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目次
①Task2の設問パターン
Task2の設問は大きく4つに分かれます。
- Argument
- Outweigh
- Discussion
- 2Questions
これらのタイプに応じて設計が変わってきます。
Argument
- 「賛成か反対か」を問われる問題
- 典型的な設問は以下の形
- To what extent do you agree or disagree?
- Do you agree or disagree?
Outweigh
- 「長所と短所のどちらが大きいか」を問われる問題
- 典型的な設問は以下の形
- Do the advantages outweigh the disadvantages?
- Is this positive or negative development?
Discussion
- 2つの意見を提示されて、両者のディスカッションと自身の意見を求められる問題
- 典型的な設問は以下の形
- Discuss both views and give your opinion.
2Questions
- ある現象に対して、原因、影響、解決策などのうちの2つを問われる問題
- 組み合わせによって主に以下の4つがある
- 「原因」と「影響」を問われる「Cause+Effect」
- 「結果」と「影響」を問われる「Result+Effect」
- 「原因」と「解決策」を問われる「Cause+Solution」
- 「結果」と「解決策」を問われる「Result+Solution」
- 典型的な設問は以下の形
- What are the causes?(原因)
- What effects can be seen?(結果・影響)
- Suggest at least one possible solution.(解決策)
4種類の出題頻度
- 割とバラバラで、Outweighだけがやや少ないが、残りの3つは均等に出題される。
- 4種類のどれにも当てはまらない形式も出題実績はあるがその出題は稀
②Task2のフォーマット
Task2の基本構成は4段落構成
- 第1段落:Introduction(ポジションとアウトラインを説明)
- 第2段落:Body1(サポーティングアイデアを説明)
- 第3段落:Body2(サポーティングアイデアを説明)
- 第4段落:Conclusion(結論と理由を説明)
- それぞれの段落はさらに全部で19の役割を持ったステップで構成される。
| 段落 | ステップ | 記載内容 | |
| 第1段落:Introduction | ①背景/問題提起 | このエッセイのテーマ | |
| ②ポジション+アウトライン | 自分の立場+この後のBody1とBody2での展開の仕方 | ||
| 第2段落:Body1 | ③トピックセンテンス | Body1で書く内容の予告 | |
| サポーティングアイデア1 | ④概要 | ③をサポートする1つ目の事実・理由 | |
| ⑤説明 | ④をさらに理由・結果・具体例・引用などで展開したもの | ||
| ⑥リンク | ⑤の内容を④に紐付ける | ||
| サポーティングアイデア2 | ⑦概要 | ③をサポートする2つ目の事実・理由 | |
| ⑧説明 | ⑦をさらに理由・結果・具体例・引用などで展開したもの | ||
| ⑨リンク | ⑧の内容を⑦に紐付ける | ||
| ⑩まとめ | Body1で述べた内容のまとめ | ||
| 第3段落:Body2 | ⑪トピックセンテンス | Body2で書く内容の予告 | |
| サポーティングアイデア1 | ⑫概要 | ⑪をサポートする1つ目の事実・理由 | |
| ⑬説明 | ⑫をさらに理由・結果・具体例・引用などで展開したもの | ||
| ⑭リンク | ⑬の内容を⑫に紐付ける | ||
| サポーティングアイデア2 | ⑮概要 | ⑪をサポートする2つ目の事実・理由 | |
| ⑯説明 | ⑮をさらに理由・結果・具体例・引用などで展開したもの | ||
| ⑰リンク | ⑯の内容を⑮に紐付ける | ||
| ⑱まとめ | Body2で述べた内容のまとめ | ||
| 第4段落:Conclusion | ⑲結論+理由 | 自分の立場+Body1,2の内容を踏まえ立場を決めた理由 | |
※⑥⑨⑩⑭⑰⑱は必要なければ省略可能
19ステップでの展開例
設問:子どもは、家事の手伝いを義務づけられるべきだ。どの程度、賛成か反対か?(Argumentタイプ)
第1段落:Introduction
- ①背景/問題提起:家事は技術が発達した今も重労働である。そこで子供は家事を手伝うべきだという意見がある。
- ②ポジション+アウトライン:この考えにどちらかというと賛成である。いくつかの問題もあるが、メリットの方が大きい。
第2段落:Body1
- ③トピックセンテンス:子供に家事をさせるとデメリットがあるのは事実。
- ④アイデア1概要:最初の問題は効率性である。
- ⑤アイデア1説明:例えば洗濯機を使うにも子供に使い方を教えるよりも親がやった方が早い。
- ⑦アイデア2概要:子供が家事をすると危険だったり事態を悪化させることがある。
- ⑧アイデア2説明:子供が料理を手伝うと怪我をするかもしれない。
第3段落:Body2
- ⑪トピックセンテンス:子供に家事をさせるとメリットもある。
- ⑫アイデア1概要:子供が家事をマスターすると親の負担が減る。
- ⑬アイデア1説明:テーブルを拭くような簡単な仕事でも手伝えばその分、親の家事の時間は減る。
- ⑮アイデア2概要:子供も家事をマスターすれば将来役立つ。
- ⑯アイデア2説明:大人になればだれでも家事が必要で、そのスキルを子供のときに持っておけば役立つ。
第4段落:Conclusion
- ⑲結論+理由:デメリットもあるが、これは短期的なもので、長期的に見ればメリットの方が大きいため、子供に家事をさせるべきという意見にどちらかというと賛成である。
ポジションとBodyの書き方には2つのスタイルがある
- ワンサイド:例えば賛成のポジションならば賛成の理由しか書かない方式。Body1でもBody2でも賛成の理由だけを説明する。
- バランス:例えば賛成のポジションであっても反対・賛成双方の理由を書く方式。賛成のポジションの場合は、Body1で反対の理由を説明したあとにBody2で賛成の理由を説明する。

ワンサイドとバランスのどちらで書くべきか
- 基本的にはこの後説明するどの設問のタイプかによって、どちらのスタイルで書くべきかが変わる。
- どちらでも書ける設問タイプの場合はバランスで書いた方が深い議論になるし、ボリュームも増やしやすいので、お勧め
バランスで書く場合、賛成理由と反対理由どちらを先に書くか
- 自分のポジションと反対サイドの理由をBody1で、自分のポジションと同じサイドの理由をBody2で書くのがシンプル。
- 「どちらかというと賛成」というポジションならBody1:反対する理由⇒Body2:賛成する理由という順番で展開していく。
- 逆で書くとどうしてもBody2の展開が複雑になってしまう。
③Task2 Argument対策
設問の「形」で2つのタイプに分かれる
- 程度付きタイプ:「To what extent」がついた「To what extent do you agree or disagree?」という設問になる。
- このタイプでは「どの程度」まで回答することが必須。「どの程度」が書かれていないとTask Responseの評価でマイナスとなる。
- このため「強く賛成」「どちらかというと賛成」「どちらかというと反対」「強く反対」の4つのポジションが考えられる。
- 「強く賛成」「強く反対」のポジションで書く場合はワンサイドの記載が基本となる。「強く」と言っているぐらいなので逆の理由は考えられない、という前提。
- 「どちらかというと賛成」「どちらかというと反対」のポジションで書く場合はバランスの記載が基本となる。「どちらかというと」と言っているぐらいなので両者の理由が考えられる、という前提。
- 程度無しタイプ:「To what extent」がつかない「Do you agree or disagree?」という設問になる。
- このタイプの場合は「どの程度」を述べる必要はない。
- このため「賛成」「反対」の2つのポジションが考えられる。
- どちらのポジションで書く場合もワンサイドの記載が基本となる。

