4-4)IELTSリーディングセクションの取り組み戦略をマスターする

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①設問の取り組み順

IELTSリーディングでは本文と設問をどういう順番で読むのか

原則、設問を先に読んで本文を後から読む

  • 基本的には設問を先に読んだ方が良い
  • 後で何を問われるか分からないまま本文を読もうとすると、本文の全てを満遍なく読まなくてはならない。そうすると、本当は設問に関係ない場所であっても、理解出来なければ何度も読み直したりして、無駄な時間が発生する。
  • また、長い文章を最初にすべて読んで、その内容を覚えておくのは難しい。結局設問に答える段階で、もう一度読まなくてはならなくなる。
  • 逆に、設問で何を聞かれるかがあらかじめ分かっているなら、関連しそうな箇所だけを重点的に読み、そうでない箇所はサラッと読み流すことも出来る。
  • また設問のために再度本文を読み直す必要もなくなる

 

でも、全設問を先に読む必要はない

  • そもそも全設問に先に目を通したところで、すべての設問を覚えていられない。
  • 全設問ではなく、必要な設問だけに先に目を通す
  • そして本文を読んで設問に答えたら、次の設問に目を通してまた本文に戻る、という動作を繰り返す。
  • そうすると本文を一度読み終わればすべての設問に対して回答が出来ている状態になる。

 

本文にはどういう順番で設問の情報が出てくるのか

  • リーディングは6つの設問タイプがあるが、設問タイプによって、本文に情報が出てくる順序が大きく2タイプに分かれる。
  • タイプA:設問の出題順のまま本文に情報が出てくるタイプ
    ⇒設問の先頭から先読みをする

    • 空欄補充問題
    • TF/YN問題
    • 選択肢問題
    • リストマッチング問題のうち「②サマリータイプ」と「③文章と文章をつなぐタイプ」
  • タイプB:設問の出題順のまま本文に情報が出てくるとは限らないタイプ
    ⇒設問先読みをしない

    • リストマッチングのうち「①文章と単語をつなぐタイプ」
    • パラグラフ選択問題
    • Heading問題
  • さらに、1つのパッセージにつき2~4の設問グループに分かれているが、異なる設問グループの設問ではどちらが先に本文に情報が出てくるか分からない
タイプAのみのパッセージの例

すべてタイプAの例

設問が1-4が「TF問題」、5-9が「選択肢問題」、10-13が「空欄補充問題」のようにいずれもタイプAの場合、各設問グループの中では、設問の順番通りに本文に情報が出てくる

つまり、「TF問題」の中では1の情報が2の情報よりも先に本文に出てくるし、「選択肢問題」の中では5の情報が6の情報よりも先に出てくる。

しかし、「TF問題」の先頭の1の情報と、「選択肢問題」の先頭の5の情報、「空欄補充問題」の先頭の10の情報はどれが最初に本文に出てくるかは分からない

従って、この設問パターンで、本文を読む前に先読みをすべき設問は各設問グループの先頭1,5,10である。

この3問の情報を探しながら本文を読んでいく。

さて本文を読んでいって最初に出てきたのが1の情報だったとする。

そこで、設問1を回答して、その次の設問2を先読みする。

先読みを終えたので、次に2、5、10の情報を探しながら本文の続きを読んでいく。

すると本文の中に5の情報が出てくる。そこで設問5に回答して、次の設問6の先読みをする。

この段階では2、6、10の情報を探しながら本文の続きを読んでいく。

するとパラグラフBで6の情報が出てきたので、設問6に回答して、次の設問7を先読みする。

本文に戻って続きを読むと10の情報が出てきたので、設問10に回答して、次の設問11を先読みする。

以降、同じように設問に答えたら、次の設問を先読みして本文の続きを読んでいく、ということを繰り返すと、本文を最後まで読み終わった段階で、全設問回答し終えているという状態になる。

タイプBも含まれたパッセージの例

タイプBを含んでいる例

設問が1-4が「Heading問題」、5-9が「選択肢問題」、10-13が「リストマッチング問題」のようにタイプAタイプBが両方含まれている場合、タイプAだけは設問の順番通りに本文に情報が出てくるが、タイプB必ずしも設問の順番通りに本文に情報は出てこない

従って、この設問パターンで、本文を読む前に先読みをすべき設問はタイプAにあたる選択肢問題グループの先頭の5のみである。

あと「リストマッチング問題」は設問文は読まないが、リストにある単語だけは見ておく。この場合リストはDr.X、Dr.Y、Dr.Zのような人物名が並んでいるので本文中にこれらの人物名が出てきたらそこで設問文を読むようにする。

