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IELTS学習を具体的にどのように進めていくべきか?
学習の進め方についてまとめてみます。
①学習開始~初受験までの学習
スタートダッシュで基礎を固める
- IELTS学習は大きく「試験内容の理解」⇒「基礎スキル固め」⇒「IELTS対応力の構築」といった順番で行っていく。
- 特に初期にどれだけ強固な基礎固めができるかで、その後の伸びも変わってくるので、以下のような手順でスタートしたい。
最低必要な参考書2冊を準備する
- IELTS対策を開始したら、最低限以下の2冊を購入する。
- 1.公式問題集
- 2.IELTS用単語集
- また以下は必要に応じて購入しても良い。
- 文法参考書(英語学習が久しぶりで英文法を忘れてしまっている場合)
- IELTS対策日本語参考書(公式問題集を見ても全く英語が意味不明の場合)
1.公式問題集
- 公式問題集はIELTSの過去問を集めたもの。世の中にあるどんな参考書よりも本番に近い内容なので、必ず1冊は準備する。
- ほぼ1年に1冊のペースで新規の問題集が出版されているので、とりあえず初期の段階では最新版を1冊入手すると良い。
- 最終的には研究・演習用に3冊分ぐらいは揃えたい。

2.IELTS用単語集
- どんなスコアを目指すにしても必ず1冊は必要なので最初に購入する。
- 大学受験用やTOEIC用ではなく、「IELTS用」単語集を使う。
- 市販のIELTS用単語集だけでも複数あるが、どういう選び方をするかは「どの単語集をどこまでおぼえるべきか」を参照。
文法参考書
- 英語学習が久しぶりで英文法を忘れてしまっている場合など、英文法の学習が必要になるので購入しても良い。
- お勧めの文法書は「総合英語Evergreen」と「1億人の英文法」。前者は項目ごとに体系的にまとめられた本、後者は講義形式で解説する本。お好みで好きな方1冊を選ぶ。
IELTS対策日本語参考書
- 公式問題集は全部英語で書かれているため、それを見ても書かれている内容が全く理解できない場合、補助教材として、日本語の参考書を購入してもよい。
- お勧めの参考書は簡単に読める順に「ターゲットバンド7」「新セルフスタディIELTS完全攻略」「はじめてのIELTS全パート総合対策」。
1日目:公式問題集を1回分実施する
- 公式問題集が入手できたら最初に1回分実施する。リスニングとリーディングセクションだけでOK。これでIELTSの難易度、傾向、現状のおよそのスコアを知ることが出来る。
- 初心者であればほとんどの場合、まずは単語力の欠如を感じるので、この後単語の暗記をスタートしていく。
2日目:単語暗記をスタート
- 単語はあらゆる英語学習の基礎になるため、単語の暗記を実施する。
- 入手した単語帳にある単語を1ヶ月で暗記するイメージ。正しく実施すれば1ヶ月で暗記は可能。
4日目:受験予約を入れる
- 対策開始4日目。人によっては「今日1日ぐらいサボってもいいだろう」と気の緩みが出てくる日なので、1つイベントとして、IELTSの初回受験の予約を行う。
- 初回受験はたとえ何の準備も出来ていなくても、とにかく早いうちに一度経験しておく。その理由はこちら。
- 初回受験日は、早い方が良いが、せめて単語学習を終わらせてからにしたければ1ヶ月後に設定する。
1か月目:単語と文法に集中
- 受験予約を入れた後、最初の1ヶ月は単語暗記と文法の学習に集中する。
- ここでがっつり基礎を作っておけば後が楽になる。
1か月後:初受験
- この初回受験のゴールは以下の2つ。
- 今の実力を知ること(目標とのギャップを知ること)
- 試験の雰囲気・難易度を肌で感じること
- この2つが分かれば、投資した価値は十二分以上にあったと考える。
- 気負わず、平常心で、今の実力をそのまま評価してもらう。
②初受験以降の学習
4セクションの時間配分がカギ
- IELTSは4セクションあるため、どのように時間配分するかがポイントとなる。
- セクションによって難易度に違いがあることと、満遍なく4セクションの対策を行うとリソースが分散してしまうため、1つまたは2つのセクションにリソースを集中投下するのが効果的。
- どのセクションに時間を投下するかは、目標スコアと現状のスコアによって変わってくる。
スコアのイメージ
- リスニング 5.0
- リーディング 5.5
- ライティング 4.5
- スピーキング 5.0
- オーバーオール5.0
オーバーオール5.0以下またはリーディング6.0以下であればリーディングが優先
- リーディングは意味が分からない箇所の方が多いし、リスニングはスクリプトを見ても意味が取れない箇所がある状態。
- この段階ではリーディングが優先。リスニングやアウトプット系(ライティング、スピーキング)は後回し。「読むことが出来ないものは聞くことも書くこともできない」
- 勉強時間の配分は、6割ぐらいリーディング、2割ぐらいリスニングのイメージ。

