こんにちは。藤本です。
IELTSのライティングは設問だけ与えられて、それに沿ってさえいればあとはどのような内容を書いても自由です。
そのくせに時間だけは決められています。
そんな形式のため、実は英語力以外の能力が問われたりします。
その1つが、書くべき内容を素早く思い浮かべるということです。
書く力はあるのに、その内容が浮かばないが故に、時間を取ってしまい、その結果最後まで書き終わらない、という人も少なからずいるのではないかと思います。
ということで、今日はIELTSライティングのアイデアを出すコツについて書いてみます。
アカデミックモジュールTask1の場合
出題の7‐8割を占めるグラフ・表の説明に関して考えてみましょう。
これは、もうパターン化の世界です。
どこに着目すべきか、どのデータを使うべきか、どんな展開をすべきか、をグラフのパターンごとに決めておきます。
例えば、時系列の折れ線グラフなら、まず着目すべきは、各カテゴリーごとの「増減」と「順位」です。
そして伝えるべきデータは、「最初」と「最後」とその途中にある「ピーク」「ボトム」です。
そして以下のように展開していきます。
あるカテゴリーについて、最初は「どのくらいの数値」だった。そして、それはその他のカテゴリーと比べて「どのくらいの順位」だった。
それが時間が経つにつれて「増えた・減った」。
その間順位が入れ替わったら「何位に変化した」、ピークやボトムがあったら、それは「いつのこと」で、「どのくらいの数値」だった。
そして最後には「どのような数値」で終わった。
こんな感じで説明の流れをパターン化しておくと、迷うことなく書けますね。
もちろん、例外はあると思いますが、このようにまずは基本の流れを抑えておくんです。
円グラフのデータなら、まず着目すべきは、「順位」と「類似性」です。場合によっては「差分」や「倍数や分数の比率」も説明します。
そして伝えるべきデータは、カテゴリーが3-5つ程度であれば全てで、それ以上に細かく分かれているなら、グルーピングします。
そしてこんな感じで展開していきます。
一番大きなシェアが「何」で、「どのくらいの数値」である。
次に大きなシェアは「何」で、一番目に大きなシェアと「どのくらいの差」「何分の1程度の違い」がある。
似ているカテゴリーがあれば「何」と「何」がだいたい同じぐらいのシェアで「どのくらいの数値」である。
いかがでしょうか。
このようにグラフの種類ごとに、「着目ポイント」と「説明すべきデータ」と「展開のパターン」を作っておきます。
グラフ・表は、割とパターン化がしやすいので、数多く、グラフ・表を眺めながら、説明のパターンを自分なりに確立していくと良いです。
ジェネラルトレーニングモジュールTask1の場合
ジェネラルのTask1は、手紙を書く設問ですね。
与えられるシチュエーションもバラバラですので、都度その場でストーリーをでっちあげるのは、なかなか大変です。
とは言え、そのテーマも無限にあるわけでなくて、ある程度のパターンに集約できます。
テーマ的には、忘れ物、予約、不満、応募、感謝、謝罪、助言など、およそ10テーマ前後に集約することができます。
そして、そのテーマごとにある程度のストーリーを準備しておくことが、アイデア出しに時間がかかる場合の解決策としては、手っ取り早いです。
例えば、忘れ物に気づいたので、忘れ物をした場所(ホテルや学校、お店など)に手紙を出す、というのはよくあるテーマの1つですが、このテーマが出たときは、私はかばんを忘れたことにして、そのかばんの中に、運転免許証が入っていたというストーリーを書くことにしています。
もちろん設問の中で、忘れ物の指定がある場合は、変更せざるを得ませんが、その場合でも、基本のストーリーがあるので、それをベースにカスタマイズするだけです。
停まったホテルで問題があり、その不満を書く、というテーマの場合は、その問題は騒音問題で、夜寝られなかったことを不満として挙げることにしています。
そうなると、
「どんな問題にしようかな」「どれがかきやすいかな」と余計なことを考える手間が省けます。