設問の「論点」で3つのタイプに分かれる
- 設問の論点によりサポーティングアイデアや展開の仕方が変わってくるため3つのタイプに分類して考える。
- ①目的と手段タイプ:「AのためにBを行うべき」といった目的に対して手段が提示され、その手段に対して賛成か反対かを問われる問題。
- ②比較タイプ:「AよりもBが良い」という比較した考えが提示され、その考えに対して賛成か反対かを問われる問題。
- ③単純タイプ:「Aであるべき」という1つの考えが提示され、その考えに対して賛成か反対かを問われる問題。
①目的と手段タイプ
設問例:世界の環境問題を解決する最も良い手段は、政府が燃料の価格を上げることである。どの程度賛成か反対か?
⇒「世界の環境問題解決」という目的が明記され、その手段として「政府による燃料値上げ」が提示されており、その手段に対して賛成・反対が問われている。よって「目的と手段タイプ」と判断する。
- 論点:このタイプの設問の論点は「目的に対してその手段を実施すべき VS. 実施すべきでない」
- サポーティングアイデア:「目的に対して」良いか悪いかを論じていく。「目的」に無関係なサポーティングアイデアを用いることは出来ない。
- 汎用性が高いアイデアの切り口:このタイプでは以下の4つの切り口がどんな設問でも使いやすい。
| アイデアの切り口 | 実施すべき理由 | 実施すべきでない理由 |
| ①直接的な効果 | 効果が見込める | 効果が薄い・限定的 |
| ②間接的な効果 | 副次的効果が見込める | 良くない副作用がある |
| ③手段の正当性 | 需要が見込める | より有効な手段がある |
| ④手段の実現性 | 簡単に実施できる | 現実的でない |

②比較タイプ
設問例:芸術・音楽・美術館への政府の投資はお金の無駄である。政府はその代わりに公共サービスに投資すべきである。どの程度賛成か反対か?
⇒投資の目的は述べられておらず、かつ「芸術への政府の投資」と「公共サービスへの投資」という2つの概念の比較を含んだ考えに対して賛成・反対を問われている。よって「比較タイプ」と判断する。
- 論点:このタイプの設問(AよりもBが良い)の論点は「Aの利点 VS. Bの利点」。Aの利点が大きければ反対のポジションとなり、Bの利点が大きければ賛成のポジションとなる。
- サポーティングアイデア:「利点」に関して論じていく。
- 汎用性が高いアイデアの切り口:このタイプでは以下の9つの切り口がどんな設問でも使いやすい。
| アイデアの切り口 | 利点のアイデア例 |
| ①コスト | コストを減らす |
| ②時間・利便性 | 時間が削減できる 利便性が高まる |
| ③安全・リスク | 安全にする 健康にする 環境を良くする |
| ④成長・教育 | スキルをつけられる 自律を促す |
| ⑤他人への影響 | 住民に役立つ 次世代に役立つ |
| ⑥経済 | 収入を増やす 雇用を増やす |
| ⑦選択肢 | 選択肢を増やす |
| ⑧公平性 | 公平である |
| ⑨伝統・倫理 | 伝統を保存する |

③単純タイプ
設問例:ある人たちは紙の新聞は不要だと考えている。どの程度賛成か反対か。
⇒紙の新聞を廃止する目的は述べられておらず「紙の新聞は不要」という単独の考えに対して賛成、反対を問われている。よって「単純タイプ」と判断する。
- 論点:このタイプの設問の論点は挙げられた考えに対しての「利点 VS. 欠点」という論点で展開出来ることが多い。「利点 VS. 欠点」で展開出来ない場合もあるので、その場合は純粋に「賛成理由 VS. 反対理由」の比較をしていく。
- サポーティングアイデア:「利点」「欠点」に関して論じていく。
- 汎用性が高いアイデアの切り口:このタイプでは以下の9つの切り口がどんな設問でも使いやすい。
| アイデアの切り口 | 利点のアイデア例 | 欠点のアイデア例 |
| ①コスト | コストを減らす | コストがかかる |
| ②時間・利便性 | 時間が削減できる 利便性が高まる | 時間が取られる 利便性が下がる |
| ③安全・リスク | 安全にする 健康にする 環境を良くする | 治安を悪化させる 健康に悪い 環境を破壊する |
| ④成長・教育 | スキルをつけられる 自律を促す | 依存心を育てる 子どもに害がある |
| ⑤他人への影響 | 住民に役立つ 次世代に役立つ | 他人の負担を増やす 他人を邪魔する |
| ⑥経済 | 収入を増やす 雇用を増やす | 雇用を奪う |
| ⑦選択肢 | 選択肢を増やす | 選択肢を狭める |
| ⑧公平性 | 公平である | 格差を広げる |
| ⑨伝統・倫理 | 伝統を保存する | 景観を壊す 非倫理的である |

4つのパターンでサポーティングアイデアを展開する
- 各Bodyの中は、最初にトピックセンテンスを書いて、その後に2つのサポーティングアイデアを書いていく。
- サポーティングアイデアは、最初に結論にあたる「概要」を記載して、その後にその概要をより詳しく「説明」で展開していく。
- 日本語では「前提 ⇒ 結論」という流れが一般的だが、英語の場合は、必ず結論から入り、あとからその説明を付け加えていくスタイルになる。「概要」で前提を記載してしまう人が多いので注意。
- 「説明」での展開は4つのパターンのいずれかで行う。
- それはなぜか(理由の説明)
- それがどのように良い・悪いのか(結果の説明)
- 具体的にはどのようなものか(具体例を使った説明)
- それをサポートするデータがあるか(引用を使った説明)

