こんにちは。藤本です。
前回から4年間、36回受験でIELTSを卒業されたKさんのロングインタビューの様子をお送りしています。
前回の内容はこちらをご覧ください。
では今回は、各セクションの対策について伺いましたので、お送りします。
リーディング対策講座の受講
ー そこから私のリーディングとライティングの講座を受講されたわけですね。
はい。受講して、これはもう根本的に自分の考えが間違っていたんだと気付きました。
ー 何か具体的に変わったところはありましたか?
いっぱいありました。
特にリーディングはトピックセンテンスを意識した読み方とか、あと単語テストをして下さったので、それに食らいついていったので、あれでだいぶ楽になりました。
それから講座の特典で、先生が実況中継風にどんな目線でリーディングに回答しているかの動画があったのを見て「これだ」という感覚がつかめました。
そこをベースに自分なりに解答プロセスを編み出しました。
特に冠詞と形容詞に注目して読むというのが、私の中ではポイントになりました。ここをいい加減に読んで引っ掛け問題に引っ掛かることがありましたので。
ー そうですね。あと助動詞とか時制とか。
そうです。そういう細かいところに注目すると正解率が上がっていきました。
あとリーディング苦手な方は、解答の根拠を最後まで突き詰めて考えないと、何となくで解いているとなかなか苦手意識がなくならないと思います。
ー そこを追求している人は強いですね。
はい。その結果、リーディングは真っ先にスコアが上がりましたので、ここを得意科目にしよう、7.0以上は絶対確保しようと思えるようになりました。
ただ、得意になったのは良かったですが、維持するのが大変でした。
ー それはなぜでしょう?
油断してしまったのと、他の科目がなかなか上がらなかったので、リーディングに毎日触れることが出来なくなったんです。
リーディングって読むのに体力が要るじゃないですか。
ー 長文読むのって面倒ですもんね。
はい。それで読む量が減ると感覚が鈍っていく感じでした。
ー なるほど。
当時は問題集もあまりなくて、バロンズとかも読んでましたが、バロンズは簡単なので、それでIELTS本番の難易度の感覚が維持できなかった感じです。
でも、他の科目が伸び悩んだので、最終的にはリーディングは7.5を獲るしかないと考えて、単語もIELTS3500の一番難しいレベルまで完全に覚えました。
それで再びリーディングはスコアが上がった感じです。
ライティング対策講座の受講
ー あとライティングは講座を受講してどんな感じでしたか?
はい。これがですね、先生はちゃんと10教えてくれていたはずのところが、私が吸収できたのが、講座が終わった時点で6ぐらいだったと思うんです。
そもそも私は論理思考が全くできていない人間だったので、そこが弱かったんです。
あと文章をきちっと書くことを今までして来なかったし、習ってこなかったので、これがアカデミックな単語だ、とかも分からなかったし、設計も文章も出来なかったんです。
その6だったレベルを10に上げるのにすごく時間がかかったという感じだと思います。
スコア的にはライティングが一番辛かったです。だめなところこそ早めに取り組むべきでした。
ー それはとても大切ですね。最近私もよく感じていて、必ず生徒さんには伝えるようにしているんですが、復習が大事なんですよね。
特に動画のコンテンツ、あれ長いのでなかなか2度目を見ようとする人が少ないんですが、レッスン終了後に2回目を見てもらうと、1回目に聞き逃していたところがちゃんと理解出来るようになるのでとても効果的なんですよね。
1回だけ聞いた話って頭に入らないんですよね。
先生が言っていることが表面的には分かっているようで、でも実際には分かっていないことって後から考えるとあったような気がしています。
もっと質問して完全に理解しておけばよかったです。
ー それで6から10に上げるためにやって良かったことは何かありますか?
Task1の地図、フローチャートについては、講座のあとに追加で添削を受けたときに先生に頂いた解答例を1つずつ丸暗記しました。
この2つの問題はかなり難しかったので、他の問題が出ても応用が効きました。
試験会場で地図やフローチャートの問題が出題されると他の受験生からため息が出るのをよく聞きましたが私は余裕でした(笑)
ー そうでした。丸暗記してましたね(笑)
はい。それから講座で学んだ内容に、自分の苦手な部分を書き加えていって、自分だけの直前見直しノートを作りました。
ー いいですね。ノートを作ることでライティングに必要な膨大な知識が体系化されて覚えやすくなるし、試験直前にさっと見直せるノートって重宝しますよね。
はい。あと本番対策で言うと、ブリティッシュカウンシルの問題集にライティングの解答用紙がついていたので、それを何枚もコピーして、そこに書く練習をしていました。
おかげで、どのぐらいまで書けば何ワードかをだいたい把握できるようになりました。これは真似して欲しいですね。
ー なるほど。逆に失敗というか、反省点みたいなものはありますか?