それぞれのディテール(5W1H)もあらかじめ決めて置いても良いかもしれませんね。
アイデア出しで時間がかかるなら、そういった準備をしておくと良いです。
Task2の場合
Task2のアイデアは、切り口をなるべく準備しておくということが重要です。
頻出の設問タイプである「賛成か反対か」を聞かれる設問では、「メリット」と「デメリット」を比較することで、賛成・反対を言えることが多いのですが、そのメリットとして言えそうな切り口、デメリットとして言えそうな切り口をパターンとして持っておくというのが有効です。
例えば、「コスト」「時間」「リスク」「成長」「経済」といった切り口は、かなり幅広いテーマに使えます。
これらの切り口を使って「コストが低くなる」と言えばメリットになるし、「コストがかかる」と言えばデメリットになります。
「リスクがある」と言えばデメリットになるし、「リスクが減る」と言えばメリットになります。
与えられたテーマに対して、これらの切り口からメリットやデメリットが言えないかを考えてみるんですね。
具体例で見てみましょう。
「コンピュータの発達」というテーマが与えられたとします。
このとき、
「コスト」の切り口で考えれば、「コンピュータを入れることで人件費が下がる」というメリットが言えるし、「コンピュータ犯罪の対策のため余計なコストがかかる」というデメリットも言えます。
「時間」の切り口で考えれば、「計算や情報探索にかかる時間が短縮する」というメリットが言えるし、「次々とお勧めされる情報を見続けて無駄に時間を過ごす」というデメリットも言えます。
「リスク」の切り口で考えれば、「人手による計算ミスや判断ミスを無くせる」というメリットが言えるし、「長時間モニターを見続けて目が悪くなるリスク」というデメリットも言えます。
「成長」の切り口で考えれば、「子供の勉強の効率が良くなる」というメリットが言えるし、「良くない情報が子供の目に触れることになる」というデメリットも言えます。
「経済」の切り口で考えれば、「コンピュータ技術の発達が新たな雇用を生む」というメリットが言えるし、「コンピュータの導入で単純労働の雇用が無くなる」というデメリットも言えます。
これらの中から、書きやすい、伝わりやすい、結論に持っていきやすいアイデアを採用するというわけです。
このように、色んなテーマで使えるアイデアの切り口を持っておくと、アイデアが浮かばないときに、立ち戻って、そこを糸口に考えることが出来るので、時間短縮や凝り固まった発想を解消するのに役立ちます。
私の場合は、このような使い勝手の良い切り口を複数頭に入れていて、ゼロからアイデアを考えるよりは、基本的にはこれらの切り口から発想をスタートするようにしています。
これらの切り口は、様々な解答例を解析していくことで、どんどん蓄積することも出来ます。
ライティングで、どうしてもアイデアがすぐに出てこない方は、こういった視点で、解答例を解析していない方が多いので、是非時間をとって、解答例を収集して、アイデアの面で分析してみて下さい。
まとめ
アイデアはすぐ出る人は出るし、出ない人はなかなか出ない傾向があります。
すぐ出る人は、わざわざこういう対策をする必要もないかもしれませんが、出ない人(私も以前はそうでした)は、このように、事前にしっかりと準備する対策が有効です。
考え方としては、
(1)解答例を複数収集して、その中で使われているアイデアを取り出してみる
(2)取り出したアイデアを横並びで並べてみて、様々な問題に適用できるように抽象化して分類する(これが「パターン」や「切り口」)
(3)その切り口を実際の問題に当てはめてみるトレーニングを行う
こんなプロセスを繰り返していけば、自然にアイデアが出てこない悩みは解消していくと思います。
お試しください。
IELTSライティング対策講座では、このような展開のパターンやアイデアの切り口を準備して、ご紹介しています。
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Have a good day!