こんにちは。藤本です。
本日は
「なぜライティングは、今回は書けたと思ってもスコアが変わらないのか」
というテーマで書いてみたいと思います。
何か月かかけてライティングの対策をしてきて、IELTS本番が終わった瞬間は
「今回のライティングは会心の出来だった!」
と満足した。
ところが、返ってきたスコアを見たらいつもと変わらないスコア、下手したら以前よりも低いスコア。
「えぇー!そんなぁ~!!」
と、こんな経験ないでしょうか?
この結果を見て
「わけ分からん。あほらし。もうIELTSなんてやめた。」
とIELTSの挑戦を辞めてしまう人もいるでしょう。
「あれだけ書けたのに同じスコアなんてあり得ない(怒)」
と怒りの異議申し立てをする人もいるでしょう。
でも、スコアは変わらないことの方が多いです。
スコアが変わらない理由も分からず、ひたすら同じことを繰り返す人もいるでしょう。
ということで、今回はこういったことが起こってしまう原因について書いてみたいと思います。
大きく2つの原因を書いてみたいと思います。
1.自分基準で出来たつもりになっているだけ
2.本番での再現力が弱い
の2つです。
1.自分基準で出来たつもりになっているだけ
これはちょっと厳しい言い方かもしれません。
が、出来たつもりなのにスコアが変わらない場合、ほとんどの原因はこれです。
例えばある人が
「どんなに時間を使って単語を調べて書いてもいい」
と言われて書いたライティングのスコアが5.5だとしたら、その人の基準は5.5である、ということです。
だからその人にとってどんなに会心の出来だと思っても、本番のスコアは5.5止まりです。
同じように、時間を使って調べて書いたら7.0のライティングが書ける人は、本番で会心の出来なら7.0のスコアが取れます。
時間を使って、調べて書いても5.5止まりってホント?
そんなことある?
って思うかもしれませんね。
ですが、私の添削の経験では、全員とは言いませんが、かなりの割合の方が、3時間かけて書いても5.5だったりします。
知らないポイントや、自分で気づいていないミスが大量にあり、それらの減点が重なってスコアが下がる、という感じです。
・英文としてのフォーマットが守れていない
・設問で問われたことすべてに正確に答えていない
・論理的な構造になっていない
・余計なことを書いている
・必要なことが書かれていない
・説得力が弱い内容・表現になっている
・誤った、またはふさわしくない単語を選択している
・文法上のミスがある
・構文が単調
など、色々原因はあります。
これらの基準を知らずに自分の基準内でどれだけ時間をかけてもやっぱり基準内のスコアしか出ないわけです。
例えば、私は山口県出身ですが、山口県から出たことが無い人にとっては一番の都会のイメージは下関市の中心エリアです。
これ以上にぎわっている場所はないと考えます。
その人の持っている基準が山口県だからですね。
でももちろん日本にはもっとにぎわっている場所はたくさんありますよね。
そして日本しか知らない人は日本基準で考えますので、東京が一番の都会だと思うわけですが、世界から見たら、もっとすごい場所はあるかもしれませんね。
このようにまずは高いレベルの基準や視点を持つ、ということが大事なのです。
ではそのためにはどうするのか?
まずは高いレベルの英文に触れることです。
参考書などにある解答例をしっかり研究することです。
しかし、ただ解答例を見ただけでは自分の基準は上がりません。
「へー、難しそうだなー」
で終わりです。
そこで、この解答例がなぜ評価されるのか、具体的に「どの部分」が評価されて高いスコアになるのか、という自分なりの分析の切り口を持つようにします。
そのためにはIELTSの採点基準を知る必要があります。
採点基準は公開されていますから、これを理解して、分析する切り口を持ったうえで、解答例を研究していきます。
それで
「確かに設問に対してストレートに答えているな」
「この展開方法は理に適っているなあ」
「この表現上手いな、ここでプラス評価されるな」
と思えたらそれを自分の中に取り込んでいきます。
解答例の研究は、こうした分析切り口をもってこそ意味があります。
そして最後に添削を受けます。
添削の目的は「検証」です。
頭で理解している評価されるポイントを、実際に自分も実践できているかを、客観的に検証するわけです。
自分の中では論理的だと思っていることでも、他人が見ると意味が伝わらなかったり、必要なことが書けていなかったり、ということが多々出てきます。
あるいは自分が正しいと思う単語や構文でも、場面によっては不適切な使い方だったり、自分が知らない文法違反を犯していたり、ということも分かります。
だから他人、特にIELTSの採点基準を知っている人にチェックしてもらうのが最終的には必要です。
こうして、客観的な視点で自分の中の基準を高めていくわけです。
2.本番での再現力が弱い
本番で出来たつもりなのにスコアが変わらない場合のもう1つの理由は、本番での再現力が弱いことです。
練習や添削では良い結果なのに本番でスコアが安定しない場合は、こちらの原因になります。
特に練習と違って時間制限がある本番では、設計が不十分でロジックが甘くなったり、練習ではしないミスをしたりすることが増えます。
再現力を高めるためには
・アイデアや表現をストックして覚える
・制限時間内でアウトプットする練習をする
の2つが必要です。
特にアイデアや表現のストックは重要で、考えたことがあるアイデアや、使ったことがある表現だけでライティングが書けるようになるとアウトプットの質が一気に安定します。
ここで気をつけたいのは、1つ目の原因である自分の基準が十分に高まっていない段階で、むやみやたらと単語を覚えたり、時間制限を設けてアウトプットする練習ばかりをしないことです。
順番としては、まず自分の中の基準を高めること。
それらが十分高まったうえで、次のステップとしてストックしたアイデアや表現を覚えて、制限時間内にアウトプットできれば、自分の感触と返ってきた結果は一致するようになるはずです。
ということで本日は
「なぜライティングは、今回は書けたと思ってもスコアが変わらないのか」
についてのお話でした。