バランス記載時に必要な結論での比較
- バランスで記載の場合、Body1とBody2が「利点」と「欠点」という真逆の内容になる。つまり「利点」も「欠点」も両方あるという主張になるため、ここから最後に「利点の方が大きい」あるいは「欠点の方が大きい」という結論に持っていくためには「利点」と「欠点」を比較しなければならない。
- 1つのエッセイの中で、反対意見も賛成意見も書いているにもかかわらず、最後にその両者の比較をしたうえで反対意見よりも、賛成意見が大きいという理由がなければ、「どちらかというと賛成」というポジションに説得力がなくなる。
比較するなら同じ土俵で比較する
- その反対意見と賛成意見を比較する際は、同じ土俵で比較しなければ比較不能となる。
- 例えば「利点は一時的にしか存在しないが、欠点は長期間継続する。だから反対だ。」といった比較であれば、利点と欠点を同じ「影響の継続時間」というモノサシで比較していることになるので分かりやすい。
- 「恩恵を受ける人は政治家だけだが、損害を被るのは市民である。だから反対だ。」といった比較であれば、恩恵と損害を同じ「影響を受ける人」というモノサシで比較しているので分かりやすい。
- しかし「利点は一時的にしか存在しないが、被害を被るのは市民である。だから反対だ。」といった内容だと同じ土俵で利点と損害を比較していないので比較不能となる。
結論の比較で使える汎用的な土俵
- いざ比較しようとしても簡単に比較の土俵は思いつかない。
- そのため、どんな設問でも使える可能性が高い汎用性の高い比較の土俵(モノサシ)の切り口をあらかじめ暗記しておき、それをベースに設計していくと良い。
- 以下9つのモノサシを暗記しておけば、比較出来ることが多い。
| モノサシ | 表現 | モノサシが使える条件 |
| ①短期長期 | (Body1の影響)は一時的にしか現れないが、(Body2の影響)は長期的に継続するので、(賛成/反対)である | Body1の影響が短期的・一時的にしか成立しない場合 |
| ②過去現在 | (Body1の影響)は過去は成立したが、現在は当てはまらないのに対して、(Body2の影響)は現在も影響があるので、(賛成/反対)である | Body1の影響が過去にしか成立しない場合 |
| ③人数 | (Body1の影響)を受ける人は(特定の職業・年齢層)に限られるのに対して、(Body2の影響)を受ける人はより幅広いので、(賛成/反対)である | Body1の影響を受ける人が特定の職業・年齢層に限定される場合 |
| ④確率 | (Body1の内容)が起こる確率は低いが、(Body2の内容)は確実に起こるので、(賛成/反対)である | Body1の内容が起こる確率が低い/不透明な場合 |
| ⑤代替性・深刻度 | (Body1の利点)は他の手段で代替できる程度だが、(Body2の欠点)は深刻過ぎるので、反対である | Body1が利点、Body2が欠点であり、かつBody1の利点が他の手段で代替できるような利点、Body2の欠点が深刻な欠点の場合 |
| ⑥理論と実際 | (Body1の影響)は理論上は考えられるが、実際は(Body2の影響)のようになるので、(賛成/反対)である | Body1とBody2が同じアイデアの切り口であり、かつBody1の内容が机上の空論で現実味がない場合 |
| ⑦欠点の解消 | (Body1の欠点)は~のように解消する手段があるが、(Body2の利点)は他の手段では得られないものなので、賛成である | Body1が欠点、Body2が利点であり、かつBody1の欠点に対して解消する手段がある場合 |
| ⑧限定ワードの否定 | (Body1の内容)は(唯一/すべて/常に/ベスト)とは限らないので、反対である | 設問文に限定ワード(only, every, all, always, bestなど)が入っている場合 |
| ⑨組織の役割 | (Body1の内容)は、(組織)がもつ~という役割からは優先度が下がるので、(賛成/反対)である | ある組織についての設問で、かつその組織に誰もが納得する役割を持っており、かつBody1の内容がその役割から見ると優先度が下がる場合 |



最初にポジションを決めない
- バランスで記載する場合、最初にポジションありきで設計してしまうと結論のモノサシで苦労することがある。
- まずはポジション無しでBody1、Body2で使う両サイドのサポーティングアイデア(賛成意見、反対意見)を2つずつ(合計4つ)ニュートラルに出してみる。
- その4つのサポーティングアイデアの中でどれかモノサシを使って比較できないかを考えてみる。
- その際に4つのサポーティングアイデアすべて1つのモノサシで比較できることは稀で、4つのうち、2つか3つ合致していれば良しとして、そこでモノサシを確定する。
- そのモノサシに合わせて合致していないサポーティングアイデアをモノサシに合致するように逆算して入れ替える。
- モノサシと4つのサポーティングアイデアが決まったら最後にポジションを決める。
④Task2 Outweigh対策
設問の「形」で2つのタイプに分かれる
- 比較タイプ:「The advantages of it outweight the disadvantages?」という設問になる。
- このタイプの場合は「長所よりも短所が大きい」「短所よりも長所が大きい」の2つのポジションが考えられる。
- このタイプの場合はバランスの記載が基本となる。「長所よりも短所が大きい」「短所よりも長所が大きい」と言っているぐらいなので、長所も短所もある、という前提。
- 2択タイプ:「Is this positive or negative development?」という設問になる。
- このタイプの場合は「ポジティブである」「ネガティブである」の2つのポジションが考えられる。
- このタイプの場合はワンサイドの記載が基本となる。「ポジティブかネガティブか」と聞かれているのでどちらか一方の記載で十分。

設問の「論点」は1つしかない
- Argumentは設問の形によって論点が変わったため3つにタイプを分けていたが、Outweighは設問の中で明確に「長所 VS 短所」という論点になるため設問の内容でタイプ分類の必要はない。
- ただしArgumentにない注意点として、「何と比較しての」長所と短所なのかを明確にしておかなければならない。そして比較対象にはない長所、短所を挙げる必要がある。
- 以下の9つの切り口はサポーティングアイデアは「長所」「短所」を挙げていくときに、比較的どんな設問でも使いやすい。
| アイデアの切り口 | 長所のアイデア例 | 短所のアイデア例 |
| ①コスト | コストを減らす | コストがかかる |
| ②時間・利便性 | 時間が削減できる 利便性が高まる | 時間が取られる 利便性が下がる |
| ③安全・リスク | 安全にする 健康にする 環境を良くする | 治安を悪化させる 健康に悪い 環境を破壊する |
| ④成長・教育 | スキルをつけられる 自律を促す | 依存心を育てる 子どもに害がある |
| ⑤他人への影響 | 住民に役立つ 次世代に役立つ | 他人の負担を増やす 他人を邪魔する |
| ⑥経済 | 収入を増やす 雇用を増やす | 雇用を奪う |
| ⑦選択肢 | 選択肢を増やす | 選択肢を狭める |
| ⑧公平性 | 公平である | 格差を広げる |
| ⑨伝統・倫理 | 伝統を保存する | 景観を壊す 非倫理的である |

