4-3)IELTSリーディングの出題傾向を理解する

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リーディングにおけるIELTS対応力についてまとめていきます。

①設問タイプと出題傾向

IELTSリーディングセクションで出題される設問タイプと出題傾向についてまとめてみます。

主要6種類の設問タイプ

IELTSリーディングセクションの設問タイプは大きく6種類に分類して考えると良いです。

  • 空欄補充問題
  • TF/YN問題
  • 選択肢問題
  • リストマッチング問題
  • パラグラフ選択問題
  • Heading(パラグラフタイトル)問題

これらのタイプに応じて少しずつ求められてるスキルが変わるので、難易度や目指すべき水準、対策すべき内容が変わってきます。

 

空欄補充問題

  • 設問文の一部や、図や表の中に空欄があり、そこに入る単語を書き出す問題。

 

TF/YN問題

  • 本文の内容に対して設問文の内容が正しいか、間違いか、どちらとも言えないかを選ぶ問題。
  • バリエーションとして2種類ある。
    • ① True/False/Not Givenから選択するパターン
    • ② Yes/No/Not Givenから選択するパターン

 

選択肢問題

  • 設問文に対して選択肢があり、正しい選択肢を選ぶ問題。
  • バリエーションとして2種類ある。
    • ① 4つの選択肢の中から正しい1つを選ぶパターン
    • ② 5つの選択肢の中から正しい2つを選ぶパターン

 

リストマッチング問題

  • 設問文に対して、リストから正しい組み合わせを選ぶ問題。
  • バリエーションとして3種類ある。
    • ① 設問文が単独の文章で、リストが単語のパターン
    • ② 設問文が本文のサマリーで、リストが単語のパターン
    • ③ 設問文が文章の前半で、リストが文章の後半のパターン

 

パラグラフ選択問題

  • 設問文の内容が本文のどのパラグラフに記載されていたかを選ぶ問題。

 

Heading(パラグラフタイトル)問題

  • 各パラグラフのHeading(タイトル)として相応しいものを選択肢から選ぶ問題。

設問タイプ別の出題傾向

設問タイプ別の出題傾向

  • 公式問題集(アカデミック)での出題数(出題比率)は以下の通り。
公式問題集No.Test No.空欄補充TF/YN選択肢リストマッチングパラグラフ選択Heading
1919問11問8問6問6問0問
19211問11問7問6問5問0問
19311問13問4問8問4問0問
19415問11問4問6問4問0問
19Total46問(29%)46問(29%)23問(14%)26問(16%)19問(12%)0問(0%)
18116問6問0問8問10問0問
18215問16問6問3問0問0問
1837問5問7問10問4問7問
1844問8問11問12問5問0問
18Total42問(26%)35問(22%)24問(15%)33問(21%)19問(12%)7問(4%)
17111問11問9問5問4問0問
1728問13問5問9問5問0問
1739問12問7問5問7問0問
17415問10問4問0問11問0問
17Total43問(27%)46問(29%)25問(16%)19問(12%)27問(17%)0問(0%)
16110問7問6問10問0問7問
1625問19問7問9問0問0問
16314問11問4問0問11問0問
1649問13問7問5問0問6問
16Total38問(24%)50問(31%)24問(15%)24問(15%)11問(7%)13問(8%)
15117問3問10問5問5問0問
15212問4問5問9問10問0問
15312問7問4問10問0問7問
15415問16問4問5問0問0問
15Total56問(35%)30問(19%)23問(14%)29問(18%)15問(9%)7問(4%)

 

  • 過去から一貫して出題率が高いのが「空欄補充問題」(25%前後)と「TF/YN問題」(25%前後)でこの2つで全設問の約半分を占める。
  • これに続くのが「選択肢問題」「リストマッチング問題」「パラグラフ選択問題」(各15%前後)
  • 「Heading問題」(5%前後)は出題率も低く、全く出題されない回も多いが、出題されるときはまとめて出題される傾向がある。

 

②設問タイプ別の難易度

設問タイプごとの難易度をまとめます。

設問タイプごとの難易度

難易度低:空欄補充問題

  • 6種類の設問タイプのうち、最も難易度が低いのが空欄補充問題。
  • 設問の順番通りに本文に根拠となる情報が出てくるタイプであり、設問の先読みをしたうえで取得すべき情報を絞り込んだうえで本文を読むことが出来る。
  • 基本的に根拠になる箇所だけ理解していれば残りの文章は理解していなくても正解が導ける。
  • 引っ掛けになるような設問も多くない。
  • 本文の単語をそのまま書き出すだけなのでスペルミスの心配もない。
  • どのようなスコアを目指すにしても得点源にしたい設問タイプ。

