こんにちは。藤本です。
今回はちょっと私にとって懐かしい話を。
今から約10年ほど前、カナダの大学院を卒業後、日本に戻って3年経った頃、私はカナダ移住を考えるようになりました。
そこで永住権取得に必要なIELTSを初めて受験することにしました。
留学前のTOEFL以来、久しぶりの英語検定試験の受験です。
あまり英語は好きではなかったので、日本に戻ってからは英語から離れていましたが、曲がりなりにも留学前はTOEFLでIELTS7.0水準のスコアは取れていたし、2年間留学をした後なので、
「まあ6.5ぐらいは取れるだろう!」
という気持ちでした。
特にライティングTask2はかつてやっていたTOEFLとそっくりな形式に見えました。
何を隠そうTOEFLをやっていたとき一番力を入れていて、かつ一番安定していたのがライティングだったんですね。
だからライティングについては不安は感じていませんでした。
しかし、蓋を開けると・・・
ライティングは5.5というスコアでした。
なぜ、スコアは5.5に沈んだのか?
今から考えると私の中で原因は大きく2つあります。
そこで、、
自分の恥ずかしい過去ですが、今日はこの2つの原因を説明してみます。
これからライティング対策を始める人やスコアが伸び悩んでいる人には参考になる内容なので、ご覧になってみてください。
失敗から学ぶことは多いですからね。
原因1.採点基準を知らなかった
今から思うと、この原因が最も大きいと思います。
当時私はIELTSライティングの採点基準は見ていませんでした。
なので、ただ「間違いがない英文」が書ければそれで良いと思っていたわけですね。
でもIELTSのライティングは、「間違いがない」以上の英文が求められます。
例えば、設問に対してきっちり答えているかは、相当厳しく見られます。
設問文をいい加減に読むのではなく、そこに書かれている1文字1文字が意味するところをすべて汲み取って記載しなければなりません。
それに対して当時の私は設問文をざっくりとしか理解せずに、
「大体聞かれているのはこんなことでしょ?」
ぐらいの軽い気持ちで回答していました。
後に、IELTSの採点基準を研究したり、添削を受けたり、IELTSの情報を集める中で、それまで思っていた以上に、厳格に設問に答えないといけないことを知ることになります。
あとは一貫性。
これはTOEFL時代からかなり理解していたことではありますが、やはりその厳格さはTOEFL以上だと感じます。
例えば因果関係の表現。
日本語話者は因果関係をきっちり説明するのが苦手な人が多いですが、私もこの傾向はあったと思います。
原因を説明せずに結果だけを説明したり、両者の関係性を明確に説明していなかったり。
加えて、接続表現や代名詞の使い方も不十分、不適切な箇所は多かったです。
他にもTask2であればフォーマルな単語を選択しなければならないこと、同じ言い回しを何度もしないこと、は重要なポイントですが、こういうことも全く意識していませんでした。
また当時受験していたジェネラルのTask1では、設問によってフォーマルな表現とインフォーマルな表現を使分けが必須ですが、これもほとんど意識せずに受験していました。
後にこれらの採点基準を知ってからはIELTSで求められる英文を書くことにフォーカスできるようになりました。
2.必殺テンプレートが大スベり
私の中で衝撃だったのがこの2点目です。
TOEFL時代、私は300ワードの記載が求められる課題に対して250ワードものテンプレートを準備していました。
このテンプレートはTOEFLで出題されるあらゆる問題に対して使えるように工夫して作った万能型のテンプレートです。
なので、ライティングセクションが始まると問題も見ずにただひたらすら暗記していた250ワードを打ち込みます。
ここまで開始7分で終わらせます。
そして、そこで初めて問題を読んで残り50ワードを残り時間で埋めていく、という書き方でした。
ちなみに今はもうありませんが、当時、私はこのテンプレートをブログで公開しており、かなりの反響がありました。
そのブログを見たTOEFL受験生から数年間に渡りかなりの数の問い合わせがありました。
このテンプレートでは、さすがに満点は取れませんが、MBA留学生でも上位レベルのライティングのスコアは毎回叩き出していました。
だから、とても形式が似ているIELTSでもこの必殺のテンプレートで行けるだろうと思っていたんですね。
ところが、IELTSは全然違いました。
どんな問題にも当てはまるようなテンプレ表現にはIELTSは厳しいんですね。
それに設問のタイプも幅が広いです。
なので、設問タイプがちょっと変わると同じテンプレートでは対応できないんですね。
まあ、それでも5.5ということなので、それ以下のスコアの方にとってはテンプレートを使ってミスがない文章を書くことの重要性はある意味証明されたとも言えますが。。。
私は今も短期間でIELTSライティングを一定レベル以上に持ち上げるためには、型に当てはめた設計で、定番表現を使って書くことはとても有効だと思っています。
が、250ワードものテンプレートはさすがにやりすぎ、ということです。
なのでこれをきっかけにIELTS向けに、設問タイプに応じたテンプレートや型の研究、定番表現などを研究するようになったんですね。
まあ、2つ目のテンプレート作戦をここまで徹底する人は少ないでしょうが、1つ目の採点基準については、ライティング対策をする人全員に当てはまると思います。
採点基準を見ないと、ピントが外れた対策ばかりをすることになりますからね。
是非自分が目指すスコアでIELTSが求める基準というものは頭に入れて、そこにフォーカスした対策をしてみてくださいね。