
まずはIELTSという試験が持つ特徴と、いくつかの選択肢について理解しておきましょう。
①IELTSの試験特性
4セクションのカバーが必要
IELTSでは4つの力が評価される
- リスニング(Listening)
- リーディング(Reading)
- ライティング(Writing)
- スピーキング(Speaking)
TOEICとの違い
- TOEICは主に リスニング と リーディング の力を測る試験。
- 一方、IELTSでは ライティング と スピーキング の準備も必要。
- そのため、TOEICに比べるとより多くのセクションをバランスを取って学習する必要があり、目標スコアを達成するまでに時間がかかることがある。
「知識」よりも「スキル」評価
IELTSは「知識」よりも「スキル」を問う試験
- 「単語の意味を答える」ような知識中心の問題は出題されない。
- 「英文の必要な情報を正しく読み取る力」「正しい発音で英文を流暢に話す力」などスキルの習熟度が問われる試験。
「暗記」に加えて「反復トレーニング」型学習が必要
IELTS対策のメインは「知識の詰め込み」ではなく「スキル化のためのトレーニング」
- 他の資格試験や大学受験のように 知識を詰め込むだけではスコアは上がらない。
- もちろん前提知識としての暗記は絶対的に必要。ただし従来の「暗記型」のみで終わる学習法では不十分。
- 「知っている」で終わらせず、無意識に使いこなせる状態(スキル化)にすることが必要。
- そのために必要なのは反復して「体に染み込ませるトレーニング」「実践演習の比重を高くする学習」。
②アカデミック VS ジェネラル
両モジュールの違い
共通の箇所
- 「リスニング」「ライティングTask2」「スピーキング」はどちらのモジュールも同じ問題が出題される。
- モジュールによって異なるのは「リーディング」と「ライティングTask1」。
リーディングの違い
| アカデミック | ジェネラル | |
| 出題形式 | アカデミックな内容の長文が3つ (分量が多く、最後まで読めない人も多い) |
広告文などの短文が4つと、長文が1つ (分量は少な目で、時間が余る人もいる) |
| 文章の難易度 | 難しい | 易しい |
| スコア基準 | 同じスコアならジェネラルよりも少ない正答数で良い (40問中30問正解で7.0) |
同じスコアならアカデミックよりも多い正答数が必要 (40問中34問正解で7.0) |
ライティングTask1の違い
| アカデミック | ジェネラル | |
| Task1出題形式 (Task2は同じ) |
図表(グラフや地図など)の客観的な説明(150ワード以上) | シチュエーションに応じた手紙(150ワード以上) |
アカデミックが向いている人
リーディング
- 学術的な内容をざっと素早く読んで概要を掴むのが得意な方。
- リーディングで7.5以上を目指したい方(ジェネラルだとほぼミスが許されないため7.5以上を目指すのが難しくなる)。
ライティング:
- グラフや地図の情報を読み取るのに苦手意識がない方。
- 自分でストーリーを作るのは苦手だが、与えられたものを客観的に説明するのは得意な方。
ジェネラルが向いている人
リーディング:
- 速読は苦手だが、ゆっくり読めば確実に理解できる方。
- 日常的に出てくる話題は理解できるが、科学・歴史といった専門的・学術的な内容に苦手意識がある方。
ライティング:
- 普段から英語の手紙やメールを書き慣れている方。
- グラフを見ても、そこから何が言えるか読み取れないグラフアレルギーの方。
③ペーパー受験 VS コンピュータ受験
両形式の違い
共通の箇所
- 「スピーキング」はどちらの試験形式も試験官との対面で行われるため違いはない。
- 「リスニング」「リーディング」「ライティング」は試験形式により以下の違いがある。
リスニングの違い
| ペーパー受験 | コンピュータ受験 | |