4つのパターンでサポーティングアイデアを展開する
- OutweighでもArgumentと同様にサポーティングアイデアは「概要」で結論を記載して、「説明」で以下の4つのパターンのいずれかを使って展開する。
- それはなぜか(理由の説明)
- それがどのように良い・悪いのか(結果の説明)
- 具体的にはどのようなものか(具体例を使った説明)
- それをサポートするデータがあるか(引用を使った説明)
バランス記載時に必要な結論での比較
- バランスで記載の場合、Argumentと同様に結論で「長所」と「短所」を比較しなければならない。
- そのため、どんな設問でも使える可能性が高い汎用性の高い比較の土俵(モノサシ)の切り口をあらかじめ暗記しておき、それをベースに設計していくと良い。
- 以下9つのモノサシを暗記しておけば、比較出来ることが多い。
| モノサシ | 表現 | モノサシが使える条件 |
| ①短期長期 | (Body1の影響)は一時的にしか現れないが、(Body2の影響)は長期的に継続するので、(長所が大きい/短所が大きい) | Body1の影響が短期的・一時的にしか成立しない場合 |
| ②過去現在 | (Body1の影響)は過去は成立したが、現在は当てはまらないのに対して、(Body2の影響)は現在も影響があるので、(長所が大きい/短所が大きい) | Body1の影響が過去にしか成立しない場合 |
| ③人数 | (Body1の影響)を受ける人は(特定の職業・年齢層)に限られるのに対して、(Body2の影響)を受ける人はより幅広いので、(長所が大きい/短所が大きい) | Body1の影響を受ける人が特定の職業・年齢層に限定される場合 |
| ④確率 | (Body1の内容)が起こる確率は低いが、(Body2の内容)は確実に起こるので、(長所が大きい/短所が大きい) | Body1の内容が起こる確率が低い/不透明な場合 |
| ⑤代替性・深刻度 | (Body1の長所)は他の手段で代替できる程度だが、(Body2の短所)は深刻過ぎるので、短所が大きい | Body1が長所、Body2が短所であり、かつBody1の長所が他の手段で代替できるようなもの、Body2の短所が深刻なものの場合 |
| ⑥理論と実際 | (Body1の影響)は理論上は考えられるが、実際は(Body2の影響)のようになるので、(長所が大きい/短所が大きい) | Body1とBody2が同じアイデアの切り口であり、かつBody1の内容が机上の空論で現実味がない場合 |
| ⑦欠点の解消 | (Body1の短所)は~のように解消する手段があるが、(Body2の長所)は他の手段では得られないものなので、長所が大きい | Body1が短所、Body2が長所であり、かつBody1の短所に対して解消する手段がある場合 |
| ⑧限定ワードの否定 | (Body1の内容)は(唯一/すべて/常に/ベスト)とは限らないので、(長所が大きい/短所が大きい) | 設問文に限定ワード(only, every, all, always, bestなど)が入っている場合 |
| ⑨組織の役割 | (Body1の内容)は、(組織)がもつ~という役割からは優先度が下がるので、(長所が大きい/短所が大きい) | ある組織についての設問で、かつその組織に誰もが納得する役割を持っており、かつBody1の内容がその役割から見ると優先度が下がる場合 |

最初にポジションを決めない
- バランスで記載する場合、最初にポジションありきで設計してしまうと結論のモノサシで苦労することがある。
- まずはポジション無しでBody1、Body2で使う両サイドのサポーティングアイデア(長所、短所)を2つずつ(合計4つ)ニュートラルに出してみる。
- その4つのサポーティングアイデアの中でどれかモノサシを使って比較できないかを考えてみる。
- その際に4つのサポーティングアイデアすべて1つのモノサシで比較できることは稀で、4つのうち、2つか3つ合致していれば良しとして、そこでモノサシを確定する。
- そのモノサシに合わせて合致していないサポーティングアイデアをモノサシに合致するように逆算して入れ替える。
- モノサシと4つのサポーティングアイデアが決まったら最後にポジションを決める。
⑤Task2 Discussion対策
設問の「形」は1つのタイプしかない
- 「Discuss both views and give your own opinion.」という設問になる。
- Discussionは必ず「意見A」と「意見B」という2つの意見が出てくるが、「両者の見解」を述べることを求められているため必ず「意見A」「意見B」両サイドの見解を説明する必要がある。つまりバランス型で記載する。
Discussion特有のポジションがある
- Discussionのポジションとして以下の4つがある。
- 意見A採用:「意見Aが優れている」
- 意見B採用:「意見Bが優れている」
- 両立案:「両者同時に実行すべき」「両者同等に優れている」
- 折衷案:「ケースによって意見Aと意見Bを使い分ける」
- 特に「両立案」「折衷案」はDiscussion特有のポジションとなる。
- 「両立案」は、意見Aと意見Bが同時に成立する場合のみ使えるポジション。設問によっては同時に成立しないことも多いが、その場合は使えない。
- 「折衷案」は、意見Aと意見Bを使い分ける場合分けが出来る場合に使えるポジション。場合分けが上手く説明できない場合は使えない。

設問の「論点」で2つのタイプに分かれる
- 設問の論点によりサポーティングアイデアや展開の仕方が変わってくるため2つのタイプに分類して考える。
- ①目的と手段タイプ:「XのためにAを行うべきという意見とBを行うべきという意見がある」といった目的に対して手段が2つ提示され、その2つの手段に対して見解を問われる問題。
- ②非目的タイプ:特に目的は提示されず「Aであるべきという意見とBであるべきという意見がある」といった2つの考えが提示され、その2つの考えに対して見解を問われる問題。
①目的と手段タイプ
設問例:情報収集するベストな方法は新聞を通じてという意見がある一方、他により良い方法があると信じる人たちがいる。両者の見解とあなたの意見を述べよ。
⇒「情報収集する」という目的が明記され、その手段として「新聞を通じて」「他のより良い方法」の2つが提示されており、その2つの手段に対しての意見を問われている。よって「目的と手段タイプ」と判断する。
- 論点:このタイプの設問の論点は「目的に対して意見Aの手段を実施すべき VS. 意見Bの手段を実施すべき」
- サポーティングアイデア:「目的に対して」良いか悪いかを論じていく。「目的」に無関係なサポーティングアイデアを用いることは出来ない。
- 汎用性が高いアイデアの切り口:このタイプでは以下の4つの切り口がどんな設問でも使いやすい。
| アイデアの切り口 | 実施すべき理由 | 実施すべきでない理由 |
| ①直接的な効果 | 効果が見込める | 効果が薄い・限定的 |
| ②間接的な効果 | 副次的効果が見込める | 良くない副作用がある |
| ③手段の正当性 | 需要が見込める | より有効な手段がある |
| ④手段の実現性 | 簡単に実施できる | 現実的でない |

②非目的タイプ
設問例:ある人たちは、銀行や貯蓄制度などでお金を貯めるのが一番だと考えている。また、お金は使えるときに使うべきだと考える人もいる。両者の見解とあなたの意見を述べよ。
⇒目的は述べられておらず、「お金を貯める」「お金を使う」という2つの考えに対して意見を問われている。よって「非目的タイプ」と判断する。
- 論点:このタイプの設問の論点は「意見Aの長所 VS. 意見Bの長所」
- サポーティングアイデア:両意見の「長所」について論じていく。この際「意見Aの長所」は「意見Bにはない意見Aならではの長所」でなければならない。「意見Bの長所」を論ずる際も同様。
- 汎用性が高いアイデアの切り口:このタイプでは以下の9つの切り口がどんな設問でも使いやすい。
| アイデアの切り口 | 長所のアイデア例 |
| ①コスト | コストを減らす |
| ②時間・利便性 | 時間が削減できる 利便性が高まる |
| ③安全・リスク | 安全にする 健康にする 環境を良くする |
| ④成長・教育 | スキルをつけられる 自律を促す |
| ⑤他人への影響 | 住民に役立つ 次世代に役立つ |
| ⑥経済 | 収入を増やす 雇用を増やす |
| ⑦選択肢 | 選択肢を増やす |
| ⑧公平性 | 公平である |
| ⑨伝統・倫理 | 伝統を保存する |

