3-3)IELTSリスニングの出題傾向と取り組み戦略を理解する

IELTS完全対策マニュアルトップページに戻る

「3-2)4つの基礎スキルを身につけて”聴き取れる”状態を作る」に戻る

リスニングにおけるIELTS対応力についてまとめていきます。

①設問タイプと出題傾向

IELTSリスニングセクションで出題される設問タイプと出題傾向についてまとめてみます。

4種類の設問タイプ

IELTSリスニングセクションの設問タイプは大きく4種類に分類して考えると良いです。

  • 書き取り問題
  • 選択肢問題
  • マッチング問題
  • 地図問題

これらのタイプに応じて少しずつ求められてるスキルが変わるので、難易度や目指すべき水準、対策すべき内容が変わってきます。

 

書き取り問題

  • 設問文の一部や表、フォームの中に空欄があり、そこに入る単語を書き取る問題。

 

選択肢問題

  • 設問文に対して、3~5つの選択肢があり、正しい選択肢を選ぶ問題。

 

マッチング問題

  • 設問文に対して、リストから正しい組み合わせを選ぶ問題。

 

地図問題

  • 地図上のどの場所にどの施設・設備があるかを選択する問題。

設問タイプごとの出題傾向

典型的な出題傾向としては以下の通りです。(そうでないケースもある)

  • 出題比率としては書き取り問題が最も多く約半分を占める。
  • 6.0以上のスコアを目指すなら、まずはこの書き取り問題の攻略が重要。
  • 7.0以上のハイスコアを目指すなら、残る選択肢問題、マッチング問題、地図問題での攻略も重要。

 

②設問タイプ別の難易度

設問タイプごとの難易度をまとめます。

設問タイプごとの難易度

難易度低:書き取り問題

  • 4種類の設問タイプのうち、最も難易度が低いのが書き取り問題。
  • 基本的に単語が聴き取れているかを問われる問題で、必ずスクリプトの中に答えがある。
  • ただし、正確なスペリングも見られるのでその部分で落とす人もいる。

 

難易度中:選択肢問題

  • 次に難易度が低いのが選択肢問題。
  • 3問中1問を選ぶタイプと、5問中2問を選ぶタイプがあり、後者の方が読むべき選択肢が多い分、難易度が高い。
  • 単純な問題は少なく、引っ掛けさせるための紛らわしい言い回し、選択肢が含まれる。
  • 単に単語だけで英語を理解しようとしている人は引っ掛け問題に引っ掛かりやすい。構文を正確に捉えたり、細部を正確に聴き取る必要がある。
  • 正解の選択肢もストレートにそのままスクリプトの中に出てくるわけではなく、パラフレーズされた別の言い回しになっていることが多く、語彙力も必要。

 

難易度高:マッチング問題・地図問題

  • マッチング問題と地図問題がもっとも難易度が高い。
  • マッチング問題は、設問文に加えて、リストも目を通す必要があり、情報量が多くなる。
  • 選択肢問題以上に、大きく表現が異なったパラフレーズされる傾向があり、より構文を正確に捉える必要性がある。
  • 地図問題については、方向を示す表現に独特な言い回しがあり、これを聴き取れるかどうかがカギ。また一度現在地を見失うと、連続して落とすリスクがあるので、途中で見失わないようにする必要がある。
設問タイプごとに目指す水準

出題の比率と難易度から、目指すスコアごとに以下のような正解率を目指すと良い。

目標スコア書き取り問題
(出題率50%)
選択肢問題
(出題率30%)
マッチング・地図問題
(出題率20%)
リスニング7.0
(30問正解)
正解率9割正解率7割正解率5割
リスニング6.5
(26問正解)
正解率8割正解率7割正解率2割
リスニング6.0
(23問正解)
正解率8割正解率5割正解率2割

 

③各設問タイプ共通の戦略

各設問タイプ共通の戦略として、設問先読みについてまとめます。

設問を先読みする

設問先読みは理解度に大きく影響する

  • IELTSのリスニングの最大の利点は、先に問題が読めること。問題を知った上で音源を聞くのと、知らないで聞くのとでは、理解度が全く変わる。なので、いかに音源を聞く前に問題を理解しておくか、というのが大きなポイント。

 

設問先読みのポイントは貯金作り

  • IELTSのリスニングセッションは、開始すると最初にインストラクションが流れた後に、問題を先読みする時間を取ってくれる。
  • この先読みタイムに馬鹿正直に言われた番号の設問だけを読まない。この時間に読み進めるだけ読み進める。
  • 例えば1番から5番まで読みなさいと言われたときに、理想的には、1番から8番くらいまで読んでおく。そして、1番から5番の設問を解き終えた後で、6番から10番までの設問を読みなさい、という時間は、9番から15番くらいまで読んでしまう。そうすると、先読みにどんどん貯金が出来る。
  • このようにして、先読みに時間がかかるセクション2や3を先回りして読んでおく。
先読みが間に合わない場合

絶対に読みながら聴かない

  • すべての設問、選択肢の先読みが間に合わないということは十分に起こり得る。
  • その場合、決して残りの設問を読みながら音源を聞かないようにする。
  • 人間、目で何かに注目しながら、話も同時に聞くことは母国語であってもかなり難しい。出来ているつもりでも、どちらかの情報は欠落する。
  • IELTSの音源は一度しか流れないので、当然優先すべきは音声。
  • 読みながら聞くことは出来ないが、話を聞きながらメモすることは出来るので、聞き取った内容をメモする。
  • 最後の書き写しの時間で、メモや記憶を頼りに回答する。

 

「3-4)リスニング4つの設問タイプを攻略する」に移る

IELTS完全対策マニュアルトップページに戻る