先生から添削を受けたときに、訂正された文章を何度も繰り返して書いておけばよかったと思います。
ー これも大事ですね。添削のフィードバックを「ふんふん」と流して見ているだけの人は必ず同じ間違いを次のライティングでもしてしまいますね。
間違った文章というのは一度体の中に入ってしまうと、それを無意識に使ってしまうので、かなり強く刷り込まないとまた同じミスをしてしまうんですよ。
はい。あと、自分で書いているときにわからないポイントなどを箇条書きで書いておいてあとで質問できるようにしておくと良かったなと。
私の場合、分からないなと思いながらも書き進めてしまい、書き終わるとそれで満足してしまって、疑問に思っていたことを聞けずに終わることがありました。
ー なるほど。それはいいかもしれませんね。
それからIELTSでは出題される分野が限られているので、例えば環境問題などの課題が出たときは、それに関連する単語や表現を自分のレベルに合わせて一気に覚えておけば良かったです。
ー 表現の幅も大事ですね。もうこれは地道に覚えていくしかないですね。
リスニングの対策
ー あとリスニングとスピーキングの対策はどうしていたんですか?
リスニングはシャドーイングに絞って良かったと思います。
他にもラジオとかで英語を聴くことはありますが、それは補助的なもので、あくまでシャドーイングがメインだと思います。
公式問題集でシャドーイングして、うまくしゃべれないところのスクリプトはマーカーで色を塗って、何度も聞き直しました。(マーカーで何カ所も色が塗られた公式問題集を見せてもらう)
ー おお、やってますねー。いいですね。
先生に教えてもらった100%シャドーイングを最初はあまりきちんとやっていなかったのですが、これはまずいと思って脳が疲れすぎるぐらい毎朝やってみたところ、リスニングのスコアが最後は6.0から7.5に急上昇しました。
本番では音もあまり良くなくてできなかったんじゃないかと心配しましたが、結果を見たら驚きの結果で嬉しかったです。
ー シャドーイングは精度を100%に上げたら効果が出たという人が多いですよ。
あと本番対策なんですが、会場によっては音源の質が良くないところがありまして、その対策のためにiPhone5のスピーカーの一部分にテープを貼ってわざと音質を悪くして、それでシャドーイングしていました。
そうすると本番にびっくりしません。
(写真はKさんご提供。iPhone7だと音が良すぎてうまくいかなかったそうなのでiPhone5がお勧めのようです)
ー そこまでやってたんですね(笑)この作戦は初めて聞きました。
この作戦はよく効きました。
スピーキングの対策
ー スピーキングはどうでしたか?
6.0からものすごく苦労しました。
試験官によってはそれまで安定していたスコアから1.0下がることもありました。
試験官による主観的な要素もあるのだと思います。
ー そうですね。スピーキングは割と1.0ぐらい簡単に上下しますね。6.0からはどんな対策をしたんですか?
Part1は、想定される質問に対して自分のスクリプトを準備しました。
Part2は一番大事なのですが、ここで私が編み出したのが、前置きを作るという方法です。
試験官は受験生のバックグランドをPart1でちょこっと言ったくらいでほとんど何も知りません。
なので、自分はこういう理由でロンドンにいるけど、以前は日本に住んでいて、みたいな自分のバックグランドを少し加える事で時間を稼げる、緊張も解けるということでこの方法は一石二鳥でした。
ー ほお、それじゃ質問に答えてないよ、っていう反応はありませんでしたか?
ありませんでしたね。
質問内容とまったく関係ない話ならそうかもしれませんでしたが、のちに話す内容と必ず関連づけるようにして、その伏線として使っていたので、全く問題ありませんでした。
ー 面白い方法ですね。
はい。20-30秒ぐらいのスクリプトで、これを話し終えるころには緊張も解けて落ち着いて本談に入れるという感じです。
ただ設問によっては少し前置きを短くしなければならないので、臨機応変に対応する必要はありますが。
ー Part3はどうですか?
Part3は多少とちっても大丈夫でした。
設問自体が難しいので。答えられるところだけきちっと答えられたら良いと思います。
あとは単語です。IELTS3500の単語をリーディングのために全部マスターしたのですが、ここに出てくる単語をちょこちょこ使っていました。
そうすると心証が良い気がします。
ー いいですね。4セクションはそれぞれ別の対策が必要ではありますが、高い次元では全部つながってくるんですね。
4セクションごとの対策のお話でした。
「7.5獲る人はここまでやっているのか」という話が随所に出てきたと思います。
次回最終回になりますが、4年間での受験ペース、モチベーションの保ち方、勉強時間の生み出し方、日本とロンドンの受験環境の違いなどを伺っていきます。