4つのパターンでサポーティングアイデアを展開する
- DiscussionでもArgumentやOutweighと同様にサポーティングアイデアは「概要」で結論を記載して、「説明」で以下の4つのパターンのいずれかを使って展開する。
- それはなぜか(理由の説明)
- それがどのように良い・悪いのか(結果の説明)
- 具体的にはどのようなものか(具体例を使った説明)
- それをサポートするデータがあるか(引用を使った説明)
結論での比較
- 「意見A採用」「意見B採用」のポジションを取る場合、ArgumentのバランスやOutweighと同様に結論で「両サイド」を比較しなければならない。
- そのため、どんな設問でも使える可能性が高い汎用性の高い比較の土俵(モノサシ)の切り口をあらかじめ暗記しておき、それをベースに設計していくと良い。
- 以下9つのモノサシを暗記しておけば、比較出来ることが多い。
| モノサシ | 表現 | モノサシが使える条件 |
| ①短期長期 | (Body1の影響)は一時的にしか現れないが、(Body2の影響)は長期的に継続するので、(長所が大きい/短所が大きい) | Body1の影響が短期的・一時的にしか成立しない場合 |
| ②過去現在 | (Body1の影響)は過去は成立したが、現在は当てはまらないのに対して、(Body2の影響)は現在も影響があるので、(長所が大きい/短所が大きい) | Body1の影響が過去にしか成立しない場合 |
| ③人数 | (Body1の影響)を受ける人は(特定の職業・年齢層)に限られるのに対して、(Body2の影響)を受ける人はより幅広いので、(長所が大きい/短所が大きい) | Body1の影響を受ける人が特定の職業・年齢層に限定される場合 |
| ④確率 | (Body1の内容)が起こる確率は低いが、(Body2の内容)は確実に起こるので、(長所が大きい/短所が大きい) | Body1の内容が起こる確率が低い/不透明な場合 |
| ⑤代替性・深刻度 | (Body1の長所)は他の手段で代替できる程度だが、(Body2の短所)は深刻過ぎるので、短所が大きい | Body1が長所、Body2が短所であり、かつBody1の長所が他の手段で代替できるようなもの、Body2の短所が深刻なものの場合 |
| ⑥理論と実際 | (Body1の影響)は理論上は考えられるが、実際は(Body2の影響)のようになるので、(長所が大きい/短所が大きい) | Body1とBody2が同じアイデアの切り口であり、かつBody1の内容が机上の空論で現実味がない場合 |
| ⑦欠点の解消 | (Body1の短所)は~のように解消する手段があるが、(Body2の長所)は他の手段では得られないものなので、長所が大きい | Body1が短所、Body2が長所であり、かつBody1の短所に対して解消する手段がある場合 |
| ⑧限定ワードの否定 | (Body1の内容)は(唯一/すべて/常に/ベスト)とは限らないので、(長所が大きい/短所が大きい) | 設問文に限定ワード(only, every, all, always, bestなど)が入っている場合 |
| ⑨組織の役割 | (Body1の内容)は、(組織)がもつ~という役割からは優先度が下がるので、(長所が大きい/短所が大きい) | ある組織についての設問で、かつその組織に誰もが納得する役割を持っており、かつBody1の内容がその役割から見ると優先度が下がる場合 |

- 両立案の場合は、「両立できること」と「両者に利点があること」を説明した上で両立案の結論を書けば良い。
- 折衷案の場合は、「両サイドを使い分ける条件」を説明した上で、折衷案の結論を書く。
| 結論 | 表現 | ポジションが使える条件 |
| ⑩両立 | 両者は両立し、かつどちらも利点があることから、両者を同時に実行すべき 両者は甲乙つけ難いことから、両者は同等に重要である | 両者が「同時に成立」する場合 |
| ⑪折衷 | (A採用の条件)の場合は意見Aを採用し、(B採用の条件)の場合は意見Bを採用するべき | 両者の「使い分けの条件」が明記できる場合 |

両立できる場合は両立案優先
- モノサシの設計よりも両立案の設計が一番楽。なので、最初に「意見A」と「意見B」が両立するかを確認し、両立できる場合は最優先で「両立案」とする。
- 両立できない場合は、残る「折衷案」「意見A採用」「意見B採用」のいずれかで考える。
最初にポジションを決めない
- 「意見A」「意見B」で記載する場合、最初にポジションありきで設計してしまうと結論のモノサシで苦労することがある。
- まずはポジション無しでBody1、Body2で使う両サイドのサポーティングアイデア(実施すべき理由・利点)を2つずつ(合計4つ)ニュートラルに出してみる。
- その4つのサポーティングアイデアの中でどれかモノサシを使って比較できないかを考えてみる。
- その際に4つのサポーティングアイデアすべて1つのモノサシで比較できることは稀で、4つのうち、2つか3つ合致していれば良しとして、そこでモノサシを確定する。
- そのモノサシに合わせて合致していないサポーティングアイデアをモノサシに合致するように逆算して入れ替える。
- モノサシと4つのサポーティングアイデアが決まったら最後にポジションを決める。
⑥Task2 Two-Questions対策
1つの現象に対して2つの設問が出題される
- Two-Questionsでは必ず1つの現象に対する2つの設問が出るが、1つ目の設問についてBody1で記載し、2つ目の設問についてBody2で記載する。
設問の「形」で4つのタイプに分かれる
- Cause+Effectタイプ:1つ目の設問が「原因」について、2つ目の設問が「影響」について問われる設問になる。
- Result+Effectタイプ:1つ目の設問が「結果」について、2つ目の設問が「影響」について問われる設問になる。
- Cause+Solutionタイプ:1つ目の設問が「原因」について、2つ目の設問が「解決策」について問われる設問になる。
- Result+Solutionタイプ:1つ目の設問が「結果」について、2つ目の設問が「解決策」について問われる設問になる。
※「結果」と「影響」は同じことで現象が起こった後の内容。都合上、1問目で聞かれた場合「結果」、2問目で聞かれた場合「影響」と言い換えているだけ。

