こんにちは。藤本です。
IELTSライティングのスコアメイクで苦労していませんか?
「何を書いたらいいかのアイデアがとっさに浮かばない」
「言いたいことが英語にならず、いつも同じ表現を使っている」
「添削を受けているけど、あまり伸びている気がしない」
など、悩みが多いのもライティングセクションの特徴です。
IELTSライティングでスコアが伸びない原因は
1.論理展開が不適切
2.単語・構文の表現が少ない
3.スペル・文法のミスがある
の3つに集約されます。
そして、この「不適切な論理展開」「表現不足」「ミス」というライティングの3大課題を一気に解消する方法があります。
それが
「ライティングノート」
を作ることです。
言わば、ライティング対策の最強の方法です。
以前ライティングノートについては、こんな記事を書きました。
この記事ではノートを作ってページの左と右をうまく使う、という話を書いたのですが、
「このライティングノートを作りたいのですが、具体的に何を書きこんでいけばいいですか?」
というご質問を頂きましたので、今回は、このノートに書く内容を具体的に説明してみたいと思います。
目次
1.ライティングは暗記科目
私がいつも生徒さんにお伝えしているのが、
「ライティングは暗記科目である」
ということです。
論理展開の仕方も、表現も、文法ルールもすべて暗記しておけば、本番で論理展開が不適切になったり、表現が出てこなかったり、文法ミスをする確率もずっと低いものになります。
本番では覚えているものを組み合わせて、アウトプットしていくだけです。
しかし、
「その暗記が苦手なんだよなあ」
という人もいると思います。
でも、そういう人は、能力的に暗記が出来ないのではなく、暗記のやり方が適切でないのです。
暗記が苦手という方は、単語にしても英単語と日本語訳を眺めて覚えようとしています。
これは極めて記憶効率の悪い方法なんです。
ではどうすれば記憶できるのか?
記憶するときに覚えておいていただきたいのは、
「記憶は、それを思い出そうとした回数に応じて定着する」
というルールです。
「うーん、何だったっけ?」
と思い出そうとする回数が多くなればなるほど、その内容は記憶に定着します。
私が、単語の覚え方で、日本語訳を手で隠して、英語だけを見て思い出すトレーニングをすると良い、という話をしていますが、それと全く同じ原理です。
だからライティングで必要な項目を暗記したいときも、この「思い出そうとする回数」を人工的に作っていくことが大事になります。
それが「ライティングノート」です。
2.改めて「ライティングノート」について
単語の場合は、市販の単語帳という便利なものがあって、左に英語、右に日本語訳という並びになっているので、右を手で隠して、左の単語だけを見て訳を思い出そうとすれば、「思い出そうとする回数」は自然に増えていきます。
ところが、ライティングには残念ながら市販の「ライティング帳」なるものがありません。
だからこれを自分で作ってしまいましょう、というのが「ライティングノート」です。
このノートは開いたときの「左側」と「右側」の使い方が肝です。
「左側」には覚えたい内容を、「右側」にはその答えを書きます。
単語帳で言うところの左側に英単語、右側に日本語訳が書かれているのと同じイメージですね。
そして「右側」を手で隠して、「左側」だけを見て、「右側」が言えるように何度も「思い出す」トレーニングをしていきます。
これを繰り返すことで、ライティングに必要な内容を一網打尽に覚えてしまう、というのがこのライティングノートです。
ではそのライティングノートには具体的に何を書けばいいのか?
