3-5)効果的な学習計画でリスニングスコアを伸ばす

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これまで説明してきたIELTSリスニング対策をどのようなスケジュールで行っていくべきかをまとめてみます。

①リスニング対策を始めるタイミング

どのタイミングからリスニング対策を始めるべきかを説明します。

リスニング対策を始めるタイミング

リーディング5.5以上取れてからリスニング対策開始

  • リーディングとリスニングであればリーディングの基礎を固めるのが先
  • 読んで分からないものを聞いて分かるはずがない
  • リーディング5.0以下はまだ読むことも十分に出来ていない状態なので、先にリーディング対策を通じて「単語リスト」「文法ルール」を脳内にインプットしていく。これがないとリスニングの基礎力は伸びにくい。

 

リスニング対策の始め方

  • 最初に公式問題集の試験1回分を実施してみる。ここで試験形式や試験のレベルを知る。
  • 以降、「リスニング基礎力のためのトレーニング」「IELTS対応力のためのトレーニング」「多聴」を組み合わせて対策を進めていく。

 

リスニングの力は落ちやすい

  • リスニングの力は4セクションの中でも落ちやすく、継続して聴いていないと2日ほどで落ちてしまう。
  • このため、IELTS卒業までは、「リスニング基礎力のためのトレーニング」「IELTS対応力のためのトレーニング」「多聴」のいずれかは必ず毎日実施するようにする。

 

②「リスニング基礎力トレーニング」と「IELTS対応力トレーニング」

リスニング基礎力を鍛えるトレーニングと、IELTS対応力を鍛えるトレーニングをどのようなスケジュールで実施するかを説明します。

基礎力と対応力の優先度

リスニング基礎力トレーニング

 

IELTS対応力トレーニング

 

基礎力トレーニングを優先する

  • リスニングは基礎力が8割。音源を聴き取れさえすれば一定のスコアは獲得できる。逆に聴き取れないままIELTS対応力ばかり磨いてもスコアは上がらない。
  • 基礎力トレーニングは「英語を聴き取れる」ようになるためのトレーニングなのでまずは基礎力トレーニングを優先して実施する。少なくとも「単語認識力」「構文追跡力」が身につくまでは基礎力トレーニングのみでOK。
  • それ以降は「基礎力トレーニング」と「対応力トレーニング」を並列で進めていく。例えば平日は「基礎力トレーニング」、長時間取れる休日は「対応力トレーニング」といった具合に分けても良い。

 

③「精聴」と「多聴」

リスニングトレーニングとしての「多聴」について説明します。

精聴と多聴

精聴とは

  • 基礎力トレーニングで行う、シャドーイング、オーバーラッピング、集中リスニングなどのトレーニングのことで、短い英文を使って、何度も正確に聴き取るまで繰り返す。かなりの集中力と時間を使うトレーニングになる。

 

多聴とは

  • ニュース音源などを使って、長めの音源を一度だけリラックスして(でも集中はして)聴くトレーニング。

 

精聴と多聴を交互に行う

  • 精聴は、単語認識、構文追跡、細部理解などの目的のために脳を成長させるトレーニングである一方、集中力と時間を使う(1日1時間以上)ため、他のセクションの対策のための時間が取られてしまう。
  • 本来は精聴を毎日継続して実施したいが、他セクションの学習時間確保のために精聴を行う時期と、多聴を行う時期を分けて、交互に実施すると良い。
  • 精聴におけるトレーニングは7日以上連続で行うべきであり、かつ7日実施すると効果が現れやすくなる。そのため精聴と多聴は1週間おきに交互に実施するのがお勧め。
多聴の注意点と実施方法

多聴の目的は「リカバリー力」を鍛えること

  • IELTSのリスニングでよく起こる問題の1つが、どこかで分からない単語や構文が出てくると、以降集中が出来なくなって、聞き取れなくなってしまう、という現象。
  • リスニングで、出てくる単語を100%知っている状態にするのは難しく、どうしても何カ所かは分からない所が出てくる。しかし、分からない箇所が出てきたときに、以降の音すべてが分からなくなってしまうのはとてももったいないし、スコア的にも大きなダメージ。分からなかった一文を除いて、残りの文章をもう一度聞いてみれば、実は何の問題もなく聞き取れることも多い。
  • そこで重要なのが、一度途切れた集中力をすぐに取り戻すトレーニング。これを多聴時には意識する。
  • 分からない箇所が出てきても、必ず次のセンテンスの頭からはまた集中状態に戻すように意識する。集中力のリカバリーは実はトレーニング次第で、大きく伸ばすことができる能力。

 

聞き流しはむしろマイナス

  • 聞き流すクセがつくと、本番でも集中力が効かなくなる。多聴時と言えども聞き流すことはしないようにする。
  • 例えば、寝ながら聴く、運転しながら聴く、といった行為は聞き流すクセを作る可能性が高いのでお勧めしない。聞き流すぐらいなら聞かない方が良い。

 

多聴の音源に最適なのが英語ニュース

  • 英語ニュースなら毎日違うコンテンツを聞けるので飽きない。
  • 時間は1日20分で良い。精聴すると時間を取ってしまい別の学習ができなくなる、という理由で多聴しているのだから、長く聞くのは意味がない。長く聞くのであれば精聴をした方が良い。
  • ニュース音源は以下3つがお勧め。
    • NHKワールドニュース
    • BBCニュース
    • LBCニュース
  • NHKは日本のニュースなので内容も分かりやすいし、日本人キャスターが読み上げることも多いので、比較的聞きやすい。初心者はお勧め。
  • NHKが8割ぐらい聞き取れる状態になったら、BBCに移行する。内容的に英国や世界のニュースになるので分かりにくいが、慣れてくると集中できるようになる。BBCが8割聞き取れるようになればリスニング力としては十分。
  • もしBBCは完全に分かる、BBCだと遅く感じる、BBCだと物足りない、という場合は、LBC。こちらはディスカッションなども多めで、BBCよりスピードが速い。ただし、NHKやBBCが不十分なのに、大は小を兼ねる形式で、LBCに行かないように。ほとんど理解できない英文をいくら聞いても集中できないため意味はない。
  • 目安として7割以上は分かるという内容で初めて集中力維持のトレーニングになる。

 

④試験に向けたスケジューリング

試験本番に向けてどのようにトレーニングのスケジュールを組むかについて説明します。

覚醒状態で試験に臨む

計画的に試験日を覚醒状態にする

  • 精聴はリスニング力を上昇させるが、その効果は継続しなければすぐ消える。
  • 7日間連続でシャドーイングを行った場合、1-2日間は音がゆっくり、クリアに聞こえる効果(覚醒状態)が継続するが、やがて消える。
  • 2回目に7日間連続でシャドーイングを行うと、3-4日効果が持つようになるが、やがて消える。3回目行うと、5-6日効果が持つようになり、4回目を行うと1週間効果が持続するようになる。
  • この効果(覚醒状態)が感じられる期間に受験を入れたい。なので、試験日から逆算して基礎力トレーニングを入れると良い。

 

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