①Causeタイプ
- 汎用性が高いアイデアの切り口:このタイプでは以下の5つの切り口はどんな設問でも使いやすい。
| アイデアの切り口 | 現象をもたらす原因 |
| ①人口の変化 | 人口が増加している 少子化が進んでいる 高齢化社会になっている 核家族化が進んでいる 都心に人口が集中している 海外移住が増えている |
| ②経済の変化 | 生活水準が向上している グローバル化が進んでいる 大量消費社会になっている 環境破壊が進んでいる |
| ③技術の変化 | 医療が発展している 農業技術が発展している 交通網が発展している コンピュータ・インターネット・モバイル技術が発展している |
| ④企業の変化 | 広告が増えている 過剰包装が増えている 使い捨て商品が増えている |
| ⑤個人の変化 | 運動が不足している 食生活が変化している 女性が社会に進出している 高学歴化が進んでいる 晩婚化が進んでいる |
②Result/Effectタイプ
- 論点:このタイプの場合は「AかBか」という論点が設定されているケースと設定されていないケースがある。設定されている場合は、必ずその接点に対してストレートな回答を行う必要がある。
- 汎用性が高いアイデアの切り口:このタイプでは以下の5つの切り口はどんな設問でも使いやすい。
| アイデアの切り口 | 現象がもたらたポジティブな結果 | 現象がもたらたネガティブな結果 |
| ①経済の変化 | 経済を活性化する 雇用を創出する | 労働者不足になる 雇用不足になる 税収不足になる |
| ②環境の変化 | 安全にする | 環境を悪化させる ごみを増やす 交通渋滞を悪化させる 治安を悪化させる |
| ③流通の変化 | 供給を安定させる 物価を低下させる | 食糧不足になる 住宅不足になる エネルギー不足になる |
| ④仕事・生活の変化 | 利便性を向上させる 効率化する | 伝統・文化を破壊する 依存度を高める |
| ⑤個人の変化 | 知識を増やす 領域を拡大する 意欲を向上させる | 健康を悪化させる 体力を低下させる コミュニケーション不足になる |
③Solutionタイプ
- サポーティングアイデア:このタイプの場合は解決する対象はBody1の内容。設問で書かれている現象を解決する解決策ではないので注意。
- Cause+Solutionタイプの場合は、Body1で述べたCauseを解消する方法をBody2で記載
- Result+Solutionタイプの場合は、Body1で述べたResultを解消する方法をBody2で記載
- またそれが分かるように解決策の説明の中で、その解決策によって何が解消されるのかを記載する。
- 汎用性が高いアイデアの切り口:このタイプでは以下の4つの切り口はどんな設問でも使いやすい。
| アイデアの切り口 | 現象がもたらたポジティブな結果 |
| ①政府 | 法律を導入する・システムを確立する 課税する 投資する 啓蒙・指導する |
| ②学校・企業 | 指導・サポートする サービスを作り出す 新たな技術を開発する |
| ③親 | 指導・サポートする |
| ④個人 | 個人が意識する 個人が行動改革する |
4つのパターンでサポーティングアイデアを展開する
- 各Bodyの中は、最初にトピックセンテンスを書いて、その後に2つのサポーティングアイデアを書いていく。
- サポーティングアイデアは、最初に結論にあたる「概要」を記載して、その後にその概要をより詳しく「説明」で展開していく。
- 日本語では「前提 ⇒ 結論」という流れが一般的だが、英語の場合は、必ず結論から入り、あとからその説明を付け加えていくスタイルになる。「概要」で前提を記載してしまう人が多いので注意。
- 「説明」での展開は4つのパターンのいずれかで行う。
- それはなぜか(理由の説明)
- それがどのように良い・悪いのか(結果の説明)
- 具体的にはどのようなものか(具体例を使った説明)
- それをサポートするデータがあるか(引用を使った説明)
⑦Task2の重要構文
意見を説明する表現
- 主にIntroductionとConclusionで使う表現。
- 大きく2つの表現がある。
- ①自分の意見を述べる表現
- ②他人の意見を述べる表現
①自分の意見を述べる表現
- Iを主語にして主張を述べる述語(agree, argue, believeなど)を使った表現
- I agree with the idea that government should introduce computers to school.
- 主語にIを使わない表現
- It seems to me that government should introduce computers to school.
- In my opinion, government should introduce computers to school.
②他人の意見を述べる表現
- Some peopleを主語にした後に主張を述べる述語を使った表現
- Some people argue that government should introduce computers to school.
- 受動態を使いsome peopleを使わない表現
- It is argued that government should introduce computers to school.
事実を説明する表現
- 主にBodyで使う表現で、特に議論の始まりに使うことが多い。
- 大きく3つの表現がある。
- ①be動詞を使った第2文型の表現
- ②there is構文を使った表現
- ③その他の表現
①be動詞を使った第2文型の表現
- be動詞を使った第2文型の構文で、サポーティングアイデアの始まりに使う。
- The first advantage is that computers in school are useful for studying.
- The second disadvantage is the cost of computers.
②there is構文を使った表現
- 例や証拠を挙げるときによく使う。
- There are some cases in which the introduction of computers improved students’ performance.
③その他の表現
- 事実を示す表現はbe動詞を使った第2文型やthere is構文以外にも数多くある。
- Computers need careful maintenance.
- More computers are used in society.
因果関係の重要性
- Task2のロジック上で最もよく見られる問題が「論理が飛躍している」というケース。
- 特に因果関係を示す場合に、その前提条件に当たる情報を一切書いていないことがよくある。
- そして、このような前提条件を記載するのにとても有効なのが因果関係の表現。
例えば
- 「環境問題を解決するためには自分の国の問題を解決することが優先か、各国が足並みを揃えることが優先か?」
という設問だったときに
- 「各国で足並みを揃えた方がメリットが大きい」
という立場で書くとする。このときにいきなり
- 「国境をまたがる問題に対処できる」
みたいなメリットの書き方をしない。このメリットには重要な前提条件があって、それが
- 「各国で足並みを揃えたら」
という前提条件。文の流れによってはこの前提条件を省略しても伝わる場合があるが、省略してしまうと本当に前後の文脈がよく分からないケースもある。
因果関係を説明する表現
- Bodyのサポーティングアイデアは主にこの構文を使う。
- Task2においては一番重要で、因果関係が明確に表現できないと、内容が論理的に感じない。
- 主に3つの表現がある。
- ①従属節+主節
- ②副詞句+主節
- ③無生物主語
①従属節+主節の表現
- 因果関係を示す従属接続詞(when, if, since, because, asなど)を使って因果関係を表現する。
- 「まだ起こっていない原因」の場合
- この場合、従属節で使う接続詞は、When、If、Once。
- 原因となるものが、普通に起こりえるならWhen、起こる確率が低いものならIfとなる。Onceは一度起こると取り返しがつかないものを想定する場合に使用する。
- また、英文は既知の情報や議論の前提になる情報を前に出し、読者にとって未知の情報や議論の結論となる情報、強調したい情報を後ろに置くのが習慣なので、原則When、If、Onceを使う場合は、主節よりも従属節を前に置く。
- When government introduces computers to school, there are some benefits.
- 「すでに起こっている原因」の場合
- この場合、従属節で使う接続詞は、SinceとBecause。まだ起こっていない仮定の話をするときにSinceやBecauseを使うのは間違いなので注意。
- 従属節を主節の前に置くか、後ろに置くかは文脈に応じて適切に使い分ける。
- 読者が原因を知っていて結果を知らないので結果を強調してあげる場合はsinceを使い主節を後ろに置く。
- 読者が結果を知っていて原因を知らないので原因を強調してあげる場合はbecauseを使い従属節を後ろに置く。
例えば、「彼が努力した⇒彼の成績が良くなった」という因果関係を示す場合、読者が「彼が努力した」という原因の部分を知っており、「成績が良くなった」という結果を知らない場合、「彼が努力したので」という原因部分を結果よりも前に置き、sinceを使う。
- 例)Since he worked hard, his grades have improved.「(あなたもご存じの通り)彼は努力したので、(ご存じないと思いますが、実は)成績が良くなったんですよ。」
一方、読者は「成績が良くなった」という結果だけを知っていて、その裏にある「努力した」という原因を知らない場合、「彼が努力したので」という原因部分は結果よりも後ろに置き、becauseを使う。
- 例)His grades have improved because he worked hard.「(あなたもご存じの通り)彼は成績が良くなりましたね。で、(ご存じないと思いますが、実は)その理由は彼が努力したからなんですよ。」
- その他の場合
- AsはSinceやBecauseの代わりに使われることもあるが、As独特の意味として「~するにつれて」という意味がある。
- これは「まだ起こっていない原因」「すでに起こっている原因」の間のようなニュアンスで、この場合はAs節が主節の前に置かれることも、後ろに置かれることもある。
②副詞句+主節の表現
- 因果関係を示す副詞句(with ~, by -ing, due to, because ofなど)を使って因果関係を表現する。
