こんにちは。藤本です。
IELTS8.0を獲得された宮脇さんのロングインタビュー最終回をお送りします。
前回の内容はこちらをご覧ください。

今回は、学習環境の整え方やモチベーションの管理について伺いました。
学習環境の整え方
― 各セクションの勉強の仕方は非常に納得がいくというか、やっぱりちゃんとやっているなという感じがします。
では次に勉強したときの環境ですが、さきほど朝型で朝5時半から7時まで勉強されていたということですが、平日の勉強時間は基本的に朝だけだったのでしょうか?
朝は、その時間(5時半から7時)が基本で、あとはDMM英会話を始めてからは夜7時とか8時に帰ってきてから30分だけ時間をとって勉強していたので、平日はそれだけです。
― なるほど。逆に言うと夜はあまりやらなかったということですか?
そうですね、夜は早く寝るようにしていました。
― 朝起きるのが苦手とか、継続できないという人も多いのですが、そういうことはなかったですか?
一回目受験して、これはもっと勉強しなくてはいけないなとなったときに、藤本先生のブログを読んで、計画を立てるということを意識しました。
まず大きく1週間の中で自分がどういうスケジュールで動いているかということを考えました。
夜の帰りが早い時もあれば遅い時もあるし次の日も仕事があるので夜は勉強できないな、朝ならできるかなと思い、家族に明日から朝5時に起きて勉強するからと言い、意識付けしました。
もともと朝型なので、そんなに朝起きることは苦ではありませんでした。
― 通勤の時間を使うことはありましたか?
電車通勤だったので単語帳を読んだりリスニングの多聴に時間をかけたりしていました。
好きだったのはBBC Learning Englishというサイトで、英語学習者用なのでわかりやすいですし、トピックも最近のものに関係しており、時間も10分で終わるのでそれを繰り返し聞いていました。
― 週末や休日は一日勉強していたのですか?
基本的に平日1日と日曜日が休みなので、予定がない日は朝から夕方まで、リーディングなどまとめてやりたいことに集中しました。
― 勉強の場所は基本的にご自宅ですか?
自宅だったり、集中できないときは近くにある自習室のようなところに行ったりでした。
その都度集中できるところで勉強しました。
― 私はいつも環境を整えるということが大事だと思っています。
家では集中できないという方もいるので、その場合はどんどん自分が集中できる場所をつくるべきだと言っています。自習室はいい環境だったのでしょうか?
静かで、周囲も勉強しているだけという感じでした。逆に自分の机だと集中できませんでした。横に本があったり携帯があったりして。
最終的に床の上に小さい机を置いて正座して勉強したのですがそれが一番自分にとっては集中できるやり方でした。
― 私もそうです。いま自宅のデスクはパソコンと本に囲まれていて、仕事するには便利ですが一人で何か考えたいときはTim Hortons(カナダのドーナツチェーン)に行きます。そこが一番自分が集中できるということを最近発見しました。冷たい飲み物を飲んで、トイレに行きたくなるまでの2時間集中するというやり方が今自分にとって一番集中できます(笑)。
そういう場所を探すというのも大事ですね。
モチベーションの管理
― モチベーションはどうでしたか?
IELTSは長丁場なので、3か月くらいならやる気も続きますが、半年とか1年とかになると途中で落ち込んだりやる気が失せたりということもあったんじゃないかなと想像します。どうでしたか?
最初、7月から9月くらいは順調に伸びていて、もうあと1、2回受けたらもうこれはいけるなと自分でも思ったので、年末くらいまではモチベーションが落ちることはあまりありませんでした。
学校にも通っていて、同じように留学をしたいという友達もいて連絡をとったり一緒に勉強をしたりしたので、モチベーションを高めあうことができました。
1月ごろ、そろそろ早く決めたいなと思い、受験回数を増やそうと毎月受けることにしたのですが、毎回毎回、一つのセクションだけスコアが足りないということが続き、結果を見ては落ち込むようになりました。
特に1月のライティングはスコアを再検討してほしいという申請をして、いけるかなと思ったけどだめだったので二重でダメージを受けました。
2月はスピーキングの緊張がすごくてスコアが落ちてしまったのですが、それは仕方がないと思いました。
3月に自分の得点源であったリスニングのセクションが落ちてしまってまた落ち込みました。
その2月3月あたりは、自分の中でどうしよう、やめようかなと思ったりもしました。
― その時は何か自分の支えになるものがありましたか?
自分が勉強していることを伝えている知人や友達には、今仕事もあるし、日本である程度の生活が出来ているわけだからもうこのままでいいのかなという話をしたら、せっかく1年ぐらい頑張ってきているんだし、本当にこのままずっと日本で生活したいならそれでもいいけど、もうちょっと頑張ったらという後押ししてくれました。
家族も、あんまり干渉せず、勉強したいのならすればいいし、頑張りたいのなら頑張れば、という感じで見守ってくれたので、もう1回頑張ってみようと毎回毎回振り絞るという感じでした。
― 一番きついのはそこですよね。スコアが停滞する。やったはずなのに上がらない。そして、1セクションだけが目標に届かないという状態が1年続くという人も多いです。
その時は周囲の人に支えられたというのが大きかったんですね。
そうですね。
あと自分自身がやっぱりカナダに行きたいなという気持ちも大きかったです。
やっぱり目の前の勉強はもうやめてしまいたいという気持ちはあったんですが、2年後とか、先のことを考えると、もう1回やってみようかなと思いました。
― IELTSの勉強をされている方は他にIELTSを受けている知り合いがいないということが多いです。宮脇さんはどうでしたか?