スコアのイメージ
- リスニング 6.0
- リーディング 6.5
- ライティング 5.5
- スピーキング 5.5
- オーバーオール6.0
オーバーオール5.5~6.0かつリーディング6.5以上であればリスニング対策の優先度を上げる
- リーディングが6.5を越えていて、リスニングが6.5に届いていない場合は、リスニングの優先度を上げる。
- リーディングは一度基礎力がつけば割と力は落ちにくいので思い切って減らしてOK。
- またリーディングの割合を落とした分、アウトプット系(ライティング、スピーキング)の割合も増やす。
- 勉強時間の配分は、リスニングが5割、ライティングが3割、リーディングとスピーキングが1割ずつ、ぐらいのイメージ。

スコアのイメージ
- リスニング 6.5
- リーディング 6.5
- ライティング 5.5
- スピーキング 5.5
- オーバーオール6.0
オーバーオール5.5~6.0かつリスニング・リーディングどちらも6.5以上であればアウトプット系(ライティング、スピーキング)対策の優先度を上げる
- リスニング、リーディングともに6.5に達しているので、さらにアウトプット系の比率を高めていく。
- とはいえ、リスニングはトレーニングを中断するとスコアも落ちやすいので、リーディングほどは比率を落とさない。
- 勉強時間の配分は、ライティング4割、リスニング3割、スピーキング2割、リーディング1割ぐらいのイメージ。

スコアのイメージ
- リスニング 6.5
- リーディング 7.0
- ライティング 5.5
- スピーキング 6.0
- オーバーオール6.5
オーバーオール6.5以上であればアウトプット系(ライティング、スピーキング)が優先
- この段階でほとんどの方のネックになるのがライティングかスピーキング。
- 特にIELTSのライティングは最難関であるうえ、覚えるべきことも多いため時間がかかる。
- オーバーオール7.0を目指したいのであれば、勉強時間の大半をライティングに注ぎ込む。
- 勉強時間の配分は、リスニング2割、リーディング1割、ライティングとスピーキングを合わせて7割、ぐらいのイメージ。