ということで、5の情報リストにある3人の人物名を探しながら本文を読んでいく。

さて本文を読んでいってパラグラフAの中で5の情報が出てきたとする。

そこで、設問5を回答して、その次の設問6を先読みする。

次に6の情報3人の人物名を探しながら本文の続きを読んでいく。

するとパラグラフAの後半でDr.Xについての情報が出てきたとする。

ここで設問10-13をチェックしていく。

そこで設問12がDr.Xに関連する内容であれば設問12を回答する。

そして本文の続きを読んでいく。

そしてその後、6に関する情報や人物名が出て来ずにパラグラフAを最後まで読み終わったとする。

この段階でHeading問題の1問目、パラグラフAに関する回答をしていく。選択肢i~ivをチェックして該当するものを選択していく。

そして次のパラグラフBを読んでいく。

パラグラフBの中で6に関する情報が出てきたとする。

そこで、設問6に回答して次の設問7を先読みする。

その後パラグラフBの続きを読むが、設問7の情報や人物名は出て来ずにパラグラフBを読み終わったとする。

ここでHeading問題の2問目に回答していく。選択肢でパラグラフAで回答したもの以外の選択肢をチェックしていき、該当するものを選択していく。

以降、同じように設問に回答しながら本文を読んでいくと、本文を最後まで読み終わった段階で、全設問回答し終えているという状態になる。

 

②情報探索

情報探索の意識

小説を読んでいるのではなく、辞典から情報を探索しているイメージ

  • リーディングセクションは本文の理解度よりも、求められる情報をいかに速く探してくるか、を問われている。
  • 本文を読んでいると、つい英文を理解する方に意識が向いてしまうが、あくまで求められているのは情報を探すというスキルである。小説の読書ではなく、百科事典から必要な情報を探すイメージ。
  • そのためには本文を読む前に「今から何に関する情報を探すのか」という目的意識を明確に持つことが重要。(そのために設問を先読みする)
  • 本文読解中も、出てきた情報を受け身で処理するのではなくどこに求められている情報が書かれていそうか、という能動的な姿勢を忘れないようにする。

 

普段のリーディングから意識づけをしておく

  • 情報探索の意識の維持はトレーニングすることで出来るようになる。通常の英文読解時も、あらかじめ何を読み取るか、という目的意識をしっかりとセットしてから読み始めるようにする
パラフレーズの検出

リーディングはパラフレーズが当たり前

  • IELTSリーディングにおいては、設問文で使われている表現と、本文で使われている表現が全く同じ、ということはほぼない。大抵は、単語または構文を変化させたパラフレーズの表現を使っている。
  • 従って、設問文で使われている「単語」を探索をしても、本文で求める情報が見つかるとは限らない。むしろ設問文で使っている単語を設問とは全く関係ない箇所で使っていて、そこで引っ掛けさせることもある
  • このため引っ掛けを回避し、パラフレーズを検出しながら情報を探索していく必要がある。

 

パラフレーズの検出

  • パラフレーズした内容を本文から探すためには、設問文の「表現」をそのまま探すのではなく、一度「情報」として確認し直して、その「情報」を探索することが必要である。
  • 具体的には設問文を少し抽象化して自分の言葉に置き換えることが大事。

 

設問文の抽象化の例

たとえばTrue/False/Not Given問題で設問文が

  • The government increased taxes in order to reuduce the consumption of sugary drinks.

となっていたとする。

このとき設問文の中の

  • taxes
  • sugary drinks

といった単語が目立つが、こういった目立つ単語(パワーワード)を本文で探索してはならない。大抵こういった単語は本文ではパラフレーズされている。例えば

  • taxes ⇒ financial measures / pricing policies
  • sugary drinks ⇒ sweetened beverages / products with added sugar

といった感じで表現されているかもしれない。本文でこういった表現を使われていると、単語を探しに行っても探索できない。よって単語を探してはならない

また設問文の直訳である

  • 政府が甘い飲み物の消費を減らすために増税した

という内容で探すと、一見それとはまったく関係ない情報でFalseになっている可能性がある。

たとえば本文には

  • 政府は甘い食品全般販売禁止した

という内容が書かれているかもしれない。この場合「販売禁止」なので販売そのものがされていないことになり、「増税」ということはあり得ない。よってFalseが正解となる。が、「増税」という言葉を探しながら読んでいくと、この一文を見逃してしまいNot Givenと誤答してしまうかもしれない。