通っていたグループレッスンで、2,3つほど年下の、イギリスに留学したいという人がいて、お互い目指す先は違うけど、そういう場で出会って知り合いが増えたし、スタッフも気さくに話しかけてくれたりして、そういう意味では学校に行ってよかったと思っています。
― 5月でジェネラルモジュールの受験は終わりとされたのですが、どういう状況だったのでしょうか?
5月の受験はライティングで7.0を獲れたと自分で思えました。今回は絶対大丈夫だと。
いつもは受験後も勉強するのですが、その時は受験後勉強もストップして結果を待とうと思ったのです。が、結果はライティングが6.5だったので本当に落ち込んで、もう一度スコアの再採点を申請しました。でもそれでも変わりませんでした。
もう何も信じられなくなりました。本当はやめたくなかったけど、6月いっぱい勉強を辞めてみて、自分はどうしたらいいのか、このまま受け続けていいのか、違う選択肢を検討した方がいいのかということを考えました。
そして移民コンサルの方に相談したら、状況はなかなか難しいし、CRSポイント(カナダの永住権に必要なポイント)の必要最低点も上がってきているので、たとえ目標スコアが取れても最低点に満たないかもしれないから、違う選択肢を考えた方がいいんじゃないかと言われました。
それにはやはりカナダで学歴と職歴を積むことですと言われ、そこでやはりカレッジに行かないといけないんだなと思いました。
2年カレッジの後1年就労と考えると、合計3年、永住権取得がさらに先に伸びるのかということと、費用面とのことで悩んだのですが、やはり最終目標は移住なので遠回りになるけれど試してみようかと思ったのが7月です。
ただアカデミックモジュールを受け直すというのも、また勉強し直しかと思うと、かなり迷いましたがやるしかないと思いました。
― これもよく聞くお話ですが、ある程度まで頑張って、いったん休憩を入れるという方、よくいらっしゃいます。
でも一度休んで、その後再起動するときのエネルギーってものすごく必要です。初めてIELTSの勉強を始めるときはどれだけ大変な壁が待っているかということが分かっていない状態ですが、一度休んで再開するときは、もう壁の高さがわかっているので、またあれをやるのかというところでなかなか再起動できない方が多いです。
その意味では大変だったと思います。
カレッジに行くのに必要なスコアが5.5で、ライティングだけ5以上が必要だったので、短期集中で、1か月だけ集中してやろうと決めました。
IELTSの学習を振り返って
― では最後になりますが、1年ちょっとIELTSの勉強をされてきて、振り返ってこうしておけばよかったなということがあれば教えて下さい。
はじめに藤本先生のブログで「3か月で6.5を達成する」という記事を読んで、勉強の計画の仕方を実際に真似しました。
ただシャドウイングやスピーキングのスクリプトづくり、ライティングのテンプレートを書き出すなど時間がかかることを後回しにしてしまっていました。やってはいましたが、徹底しては出来ていませんでした。特にスピーキングのスコアがなかなか上がらなかったのはそれかなと思っています。
もうちょっと早くやっておけば早くスコアが上がったかなと思っています。どうしても煩わしく、書く量が多くて時間がかかるので後回しにしてしまいました。毎日の英会話レッスンでできるような簡単なことばかりをやってしまっていました。
ちょっとそこはもったいなかったかなと思っています。
― 特に勉強を始めたばかりの方は問題集や過去問ばっかりやっています、英会話ばっかりやっています、という人は多いですね。
でも、それだと再現性がないのが弱いところです。私の感覚としては再現性をいかに高めるかというのがIELTS対策のポイントです。再現性を高めるにはいかに前半でインプットをできるか、そして整理整頓、パターン化できるかということが重要です。でも、こういったところは時間がかかって面倒なので後回しにされる方が多いですね。このインタビュー記事の読者の方にはぜひ知っていて頂きたいと思います。
他に何かインタビュー全体で言い残していることはありますか?
ブログに書かれている3ヵ月の勉強計画は去年の4月から忠実に真似してみて、ポーンとスコアが上がり、ちゃんとやっていればスコアは上がるんだとモチベーションも上がりました。
また年末にセミナーに参加したときに聞いた「徹底度」についても、まだ足りないかなと思って量や質を増やし、スコアが上がることを実感できたので大事だと思いました。
― 徹底度は言葉でいうと簡単ですが、実際行動に移すにはイメージが伝わりにくいですね。
シャドウイングだったら本当に100パーセント行う。リーディングは4度読みをちゃんと行う。ライティングは内容やテンプレートを完全に覚える。スピーキングもスクリプトを覚えるといったことをどこまで徹底できるかということがスコアに反映されるということですね。
宮脇さんもかなり徹底して勉強されたのがよく分かりました。
それでは本日は貴重なお話をありがとうございました。
ありがとうございました。
ということで、8.0というハイスコアを獲得された宮脇さんのインタビューでした。
控えめな方で、淡々とお話されていましたが、実際に実施されてきたことや、継続する力など、なかなか普通に実践できないことが多いと思います。
同時に、ハイスコアを獲るにしても、魔法のような方法があったわけではなくて、基本に忠実にコツコツと積み重ねてきた結果だというのがよく分かりました。
是非参考にしてみて下さい。