③試験直前にすべき学習
ゴールから逆算して考える
- 受験日という明確なゴールに対して、逆算して計画を作っていく。
ラスト1週間に気を付けるのは「体」「精神」「脳」の状態
- 体調を管理し、良い体調で本番を迎える。体調が悪いと本番では集中できない。
- 自信を保ち、良い精神状態で本番を迎える。「自分が知らないことがある」と思うと不安になるので、特にラスト1週間は新しいことに手を出すのは控え、これまでの復習を中心に行う。
- 脳を英語モードにして本番に突入する。英語を聴く時間、しゃべる時間をなるべく長く取る。
リスニング基礎トレーニングは1週間おきに入れる
- リスニングは、本番に向けたコンディション作りが重要。そのコンディション作りで重要なのがシャドーイング。
- 100%シャドーイングを1週間実施するとその後2日ぐらい音が非常にクリアに聞き取れる状態が持続する。
- 2度目の100%シャドーイングを1週間実施すると、今度は3-4日ぐらい効果が持続し、さらに3度目の100%シャドーイングを1週間実施すると、1週間ぐらい効果が持続する。
- この効果が維持された期間に受験するようにしていく。
試験の目的に応じて時間配分を変える
- もし現在のリーディングスコアが6.5以下で、次の試験のメインターゲットがリーディングであるならば、試験前の1週間は毎日1パッセージ読む、ということをした方が良い。長文に読み慣れておくことで、試験本番でもスムーズにリーディングに入れる可能性が高くなる。
- 逆に単語暗記などは試験直前の1週間では大きな効果はないため一旦休止する。
- 逆に既にリーディングスコア6.5以上で、次の試験のメインターゲットがリーディング以外のセクションにあるならば、試験直前にリーディング対策は不要。別のセクションに時間を優先投下する。
ライティングはノートにまとめた内容をラスト2週間で脳に叩き込む
- ライティングは設計上の注意点、構文、単語など必要な知識を試験直前の2週間で集中して一気に頭に叩きこむのがお勧め。
- そのために前半に暗記すべき内容を1冊のノートにまとめておくのがお勧め。そうすればその1冊を持っていれば移動中でも外出中でも復習出来る。
ラスト1週間は毎日1時間スピーキング暗唱を実施する
- スピーキングはラスト1週間が勝負。スピーキング脳を作ることができると、英語が口から出てきやすくなる。
- スピーキング脳は「1週間英語をしゃべり続ける」ことで作られる。だから試験直前の1週間は毎日1時間は口で英語をしゃべり続ける。しゃべる内容は準備したスクリプト。口に出しながら内容を暗記していく。
- そのためには前半でスクリプトを準備しておく。1日2問分ずつスクリプトを作ると1カ月で60問分のスクリプトが完成する。
ラスト1か月の学習スケジュール例
- これらを考慮して作成した試験前ラスト5週間の学習計画は以下の通り。
| 1週目 | 2週目 | 3週目 | 4週目 | 5週目 | |
| 平日朝(自宅) | 単語復習 | シャドーイング | 単語復習 | シャドーイング | スピーキング発声 |
| 平日朝(移動時間) | リスニング多聴 | 単語復習 | リスニング多聴 | ライティングノート暗記 | リスニング多聴 |
| 平日夜(移動時間) | 文法復習 | 文法復習 | ライティングノート暗記 | ライティングノート暗記 | ライティングノート暗記 |
| 平日夜(自宅) | スクリプト作成
ライティングノート作成 |
スクリプト作成
ライティングノート作成 |
スクリプト作成
ライティングノート作成 |
ライティングノート暗記 | スピーキング発声 |
| 休日の午前 | 過去問リスニング(実践+研究) | 過去問リスニング(実践+研究) | 過去問リスニング(実践+研究) | 過去問リスニング(実践+研究) | IELTS(受験) |
| 休日の午後 | 過去問リーディング(4度読み) | 過去問リーディング(4度読み) | 過去問リーディング(4度読み) | 過去問リーディング(4度読み) | IELTS(受験) |
④学習スケジュールの作成
学習スケジュールを作成する意味
- 学習スケジュールを作る段階で多くの人は「残り時間の少なさ」に気付ける。1カ月あると思っても、実際の学習時間は100時間程度しかない、といったことも、学習スケジュールを作ってみないと気づけない。
- そして残り時間が少ないことに気付けると「何を優先すべきか」についてより戦略的に、より現実的に考えることが出来る。必要と思うことをすべてやっていたのでは時間がいくらあっても足りないことが実感できる。
- 学習スケジュールを作っておくことで、毎日「今日は何をしようか」と考える時間と手間を削減でき、迷いなく学習に入ることができる。
- 試験日が近づいてくると「あれもやらなければ」「これもやらなければ」という焦りの感情が生まれて、結局腰を落ち着けた学習が出来なくなる。そのときに過去の学習履歴が可視化されていれば、「すでに実施できている」という安心材料にもなるし「これだけやってきた」という自信にもなる。
学習スケジュールは可能な限り細かめに作る
- 細かく作る方が断然やる気を維持し、確実に予定を消化できる。
- 例えば「7月17日の21時から23時の間に、〇〇という参考書の100ページから120ページまでを理解する」というレベル感。
- スケジュール表のイメージは以下の通り。

計画が崩れる原因:予定の詰め込み過ぎ
- 学習計画を立てるときはモチベーションが高い状態なので、欲張って予定を詰め込み過ぎてしまう。しかし、詰め込み過ぎた計画は3日ほどで破綻する。
継続のコツ:3日目に予定を見直す
- 対策としては、学習を開始して3日目に一度計画を見直すことを最初から予定しておく。3日経てば自分が当初作った計画が妥当なものか、詰め込み過ぎかは分かる。
- 詰め込み過ぎだと認識した場合は、ただちに現実的な計画に軌道修正する。
- 1日の学習量を減らすには、何を捨てて、何に集中するのかの「優先度」をつけ取捨選択する必要がある。
計画が崩れる原因:突発的な予定が入る
- 仕事の残業、先輩や友達の誘い、家族や自身の急病、などの出来事は突然やってくるもの。これらは100%は回避できない。
- ここで計画が消化できないと、次の日以降の予定もリカバリーできなくなる。
継続のコツ:予備日を入れておく
- これに対する解決策は、あらかじめ学習計画に「予備日」を設けておくこと。週1日は最初から「予備日」に設定しておく。
- 学習計画が消化できなかった場合、予備日を使ってリカバリーする。逆に、計画通りに消化出来た場合は、その予備日は休息にしても良いし、次の週の計画を先取りをしても良い。
- また、週1日だけ予備日があることで、計画外で時間を使うのは週1回まで、という自分自身への歯止めにもなる。頼まれた仕事を際限なく受け付けてしまう、1日休息したら次の日も休息したくなる、といった行動にストップをかける効果もある。
(「1-7)結果が出せる「マインドセット」と「学習技術」を持つ」に移る)