そのため、

  • 政府が甘い飲み物の消費を減らすために増税した

というストレートな情報(これはTrueが前提となった情報)を探すのではなく、さらに抽象化して情報探索するようにする。たとえば

  • 政府がある商品の消費を減らす目的で何か対策を取った

という情報を探すようにする。そうすると上記の「禁止した」という情報がしっかりと目に入ってくるようになる。

探している情報を忘れてしまう場合

本文を読んでいるうちに設問内容を忘れてしまう

  • 設問を先読みをしても、本文を読んでいるうちに何の情報を探しているのか分からなくなることがある。
  • 1つの情報だけを探しながら読む場合は良くても、2つ、3つの情報を同時に探しながら読むシーンになると、苦労する方も多い。

 

メモを有効活用する

  • 設問内容を忘れてしまうことの対処法として、設問を読んで、本文から探さなければならない情報を、一言、二言で良いので、日本語でメモしておくと良いペーパー受験の場合は本文の余白、コンピュータ受験の場合は手元の用紙に、今から何の情報を探すかをメモしておく。設問の内容を忘れた場合は、それを読めば良い。
  • メモする時間はかかるが、英語の設問を読み直して内容を見直すよりは短い時間で済む
  • さらにメモをすることで、覚えやすくなるという副次的効果もある。メモした時点で覚えてしまったということもある。
  • もちろん探す情報が少ない場合は、いちいちメモする必要はない。3つ以上の情報を同時に探せない、とか、2つになったらもう駄目だとか、自分の限界値を知っておけば、そのときだけメモ作戦を実践すればよい。

 

③タイムマネジメント

ペース配分を変えるだけでスコアが変わる

ポイントはペース配分

  • リーディングで3問目が最後まで読めない、あるいは最後まで読めてもスコアが安定しない大きな原因はペース配分が悪いこと
  • 同じリーディングの実力であっても、このペース配分を変えるだけでスコアが変わることがある

 

ペース配分がスコアに影響する理由

  • 60分で3問を解こうと思うと、1問20分平均で読んでいくことになるが、多くの受験生は1問目も2問目も20分以内には終わらないのが実態。
  • これは単に3問目が最後まで終わらない、という結果だけではなく、より深刻な事態を招く
  • 例えば残り15分で3問目をスタートした場合、「急いで読まないと最後まで読めない」「全部は読んでいられない」という焦る気持ちが自然に芽生え、目は走らせているが内容が全く頭に入ってこない(空読み)状態になる。この状態になると、正解率が急落する。
  • この落差は、想像以上に大きく、通常の半分以下といったひどい結果になることも多い
20分均等配分法を徹底する

お勧めのペース配分

  • お勧めするのは3問とも20分ずつ均等に時間配分すること。
  • 1問目がもっとも易しく、3問目が最も難しいので、3問目に最も長い時間をかけるべき、という指導がされることがあるが、実際の試験では必ずしもそうなっていないことも多く、1問目が最も難しいケース、2問目が最も難しいケースもある。
  • また、何問目が最も難しかったかは読んで解いてみてから結果として分かることであり、最初から時間配分に傾斜をかけることは出来ない
  • もちろん1問目、2問目が20分以内で終われるのであれば、3問目に長い時間かけるのは問題ない。

 

20分で1パッセージ最後まで読み終われない場合

  • 重要なのは、最初の2問が20分で終わらなかったときの対応。もし、1問目、2問目で、解いている途中で20分経った場合は、強制終了する
  • 残り数問が残っていたとしても、適当で良いので残りの答えを埋めて、次の問題に移る。
  • こうすると3問目に20分残せるので、空読みにならず落ち着いて読める可能性が高くなる。
  • 1問目、2問目の最後の数問は当てずっぽうで答えることになるが、その中でも一定の確率で正解になるし、ここで捨てた設問数は、3問目を空読みして落としてしまう設問数よりも圧倒的に少ない水準になる。
最後まで読めなくてもハイスコアは達成可能

