれません。
でもその苦しみや挫折の経験があったことで、こうして現在同じように苦労されている方に向けて情報発信をさせて頂き、共感してもらえる人もいます。
こうして、今の苦しみは、将来より多くの他人を救うためのものである、と考えると、少し希望が湧いてきませんか?
他にも、周囲の人に留学を反対されているという状況の場合、
「周囲に理解が得られないな、自分が間違っているのかな」
と思うと、モチベーション低下につながりますが、
「この怒りを、自分の成長につなげて、結果を出して見返してやる」
と思ったら、逆にモチベーションになりますね。
今起こっている「現象」と、それがどういう意味を持つかという「解釈」とは全く別ものです。
だから解釈次第で、現象は良いものにも、悪いものにもなってしまうんですね。
どっちで解釈してもコストはかかりませんが、結果は大きく違ってきます。
であるなら、どうせなら良いものに解釈して、次の行動につなげた方が得ですよね。
弱みを強みに、ピンチをチャンスに、という発想法を持つことはとても大事だと思います。
3.モチベーションを弱めるブレーキの要素
次に、モチベーションを弱めるブレーキの要素について挙げてみます。
(1)周囲との人間関係が良くない
(2)自分の時間を奪うものが多い
(3)自身の健康が損なわれている
(4)集中できない環境の中にいる
の4つです。
では、こちらも具体的に説明しましょう。
(1)周囲との人間関係が良くない
Inzmam Khan`によるPixabayからの画像
日常の中で起こるトラブルの大半は人間関係である、と言われるぐらい、人間関係は大きな要素です。
例えば、近い人に留学することを反対されているケースとか、次に進もうとしているあなたの足を引っ張っている人がいるとかですね。
ここでその人の言うことに引きずられると、知らず知らずのうちに自分のモチベーションが低下していきます。
こういったケースに関しては、明確な指針が必要です。
それは
「コントロールできるものと出来ないものを分けて対処する」
ということです。
例えばあなたの留学に反対している人がいた場合、その人の考えを説得して変えることは可能でしょうか?
それが、親や恩師、会社の上司のような目上の人の場合、基本的には難しいでしょう。
相手から見たら自分は格下ですから、どんなに話をされても、頭で分かっても気持ちでは受け入れられないと思います。
つまり、自分ではコントロールできない存在です。
こういった場合、その人たちを説得しようとすることはさっさと諦めた方が良いです。
「いや、何とか説得したい、自分の気持ちを理解してもらいたい」
とあなたは思うかもしれませんが、所詮、価値観が違うと考えます。
人の価値観を変えるというのは、よっぽどのことが無い限りは無理です。
だから、一旦距離を置きます。
コントロールできないものをコントロールしようとしないことです。
人間関係を完全に断つ必要はありませんが、表だって、自分の気持ちを伝えることは一旦控えます。
大丈夫です。結果が出さえすれば、やがてその人たちも分かってくれます。
それまでは無駄にエネルギーを使ったり、自分のモチベーションを下げる要素は排除するのです。
これでブレーキを1つ外すことができましたね。
次のブレーキを外しましょう。
(2)自分の時間を奪うものが多い
仕事に追われる、家事に追われる、子どもや親の世話に追われる、というのは、誰にとっても起こりえる話です。
そこで
「時間がない・・・」
「疲れた・・・」
から
「新しいことに取り組む気が出ない」
という気持ちになるのは、ある意味モチベーション低下の王道パターンと言えます。
このブレーキを外すには、ずばり時間を奪うものを取り除いていくしかありません。
物理的に取り除けるものと、取り除けないものがあるとは思いますが、ここで問題にしたいのが、「自分で勝手に取り除けないと思い込んでいる」ケースです。
極端な話をしますよ。
毎日の仕事。
明日その仕事休めませんか?
「いやいや、無理っすよ」
と条件反射的に思うかもしれませんが、でも「無理」ということからスタートするとこれ以上話が進みません。
一旦「出来る」ということを前提にスタートして欲しいんですよ。
考えてみて下さい。
近い肉親が急に亡くなったり、自身が急に病気になった場合、仕事休みますよね。普通に。
そして休んで、多少迷惑をかけることがあっても、それで一生立ち直れないようなダメージを受けることってほとんどないですよね。
テレビの生放送の司会者とか、数百人を集めた講演会の講演者が体調不良で休むことだってありますよ。
国民の信を受けた政治家が体調不良で国会を休むこともあります。
でもそれで彼らは、一生立ち直れないような厳しい社会的制裁は受けないですよね。
もちろん休んだ理由にもよりますが。
そして、やり直しをしたり、誰かがカバーしたりして、数日経てば何事もなかったように元の様子に戻ります。
そうなんです。
1日、2日、自分がいなくても、社会は普通に回っていきます。
これは会社を退職した人なら分かる感覚だと思います。
苦しむ患者を医者が放っておくとか、乳児の世話を1日放棄するとかは、さすがにまずいと思いますよ。
でも、そうでなければ、大抵の仕事というのは、そうしなければならないと自分が勝手に思い込んで作っている仕事です。
それをやらなかったら、若干、怒られたり、人に迷惑がかかったり、自分の評価が落ちるかもしれないけど死ぬわけじゃないでしょう。
そんな仕事であれば、「とりあえずやらない」という極端な選択肢からまずはスタートしてみたらどうでしょう。
あなたの時間を奪っていたものが、極端に減っていきませんか?
