こんにちは。藤本です。
「IELTS受験まで残り1か月です。どういう対策をすれば良いでしょう?」
というご質問を頂くことがよくあります。
もちろんその答えは、その方の目標スコアと、現在のスコア、そしてこれまでどのような対策をして来られたかによって変わります。
ただ、今回はもう少し突っ込んで、典型的な受験者を想定して、残り1か月をどのように過ごすべきかについて書いてみたいと思います。
ここで想定する受験者はこんなイメージです。
・目標スコアはオーバーオール6.5
・現在のスコアはオーバーオール5.5(L5.5、R6.0、W5.0、S5.5)
・最後の受験は3ヵ月前
・単語は一度は3,000単語は覚えたが、完全ではない
・基本的な文法は理解している
・ライティングで必要な基本構成(イントロ、ボディ、コンクルの書き方)などは理解している
・スピーキングのスクリプトは作成していない
さて、上記のような状態で、1か月で6.5に持って行くのはなかなか大変ですが、ここでは最善の時間割を考えてみましょう。
目次
残り1か月を逆算する
受験日という明確な目標がある以上、ゼロから積み上げで考えるのではなく、ゴールから逆算して計画を作っていきます。
このときに優先して考えたいことを挙げてみます。
・ラスト1週間は新しい知識は入れず復習に徹する
・絶対に守りたいのがラスト1週間は毎日1時間スピーキングを行うこと
・そのためのスクリプトを前半で作成しておく
・ライティングはノートにまとめた内容をラスト2週間で脳に叩き込む
・そのために前半に暗記すべき内容をライティングノートにまとめる
・シャドーイングは1週間おきに入れる
・シャドーイングしない週も毎日多聴は継続する
大事な考えなので、それぞれ意味を説明しますね。
・ラスト1週間は新しい知識は入れず復習に徹する
ラスト1週間で「自分が知らないことがある」と思うと非常に不安になります。
これは精神衛生上良くないし、計画を崩す原因になります。
そもそも1週間で新しい知識を入れたところで定着しません。
だから、最後の1週間はなるべく不安に思う要素は除外して、これまでやってきたことを徹底して定着させることに集中します。
・絶対に守りたいのがラスト1週間は毎日1時間スピーキングを行うこと
他のセクションはラスト1週間でなくても効果が出ますが、スピーキングだけはラスト1週間が勝負です。
ここでスピーキング脳を作ってしまえば本番でかなり効果が出ます。
脳を英語モードにする作業です。
これが出来ると本番で、たとえ準備していない英語でも口から出てきたり、暗記した英文を組み合わせて会話にすることが出来やすくなります。
スピーキング脳は「1週間英語をしゃべり続ける」ことで作れます。
残念ながら3日ではできません。
また口に出さずに頭の中だけで発声していても出来ません。
だからラスト1週間は毎日1時間は口で英語をしゃべり続けることに使います。
しゃべる内容は準備したスクリプトです。
口に出しながら内容を暗記していきます。
・そのためのスクリプトを前半で作成しておく
ラスト1週間でスピーキング対策をするためには前半でスクリプトを準備しておく必要があります。
スクリプトは一度作ってしまえばその後試験のたびに使えるので、非常に有効です。
1日3問分ずつスクリプトを作ると3週間で60問分のスクリプトが完成します。
・ライティングはノートにまとめた内容をラスト2週間で脳に叩き込む
ライティングは最も暗記すべき内容が多いセクションですが、個別にバラバラと覚えるとどうしても頭の中で体系化が出来ずに、「前も似たようなことを覚えた気が・・・」という状態になったり、無駄に重複した内容を別々に覚えたりすることになります。
なので、集中して2週間で一気に頭に叩きこむのがお勧めです。
設計上の注意点、構文、単語など必要な知識をラスト2週間で一気に暗記します。
・そのために前半に暗記すべき内容をライティングノートにまとめる
ライティングは覚えることが多岐にわたるため、覚えるべき内容を1冊のノートにまとめておくのがお勧めです。