私がお勧めすることが3つあります。
3.ライティングノートに書く3つのこと
ライティングノートに書くのはライティングの3大課題に沿ったものになります。
すなわち
1)設問に対するアイデアや論理展開のパターン
2)覚えたい表現・構文
3)添削で指摘されたスペルミス・文法ミス
の3つです。
それぞれ説明していきましょう。
1)設問に対するアイデアや論理展開のパターン
これは
「何を書いたらいいかのアイデアがとっさに浮かばない」
という方や
「添削でやたらと論理展開上の指摘を受ける」
という方にお勧めです。
例えばアカデミックのTask1でグラフ問題が苦手な方は、参考書やインターネット上での解答例を見ながら、どんな切り口を使って、どの数字を、どんな順番で説明しているかを研究していきます。
そして、ライティングノートの「左側」にはそのグラフの図形をコピーし、「右側」には解答例が使っている切り口や数値や順番などを書いていきます。
そしてその展開の仕方を覚えてしまうのです。
私はこういったパターンをいくつか作ることで、折れ線グラフならこのパターンで展開、時系列のないテーブルならこのパターンで展開、といったいくつかのパターンを自分のものにしました。
Task2では同様に、色々なテーマの設問に対して、解答例ではどんなアイデアを使っているか、どのように論理を展開しているかを研究していきます。
そして、ライティングノートの「左側」にはその設問やテーマを書いて、「右側」には解答例で使われているサポーティングアイデアや展開の仕方をメモしていきます。
こんな感じで、パターンを積み重ねていけば、例えば「学校の制度」問題が出たら、このパターンで書こうとか、「政府の投資先」問題が出たら、このパターンで書こうなどの展開が身につきます。
このアイデアや論理展開のパターンがつかめると、本番でかなりの時間短縮ができます。
「いつも時間が足りない」
という方にも有効です。
2)覚えたい表現・構文
次に表現・構文ですね。
「言いたいことが英語にならず、いつも同じ表現を使っている」
という方や
「そもそも英語の表現が出てこない」
という方は、この作業が効果的です。
1)と同様に、解答例などを見ながら使いたい表現をピックアップしていき、ライティングノートに書きこんでいきます。
このとき、ライティングノートの「左側」には日本語訳を、「右側」には英文を書いていきます。
さらに、IETLSのライティングでは特にパラフレーズが重視されるので、同じ日本語を複数の英語表現で言い換えられるようにしておきたいです。
つまり日本語と英語を1対1で書くのではなく、1対多の形で書いていきます。
これは、以前にこんな記事を書きました。
ここでお伝えしているように逆引きで複数の表現を暗記出来るようにしていくと良いですね。
この逆引きが出来ると、ライティングの表現がとても豊かになります。
3)添削で指摘されたスペルミス・文法ミス
最後はスペルミス・文法ミスですね。
このミスというのはとても厄介で、
「そんな文法ルールがあったなんて知らなかった」
というレベルのミスであれば印象に残るので、次からもミスはしにくいです。
問題は
「間違っているという指摘を受けたけど、知っているルールだった」
というものです。
例えば可算名詞でaが抜けていたとか、動詞に三単現のsが抜けていたとかですね。
こういうミスは、「知っている」ということで安心してしまい、深く意識しようとしません。
そうなるとまた次も同じミスをやってしまうんですね。
本当に厄介です。
こういうミスは潜在意識のレベルで、間違っていたら気持ち悪い、と感じるまで刷り込まないと無くなりません。
aもなく、複数形でもない可算名詞があったら気持ち悪く思う、主語が単数なのに述語にsがついていないのが気持ち悪く思う、というレベルになって初めて削減できるミスです。
ではそのレベルまで刷り込むにはどうすればよいか?
それがライティングノートです。
この項目では添削を行い指摘を受けて修正された文章と、指摘を受ける前の自分の文章を用意します。
そして、ライティングノートの「左側」には添削前の誤りを含んだ文章を書き、「右側」には添削後の修正された文章を書きます。
その後、右側を手で隠して、左側の文章だけを見て、正しい文章に修正していく練習を繰り返します。
これを繰り返すと、いつしか間違った文章を見ると「気持ち悪い」と感じるレベルになり、文法ミスやスペルミスが激減します。
まとめ
今回は、ライティングの3大課題
1.論理展開が不適切
2.単語・構文の表現が少ない
3.スペル・文法のミスがある
に対して、ライティングノートをうまく使って、暗記力を高め、克服していく、という方法をお伝えしました。
ライティングにおいてはこれに勝る方法はないし、最強の方法だと思います。
是非試してみて下さいね。