ここまで極端なことは出来ない場合は、もう少しマイルドに行きましょう。
・人に頼めばやってもらえること
・お金を払えば解決すること
・準備をしっかりしておけば時間短縮できること
・サボっても他人には分からないこと
などはどんどん実行して、自分の時間を確保していきましょう。
何より時間というのは有限なので、お金よりも大切な資産です。
これも極端な話かもしれませんが、大抵の場合は「目の前の仕事よりも、IELTSの勉強の方が大切」だと思います。
今目の前にある仕事は、あなたの一生を決めることではないと思います。
それよりもIELTSで目標スコアを獲って留学や移住の目標を叶える方が、あなたの一生にとっては意味と価値があります。
自分の目標を叶えるためなら、もっとわがままにやっていいんです。
(3)自身の健康が損なわれている
Myriams-FotosによるPixabayからの画像
健康面が損なわれることも、モチベーションを低下させる大きな要因です。
ここで言う健康とは、身体的な健康も、精神的な健康も含みます。
身体的な苦痛や精神的なストレスを感じている場合は、むしろ同時に勉強をしろという方が無理ですね。
さきほどIELTSは目の前の仕事より大事、と書きましたが、そのIELTSよりも大事なのは自分の健康です。
だから、自分のモチベーションや勉強の集中力を下げるほどの病気については、最優先で治療を行うことです。
もし鋼の意思で、苦痛を感じたり、集中できない状態のまま、勉強をしようとしても、それはあまり身にはつかないと思います。
それよりも一旦中断してでも、健康を取り戻してから勉強を再開した方がずっと効率が良いです。
一番良くないのが、健康が損なわれた状態のまま、何もアクションを取らずに時間を過ごしてしまうことです。
命に別状がないとしても、リターンを得られないまま、時間という最も重要な資産を非効率に減らし続けていくことになります。
そして、ここでも、治療を最優先にするために、時間を確保したり、お金を使ったり、ということを戦略的に考えていく必要があります。
医療的にどうしようもないことや、住んでいるエリアの医療制度によっては、時間がかかってしまうこともあるかもしれません。
が、それでもあらゆる手段の中から、お金は使っても良いので、最良の手段を選択して、信頼できる専門家に依頼して、最短でその不安を取り除くことが大事だと思います。
私も海外に拠点を移してから最も不安なのが、現地での医療です。
カナダは医療の水準は一般に高いとされており、実際に日本では受けない予防接種など受けたりもしますが、問題は専門医へのアクセスが非常に悪いことです。
言葉の問題もありますが、紹介がないと専門医には見てもらえなかったり、その専門医への予約が平気で数週間後になったりします。
なので、自分や家族の健康状態が損なわれて、カナダの医療で不便を感じることが自分のモチベーション低下につながっているという場面に直面したときは、恐らく躊躇なく日本に戻ると思います。
(4)集中できない環境の中にいる
知らず知らずのうちにモチベーションにブレーキをかけているケースもあります。
それが、身の回りにある集中を妨げるものです。
少し具体的に書きます。
あなたが普段勉強している机、ガタガタしてませんか?
座っている椅子は、動くたびにギーギー言いませんか?
「そんなものは慣れているし、気にしてない」
とあなたは思うかもしれませんが、蓄積すると結構なダメージになります。
集中力とやる気という意味で。
私にビジネスを教えてくれた人の教えの1つに、机と椅子には投資しろ、というものがありました。
その教えに従って、今はそれなりの質の机と椅子を使っていますが、確かに効果は絶大です。
毎朝椅子に座って机に向かうときは、ピリッと引き締まった気持ちになります。
逆に、もし小さな机と、座り心地の悪い椅子だと、多分色々とストレスが多かったり、効率が落ちることが多いと思います。
実際、日本に滞在している間、ホテルの一室の狭い机と安い椅子で仕事をしたときは、かなり効率が落ちました。
あのままホテル暮らしをしていたら、多分仕事に対するモチベーションも下がっていたと思います。
また机の周りが散らかっている場合や、勉強部屋の周辺が騒がしい場合も、早急に手を打った方が良いです。
目に入る誘惑、耳から聞こえる雑音、そういったものが、少しづつあなたの集中力を奪います。
そしていつか
「何となく机に向かうのがおっくうだな・・・」
と感じさせ、勉強が嫌なもののようにイメージさせてしまいます。
これらは、自分の意識している領域ではなく、無意識の領域で感じるものなので、普段はあまり気付けないかもしれません。
でも無意識で感じたものは、そのまま行動に表れます。
仮に頑張ってその行動を続けたとしても、集中力のない勉強は成果につながりません。
成果が出ず、モチベーションを低下させる、という悪循環に入ってしまいます。
勉強する環境を、やる気を向上させる環境にするということは、意外と大事ですよ。
まとめ
ということで、やる気、モチベーションを高めるための方法を、アクセルとブレーキに例えて、4つずつ挙げてみました。
他にも要素はあるかもしれませんし、方法もそれぞれの人に応じた適切な方法があると思います。
多くの人が長期間の取り組みの中で、モチベーションの維持という課題を抱えていると思いますので、その解決のために、この記事が少しでもヒントになれば嬉しいです。