| 音源の聴き取り | スピーカー (会場によって音質に差がある) |
ヘッドフォン |
| 問題閲覧 | 問題冊子全体を自由に見渡せる | セクションごとに画面をスクロール |
| メモの取り方 | 問題用紙に書き込み可能 | パソコンのメモ機能 配布されたメモ用紙 |
| 回答方法 | 問題用紙にメモ⇒答案用紙に鉛筆で転記 | 画面上にキーボードで入力 |
| 回答時間 | 音声終了後に10分間 | 音声終了後に2分間 |
リーディングの違い
| ペーパー受験 | コンピュータ受験 | |
| 問題閲覧 | 問題冊子を前後に行き来して閲覧 | 同一画面に本文と問題を分割表示可能 |
| メモの取り方 | 問題用紙に直接書き込み可能 | 画面上でハイライト・メモ可能 配布されたメモ用紙 |
| 回答方法 | 問題用紙にメモ⇒答案用紙に鉛筆で転記 | 画面上にマウス・キーボードで入力 |
ライティングの違い
| ペーパー受験 | コンピュータ受験 | |
| 回答方法 | 答案用紙に手書きで記述 (タイピングが苦手ならばキーボードよりも速い) |
画面上にキーボードで入力 (タイピングが得意ならば手書きよりも速い) |
| 内容の調整 | 書き直し・追記が必要 | コピー&ペーストが可能 |
| 文字数の管理 | 自分でカウントする | リアルタイムで文字数を確認できる |
| リスク | 字が汚いと採点者が正確に読み取れずスコアに影響するリスクがある Task1とTask2を逆に記載してしまうリスクがある |
特にリスクはない |
受験環境の違い
| ペーパー受験 | コンピュータ受験 | |
| 受験機会 | 原則土日のみ | 土日・平日両方で受験機会がある |
| 試験結果 | 2週間後に出る | 1週間以内に出る |
ペーパー受験が向いている人
リスニング:
- 手許の問題用紙に直接メモを取りながら聴きたい方。
リーディング:
- コンピュータの画面上で英語の長文を読むことに慣れていない方。
- 問題用紙にメモを書き込みながら読みたい方。
ライティング:
- ブラインドタッチに慣れていない方。
コンピュータ受験が向いている人
リスニング:
- スピーカーで聞くと、隣の人の音などで気が散ったりして、集中して聴けないという方。
リーディング:
- 普段からコンピュータの画面で英語の長文を読むのに慣れている方。
ライティング:
- ブラインドタッチに慣れている方(手書きよりもスピードが速い)。
- 手書きの文字が汚くて判別しにくい方。
受験環境:
- 平日に受験したい方。
- 早く試験結果を受け取る必要がある方。
④再採点 VS ワンスキルリテイク
両制度の違い
| 再採点 | ワンスキルリテイク | |
| 対象スキル | 任意の1~4セクションを選択可能 | 任意の1セクションのみ |
| 実施内容 | 採点の見直し(受験はしない) | 再受験 |
| 申請期限 | テスト日から6週間以内 | テスト日から60日以内 |
| 申請条件 | 特にない | コンピュータ版のみ |
| 結果の反映 | 再採点後のスコアが正式スコアとして登録 | 新しいスコアレポートを発行 |
| 結果までの時間 | 2-21日 | 再受験後3-5日 |
再採点を利用すべきケース
再採点を実施した方が良い場合:
- 試験時の手応えから考えて明らかにスコアが低いセクションがある場合
- そのセクション(特にライティングとスピーキング)のスコアが手応え通りのスコアならば目標スコアに到達する場合
- スコア確定まで3週間以上かかっても問題ない場合
ワンスキルリテイクを利用すべきケース
ワンスキルリテイクを実施した方が良い場合:
- 3セクションは満足するスコアであったが、残り1セクションのスコアが足りず目標スコアに到達していない場合
- コンピュータ受験の場合
- 短期間でスコアの確定が必要な場合
(「1-2)IELTSの「真の難易度」「6.5/7.0の壁」を理解する」に移る)