分かっていても本番では出来ない人もいる

  • 20分強制終了ルールを頭に入れている人でも、いざ本番になって、1問目、2問目を取り組んでいるときは「このまま数分延長して途中まで取り組んできた問題を解き終えた方が良いのでは?」という誘惑にかられることがある。
  • しかし実際のところは、1問目、2問目を強制終了したことでの損よりも、3問目を焦って読むことでの損の方が大きい
  • 加えてIELTSは、全40問が同じ重みでカウントされるため、全40問の中でトータルに正解数を増やすことを考え、最もスコアを伸ばしやすいところを伸ばすことが重要
  • 1問目、2問目を強制終了するというのはある意味、勇気が必要人間の本能として、途中まで読んだ馴染みのある内容を最後までやった方が、新しい文章を読むよりも効率的に思える。でも、客観的に見ると、それは間違った判断

 

3問とも強制終了しても7.0は獲れる

  • 実例としてこれまでも何人も、1問目、2問目、3問目いずれも時間内に終わらずに強制終了したのに7.0以上獲得できたケースがある。
  • 重要なのは最後まで読み切ることではなく正解数を増やすこと。時間内に読めた箇所について精度高く回答することである。
  • 1問目、2問目、3問目でそれぞれで10問正解すれば7.0に届くので、スコアを獲るためには、スピードよりも精度を重視することが重要である。

 

④本文を読む際のポイント

本文が何についての話か分からない場合

キーワードが専門用語になると難易度が上がる

  • どのパッセージにも中心テーマになる単語がある。例えば「光合成について」「自動運転ついて」など「〇〇について」というテーマの「〇〇」に当たるのがキーワードである。
  • 当然ながらキーワードにあたる単語はパッセージの中に何度も出てくる
  • そのキーワードが「光合成」とか「自動運転」のような一般的な言葉なら問題はないが、専門用語(特定の動物の名前や化学物質など)がキーワードになっているケースがある。
  • そのような専門用語がキーワードとなっている場合、その専門用語が何を意味するものかが分からないと、何度もその単語が出てくるため、本文の理解度が著しく落ちてしまう

過去専門用語がキーワードとなっていた例

  • thylacine(フクロオオカミ:絶滅したオオカミの一種)
  • phytochromes(フィトクロム:植物中の光を感知する分子)
  • qanat(カナート:古代のトンネル掘削技術)
  • implicit theories(暗黙理論:知能に関する理論)
  • oxytocin(オキシトシン:脳内で作られる化学物質)

 

キーワードの説明は第1パラグラフ前半に出てくる

  • 専門用語が分からないのはネイティブも同様である。そのため、著者は専門用語をキーワードにして英文を書く場合は、必ず第1パラグラフ前半(キーワードが出てくる前に導入がある場合も、遅くともそのキーワードが出てきた直前・直後)で、そのキーワードの説明をしている。
  • パッセージの早い段階で出てくるため、これを見逃す人もいるが、そうなるとその後の内容の理解は厳しくなる。
  • 第1パラグラフ前半で出てくるキーワードの説明を見逃さないようにすることは重要である
本文の難易度が高すぎる場合

本文の難しい場合、設問は易しい

  • IELTSリーディングでは、本文が難しいときは、設問は簡単で、本文が易しいときは、設問は難しく作られることが多い。これで難易度のバランスを取っていると考える。
  • 本文を読み始めて「単語が難しい」「テーマに全く知識がない」「内容が抽象的」など「難しい」と感じた場合、「本文が難しいときは、設問は素直なことが多い」ということを思い出すと良い。例えば、パラフレーズが使われていないとか、固有名詞などで関連箇所が探しやすいとか、紛らわしい選択肢がなくて、簡単に絞れたりなど。
  • 従って本文が難解でも、分からないなりに読んでいけば、何とか解答できることが多い。あきらめないで、食らいつくことが大事
  • その結果、「全く手応えがなかったが、結果を見ると思った以上に正解できている」ということがよく起こる。

 

本文が易しい場合、設問文で油断しない

  • 逆に本文が読みやすい文章がある。身近なコンピュータの話題だったり、有名人の伝記だったり。こういう文章はわりとスラスラ読めることが多い。
  • しかし、こういうときは要注意。設問に引っ掛け問題が多めに含まれている傾向がある。紛らわしいパラフレーズ、単数形と複数形の違い、助動詞の在り無し、比較級と最上級といった細部を見逃すと、間違ってしまうような設問が含まれることが多い。
  • その結果、「読めたし手応えがあったのに、結果を見ると思った以上に悪かった」ということがよく起こる。
  • 本文を読み始めて「分かる」「読みやすい」と感じたときは逆に、設問文を慎重に引っ掛けに掛からないように進めていく必要がある。

 

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