- 「まだ起こっていない原因」の場合
- この場合、副詞句で使う表現は、With+名詞句、Without+名詞句、By+動名詞。
- この中で特に気を付けたいのがBy+動名詞。「~することによって」という意味で使う人も多いが、この表現は使えるときと使えないときがある。なぜなら、副詞句の中で動名詞を使う場合、動名詞の主語に当たる単語が、主節の主語に使っているときしか使えないからである。
例えば、
- (×)By working hard, his grades will improve.
は間違い。workingの主語に当たる単語はHeが適切。しかし、主節の主語はhis gradesになっており、ここで不一致が起こる。この文章を正しくするには、By workingに合わせて主節の主語をHeにするか、主節はそのままで、By workingを別の表現にするか、である。
前者の場合、例えば
- (〇)By working hard, he will improve his grades.
とすれば正しくなる。
後者の場合、例えば
- (〇)With hard work, his grades will improve.(副詞句+主節)
- (〇)When he works hard, his grades will improve.(従属節+主節)
とすれば正しくなる。
- 「すでに起こっている原因」
- この場合、副詞句で使う接続詞は、Because of, Due to, Thanks to。
- まだ起こっていない仮定の話をするときにBecause ofを使うのは間違いなので注意。
- これらの表現で気を付けたいのは、Due to, Thanks toの2つでtoが使われているが、このtoは不定詞ではなく、前置詞であるということである。よって、Due to, Thanks toの後ろは必ず名詞になるので注意頂きたい。
③無生物主語の表現
- 因果関係を示す述語(lead to, cause, result in, bring about, help, encourageなど)を使って因果関係を表現する。
- 因果の「因」に当たる部分が主語になるため、②と同様に句で表現しなければならず、注意して書かないと意味が伝わりにくくなる。
- The introduction of computers can encourage students to study more efficiently.
- His hard work led to better grades.
この文章では、主語にあたるHis hard workが「原因」で、目的語のbetter gradesが「結果」を示している。
- 気を付けたいのが、これら汎用的な述語に頼ると、簡潔に表現できるものをわざわざ長く説明することになりかねない、ということである。
- (△)His hard work led to the improvement of his grades.
という表現をした場合、
- (〇)His hard work improved his grades.
とした方がはるかに簡潔である。これは本来動詞であるimproveをわざわざ名詞であるimprovementに変換して目的語に置いているのであるが、こういう変換をするよりは、元の動詞をそのまま述語として使った方が簡潔である。
よく見る例を挙げておく。
- Economic growth leads to the increase in population. 「増加をもたらす」
⇒Economic growth increases population.(increaseを述語にした方が簡単) - Computers have brought about the development of economy. 「発展をもたらす」
⇒Computers have developed economy. (developを述語にした方が簡単)
「従属節」「副詞句」「無生物主語」のどれがよいか
- 「従属節+主節」⇒原因は節で表現し、結果も節で表現する。
- 「副詞句+主節」⇒原因は句で表現し、結果は節で表現する。
- 「無生物主語」⇒原因は句で表現し、結果も句で表現する。
- 一般的に節を句に変換すると情報が抜け落ちやすい。He study English.を句に変換するとStudying EnglishやHis studyなどになり、もともとあった主語や目的語が抜けがち。
- 情報が抜け落ちた場合、その抜け落ちた情報を前後関係から読者に推測してもらう必要がある。簡単かつ間違いがない場合は良いが、そうでない場合は読者に負担をかけたり、誤った解釈をされたりする。
- そのため、慣れないうちは従属節を使って、原因も結果も節で説明することを心掛けると良い。
日本語から直訳しない
- 特に日本語で書きたいことを考えるときは、③無生物主語で思いつきやすい。
- しかし、無生物主語はこの3つの中で一番記載が難しいので、無生物主語で表現しにくいときは即座に従属節や副詞句に置き換えて表現できるようにしたい。
「this+抽象名詞」が使えると英文レベルが上がる
- パラフレーズするときに「this+抽象名詞」が使えると以下の効果がある。
- itという代名詞を使うよりも指す内容が明確になる。
- 前の文章とのつながりが分かり一貫性が強化される。
- 抽象名詞でパラフレーズすることで語彙力のアピールができる。
- The government should amend the law to make it easier for citizens to invest.
(政府は市民が投資をしやすくなるように法律を改正すべきである)
という文章のあとに
- It can stimulate the economy.
(それが経済を活性化させ得る)
という文章をつなげた場合、このitが指す候補は
- the government
- the law
- 一文目全体
という3つがある。
ここでは文脈的に「一文目全体」を指したいが、itではやや曖昧になる。
このときに便利なのが、this+抽象名詞。
これを使うと、ロジックが非常にクリアになる。
ここでは、itの代わりに
- This approach
を使って
- This approach can stimulate the economy.
とすると確実に前の文章全体を指す表現になる。
加えて、approachという抽象名詞を使うことは、語彙力のアピールにもなる。
thisの後ろにどのような抽象名詞を置くのかはセンスが問われる
- thisの後ろに使える抽象名詞を多くストックしておくと、この表現もスムーズになる。
- 死刑制度 ⇒ this system
- 人口増加傾向 ⇒ this trend
- コンピュータ社会化 ⇒ this development
- 飲酒運転 ⇒ this behavior
- 人材育成策 ⇒ this approach
- 警察の武装化 ⇒ this policy
- 消費者視点 ⇒ this perspective
副詞の比較級が使えると表現の幅が広がる
- 比較構文を書くときに「形容詞の比較級」はすぐに出てくるが、「副詞の比較級」を思いつけないことが多い。
- 「副詞の比較級」を使えば簡単に表現できるのに、「形容詞の比較級」を使って、間違った文章にしてしまったり、難しい文章にしてしまったりすることが多い。
- 副詞の比較級が使えると文章の幅が広がって、シンプルな文章で伝えられるようになることがある。
「彼女は英語よりもフランス語を簡単にマスターした」
という日本語を英語にするときに
- (×)She mastered French easier than English.
としてしまう方が多い。
しかしeasierは形容詞の比較級であり、
She mastered French
という第3文型の後ろに、形容詞を置くことはできない。
また、この文章は間違いだと気づいても、形容詞easierを使って
- (△)Mastering French was easier for her than mastering English.
- (△)That she masters French was easier than that she masters English.
- (△)It was easier for her to master French than to master English.
といった英文を作ってしまう方も多い。
これらの表現は、間違いではないが、少し複雑で、原文から考えると不自然。
ここで使いたいのが副詞の比較級。
副詞はeasilyの比較級more easilyを使うと、楽に表現できる。
- (〇)She mastered French more easily than English.
そもそも「簡単に」というのは「マスターした」という動詞を修飾する表現なので副詞。
同じように
「より安く」と言いたいときに「cheaper」ではなく「more cheaply」
「より安全に」と言いたいときに「safer」ではなく「more safely」
「より正確に」と言いたいときに「more accurate」ではなく「more accurately」
のように副詞の比較級が使えると正確かつ簡潔に表現できる。
受動態はミスする確率が高まる
- 能動態と受動態は基本的には同じ内容だが、圧倒的に能動態で書いたときよりも、受動態で書いたときの方が文法ミスが増える。
- 受動態を選択するということは、意味が同じなのにわざわざミスが起こりやすい文章を選択するということ。
代表的な文法ミスは以下のようなもの。
- (×)Computers developed by scientists.(be動詞が抜ける)
- (×)Computers were develop by scientists. (be動詞の後ろが過去分詞になっていない)
- (×)Computers were developed scientists.(受動態の後ろに前置詞なしに名詞が置かれる)
- (×)Computers were developed for scientists.(受動態の後ろの前置詞が適切でない)
必要な時以外は能動態を選択する
- 受動態が好ましいのは以下のようなケース
- ①能動態で書こうにも主語が不明瞭で書けない場合
- ②能動態にしたときの主語を明記したくない場合
- ③能動態にしたときの目的語を強調したい場合
- 逆に以下のような受動態は不自然
- 受動態で書かれた文章なのに、by以下の単語が明記されている(つまり能動態で書ける)
- 主語の部分を強調したいわけでもない場合
- ミスを減らす、自然な文章にするためにも、必要なとき以外は、受動態ではなく、能動態で書く。
「コンピュータは科学者により開発された」
という日本語を英文にするときに