 

難易度中:TF/YN問題、選択肢問題

  • 次に難易度が低いのがTF/YN問題と選択肢問題。
  • 設問の順番通りに本文に根拠となる情報が出てくるタイプであり、設問の先読みをしたうえで取得すべき情報を絞り込んだうえで本文を読むことが出来る。
  • 基本的に根拠になる箇所だけ理解していれば残りの文章は理解していなくても正解が導ける。
  • TF/YN問題は1/3の確率で正解になり、選択肢問題も4問中1問を選ぶタイプなら1/4の確率で正解、5問中2問を選ぶタイプならば7/10の確率で1問以上正解する(※)ため、当てずっぽうで回答しても一定の正解率になる。
  • ただし、設問文と本文の表現がパラフレーズされているケースが多く、そのパラフレーズが読み取れないと根拠になる箇所が見つからないこともある。
  • TF/YN問題については、Not Givenの捉え方を勘違いしている受験生も多く、その場合正解を見てもFalseとNot Givenの違いなどが納得できない場合がある。
  • 選択肢問題は、選択肢が長いと設問先読みに時間を取ることと、引っ掛けの選択肢が出てくることから苦手な受験生もいる。4問中1問を選ぶタイプと、5問中2問を選ぶタイプでは、後者の方が読むべき選択肢が多い分、難易度が高い。

※2問とも不正解になる確率が3/5×2/4=3/10なので、1問または2問正解になる確率は7/10

 

難易度高:リストマッチング問題、パラグラフ選択問題、Heading問題

  • リストマッチング問題、Heading(パラグラフタイトル)問題、パラグラフ選択問題がもっとも難易度が高い。
  • 必ずしも設問の順番通りに本文に根拠になる情報が出てくるわけではないため、設問を先読みした上で取得する情報を絞って読むような読み方がしにくい
  • 本文の根拠になる箇所だけを理解すればよいわけではなく、パラグラフ全体やパッセージ全体の文脈、論理構成の理解が必要な問題が多くなる。
  • 選択肢が多いため当てずっぽうで選択したときに正解になる確率は低い
  • 最初の方の設問で間違った選択肢を選んでしまった場合、残りの設問はそれ以外の選択肢から選んでいくことになるので連鎖的に不正解が続きやすくなる
設問タイプごとに目指す水準

出題の比率と難易度から、目指すスコアごとに以下のような正解率を目指すと良い。

目標スコア空欄補充TF/YN選択肢リストマッチングパラグラフ選択Heading合計
平均出題率25%25%15%15%15%5%
平均出題数10問10問6問6問6問2問40問
難易度
リーディング7.0目標正解率9割8割8割7割7割7割
目標正解数9問8問4問4問4問1問30問
リーディング6.5目標正解率8割8割8割6割6割6割
目標正解数8問8問4問3問3問1問27問
リーディング6.0目標正解率8割7割7割4割4割4割
目標正解数8問7問4問2問2問0問23問
  • リーディングスコア7.0を目指す場合
    • 以下の正解率が確保できると合計30問正解で7.0に届く
    • 難易度低の「空欄補充問題」で正解率9割
    • 難易度中の「TF/NY問題」「選択肢問題」で正解率8割
    • 難易度高の「リストマッチング問題」「パラグラフ選択問題」「Heading問題」で正解率7割
  • リーディングスコア6.5を目指す場合
    • 以下の正解率が確保できると合計27問正解で6.5に届く
    • 難易度低の「空欄補充問題」で正解率8割
    • 難易度中の「TF/NY問題」「選択肢問題」で正解率8割
    • 難易度高の「リストマッチング問題」「パラグラフ選択問題」「Heading問題」で正解率6割
  • リーディングスコア6.0を目指す場合
    • 以下の正解率が確保できると合計23問正解で6.0に届く
    • 難易度低の「空欄補充問題」で正解率8割
    • 難易度中の「TF/NY問題」「選択肢問題」で正解率7割
    • 難易度高の「リストマッチング問題」「パラグラフ選択問題」「Heading問題」で正解率4割

 

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