そうすればその1冊を持っていれば移動中でも外出中でも復習出来ますね。
ノートの作り方は以下を参照してみて下さい。
・シャドーイングは1週間おきに入れる
スピーキングと同様に本番に向けたコンディション作りが重要なのがリスニングです。
リスニング能力というのは他のセクションに比べるととても不安定で、日々変化します。
よく1日英語を聞かないと3日分後退する、と言われますが、それは感覚的には正しいと思います。
さて、そのリスニングのコンディション作りで重要なのがシャドーイングです。
私が推奨するのは100%シャドーイングで、それ以外はここでは考慮外とします。
100%シャドーイングは1週間実施するとその後2日ぐらい音が非常にクリアに聞き取れる状態が持続します。
1週間空けて2度目の100%シャドーイングを1週間実施すると、今度は3-4日ぐらい効果が持続します。
さらに1週間空けて3度目の100%シャドーイングを1週間実施すると、今度は1週間ぐらい効果が持続します。
本当は1か月間毎日シャドーイングをすると一番良いのかもしれませんが、100%シャドーイングは時間も集中力も消費の度合いが大きいので、1週間ごとに取り組むのが良いでしょう。
・シャドーイングしない週も毎日多聴は継続する
上記で書いた通り、リスニング能力は日々変化しますので、シャドーイングを行わない週も継続的に多聴を行います。
多聴の音源は英語ニュースで、1日20分で良いので、構文を取ることに意識を置いて毎日集中して聴いていきます。
ラスト1か月の学習スケジュール例
これらを考慮して作成した試験前ラスト5週間の学習計画は以下のようなものです。
1週目 | 2週目 | 3週目 | 4週目 | 5週目 | |
平日朝(自宅) | 単語復習 | シャドーイング | 単語復習 | シャドーイング | スピーキング発声 |
平日朝(移動時間) | リスニング多聴 | 単語復習 | リスニング多聴 | ライティングノート暗記 | リスニング多聴 |
平日夜(移動時間) | 文法復習 | 文法復習 | ライティングノート暗記 | ライティングノート暗記 | ライティングノート暗記 |
平日夜(自宅) | スクリプト作成 ライティングノート作成 | スクリプト作成 ライティングノート作成 | スクリプト作成 ライティングノート作成 | ライティングノート暗記 | スピーキング発声 |
休日の午前 | 過去問リスニング(実践+研究) | 過去問リスニング(実践+研究) | 過去問リスニング(実践+研究) | 過去問リスニング(実践+研究) | IELTS(受験) |
休日の午後 | 過去問リーディング(4度読み) | 過去問リーディング(4度読み) | 過去問リーディング(4度読み) | 過去問リーディング(4度読み) | IELTS(受験) |
まずリスニングは毎日必要なので、シャドーイングの週と多聴の週を交互に作ります。
また休日は過去問を使います。
過去問はリスニングとリーディングだけを使います。
リスニングについては、一度実践形式で解いた後に、以下のような観点で研究を行ってみて下さい。
リーディングについては4度読みが基本です。
4度読みの方法は以下からご覧ください。
そして、平日は週別にメリハリを付けたスケジュールにします。
ラスト1週間のメインはスピーキングです。
スピーキングの暗唱+発声に時間を割くようにします。
その前の4週目はライティングノートの暗記がメインです。
最初の3週間は
・単語の復習
・文法の復習
・ライティングノートの作成
・スピーキングスクリプトの作成
をメインにして、ラスト2週間で暗記に集中できるような環境を整えます。
でも本当は・・・
とまあ、ここまで書いてきましたが、正直やっぱり1か月は厳しいですよ。
本当は3ヵ月かけて計画的に対策したいところです。
3ヵ月間の学習計画の作り方は、以下にかなり詳しく解説していますので、ご覧になってください。