- (△)Computers were developed by scientists.
としてしまう方が多い。
この英文は正しいが、受動態で記載する必要はなく、
- (〇)Scientists developed computers.
と能動態の方がベター。
「二酸化炭素によって地球温暖化が引き起こされている」
も同様に
- (△)Global warming is caused by CO2.
と受動態にするよりも
- (〇)CO2 causes global warming.
と能動態にする方が、自然。
Task2英文例1
テーマは「政府は学校にコンピュータを導入すべきである。どの程度賛成か反対か」
- ①~⑲は基本の段落構成にある19ステップに該当
- 意見を説明する表現
- 事実を説明する表現
- 因果関係を説明する表現
- this+抽象名詞
- 副詞の比較級
①Some people argue that government should introduce computers to school.(他人の意見) ②I agree to a certain extent with this view.(自分の意見) While there may be some drawbacks with this policy,(there is構文を使った事実) it seems to me that it is more likely to have beneficial impacts.(自分の意見)
④On the one hand, when the government should introduce computers to school,(従属節を使った因果関係) there are some drawbacks temporarily.(there is構文を使った事実) ⑤The first disadvantage is the cost of computers.(be動詞を使った事実) ⑥If government purchases computers that all schools need, it would cost significantly.(従属節を使った因果関係) This policy can be a burden on the government’s budget.(無生物主語を使った因果関係) ⑧The second disadvantage is that before the government introduces computers, teachers have to learn how to use computers.(be動詞を使った事実) ⑨Since computers are complex and delicate machines, inappropriate use often breaks computers.(従属節を使った因果関係) Thus, teachers need to master how to fix such problems in advance.(3-④接続副詞を使った因果関係)
⑪On the other hand, when computers are introduced in school,(従属節を使った因果関係) there are more benefits from the long-term perspective.(there is構文を使った事実) ⑫Firstly, computers in school are useful for studying.(be動詞を使った事実) ⑬If students can use computers in class, they can look up what was unclear in class.(従属節を使った因果関係) In fact, there are some cases in which(there is構文を使った事実) computer implementation has improved students’ performance.(無生物主語を使った因果関係) ⑮Secondly, exposure to computers in school can help students’ future.(無生物主語を使った因果関係) ⑯Most jobs now require computers.(その他の構文を使った事実) If students acquire computer skill in school, it can be an asset for students in the future.(従属節を使った因果関係)
⑲In conclusion, while it is true that there are some concerns over the introduction of computers to school in the short term,(there is構文を使った事実) in my opinion, the advantages of this policy outweigh the disadvantages,(自分の意見) when considering that the advantages of this policy have long-term benefits for students.(無生物主語を使った因果関係)
(267words)
Task2英文例2
テーマは「子どもは家事の手伝いを義務付けられるべきだ。どの程度賛成か反対か」
- ①~⑲は基本の段落構成にある19ステップに該当
- 意見を説明する表現
- 事実を説明する表現
- 因果関係を説明する表現
- this+抽象名詞
- 副詞の比較級
①In spite of the recent development of technologies, household tasks still take a long time in daily life.(その他の構文を使った事実) Some people argue that children should help with family works.(他人の意見) ②I agree to some extent with this view.(自分の意見) While there may be some convincing reasons why children should not do chores,(there is構文を使った事実) the reasons why they should do are more significant.(be動詞を使った事実)
③On the one hand, when children are involved in household tasks,(従属節を使った因果関係) there are some drawbacks.(there is構文を使った事実) ④One of them is that doing chores requires a long time for children before they get used to doing them.(be動詞を使った事実) ⑤For example, when parents teach their children how to use a washing machine, it would take them a long time to understand detailed operations,(従属節を使った因果関係) while parents can deal with the tasks more quickly by themselves. ⑦Another drawback is that when children do unfamiliar tasks, they may face danger.(be動詞を使った事実) ⑧A typical example can be seen when young children cut vegetables or meats with a knife.(従属節を使った因果関係) In order to avoid such danger, parents have to go through an extra chore of watching out for children’s safety.(副詞句を使った因果関係)
⑪On the other hand, when children are encouraged to help parents,(従属節を使った因果関係) there are more benefits.(there is構文を使った事実) ⑫Firstly, parents can reduce their burden, once children master tasks.(従属節を使った因果関係) ⑬Even if parents can partly share with their children some simple tasks such as wiping a table, they can save time for this work.(従属節を使った因果関係) ⑮Secondly, it is useful for children to master family works.(be動詞を使った事実) ⑯When they have a family of their own, they have to do household tasks by themselves, whether children like them or not.(従属節を使った因果関係) ⑱Thus, these experiences and training can be helpful for their future.(無生物主語を使った因果関係)
⑲In conclusion, I believe that children should help with family tasks(自分の意見) because while there are some drawbacks temporarily,(there is構文を使った事実) the benefits are more considerable from the long-term perspective.(be動詞を使った事実)
(267words)
イメージで書くと
Aが事実である ⇒ AだったらBである ⇒ よってBも事実である
というロジックで記載しているわけですね。
この2段階目の「AだったらBである」の部分が因果関係の構文の役割。
(「5-7)5つのステップでライティングスコアを伸ばす」に移る)