1-1)IELTSの試験特性を知り、有利な選択肢を選べ

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まずはIELTSという試験が持つ特徴と、いくつかの選択肢について理解しておきましょう。

①IELTSの試験特性

IELTSとはどのような特性を持つのか、例えばTOEICや大学受験、他の資格試験などとはどう違うのでしょうか?

IELTSは4セクションから構成される試験

IELTSでは4つの力が評価される

  • リスニング(Listening)
  • リーディング(Reading)
  • ライティング(Writing)
  • スピーキング(Speaking)

 

TOEICとの違い

  • TOEICは主に リスニングリーディング の力を測る試験。
  • 一方、IELTSでは ライティングスピーキング の準備も必要。
  • そのため、TOEICに比べると難易度が高く、目標スコアを達成するまでに時間がかかることがある。
IELTSは「知識」ではなく「スキル」を見られる

IELTSは「知識」よりも「スキル」を問う試験

  • 「単語の意味を答える」ような知識中心の問題は出題されない。
  • 英文の必要な情報を正しく読み取る力」「正しい発音で英文を流暢に話す力」などスキルの習熟度が問われる試験。

 

IELTS対策のメインは「知識の詰め込み」ではなく「スキル化のためのトレーニング」

  • 他の資格試験や大学受験のように 知識を詰め込むだけではスコアは上がらない。
  • 従来の「暗記型」の勉強法で取り組むと、思った以上に目標達成までに時間がかかることがある。
  • 「知っている」で終わらせず、無意識に使いこなせる状態(スキル化)にすることが重要。
  • そのために必要なのは「体に染み込ませるトレーニング」「実践演習の比重を高くする学習」。

 

②アカデミックかジェネラルか

2つのモジュールのどちらで受験すべきか、両者の違いを理解して、有利な方を受験しましょう。

両モジュールで違いがない箇所
  • リスニングはどちらのモジュールも同じ問題が出題される。
  • ライティングのTask2はどちらのモジュールの問題も違いはない。
  • スピーキングはどちらのモジュールも同じ問題が出題される。
リーディングの違い
アカデミックジェネラル
出題形式アカデミックな内容の長文が3つ
(分量が多く、最後まで読めない人も多い)
広告文などの短文が4つと、長文が1つ
(分量は少な目で、時間が余る人もいる)
文章の難易度難しい易しい
スコア基準同じスコアならジェネラルよりも少ない正答数で良い
(40問中30問正解で7.0)
同じスコアならアカデミックよりも多い正答数が必要
(40問中34問正解で7.0)

 

ジェネラルが向いている方

  • 難易度が中程度の文章であればかなり確実に読めるのだが、難易度が高くなると極端に精度が落ちる方。
  • 日常的に出てくる話題は理解できるが、科学的・歴史的といった専門的・が駆出的な内容に苦手意識がある方。

 

アカデミックが向いている方

  • 読解スピードはそこそこ速いが、どうしても一定割合ミスが出てしまう、引っ掛け問題に引っかかりやすい方。
  • リーディングで7.5や8.0を目指したい方(ジェネラルだとほぼミスが許されない)。
ライティングの違い
アカデミックジェネラル
Task1出題形式
(Task2は同じ)
図表(グラフや地図など)の客観的な説明(150ワード以上)シチュエーションに応じた手紙(150ワード以上)

 

ジェネラルが向いている方

  • 普段から英語の手紙やメールを書き慣れている方。
  • グラフを見ても、そこから何が言えるか読み取れないグラフアレルギーの方。

 

アカデミックが向いている方

  • 与えられたものをそのまま記載するのは得意だけど、新たに短時間で自分のアイデアを作るのは苦手な方。

 

③ペーパー受験かコンピュータ受験か

ペーパーとコンピュータのどちらで受験すべきか、両者の違いを理解して、有利な方を受験しましょう。

両形式で違いがない箇所
  • スピーキングはどちらの試験形式も試験官との対面で行われるため違いはない。
リスニングの違い
コンピュータ受験ペーパー受験
音源の聴き取りヘッドフォンスピーカー
(会場によって音質に差がある)
問題閲覧セクションごとに画面をスクロール問題冊子全体を自由に見渡せる
メモの取り方パソコンのメモ機能
配布されたメモ用紙
問題用紙に書き込み可能
回答方法画面上にキーボードで入力問題用紙にメモ⇒答案用紙に鉛筆で転記
回答時間音声終了後に2分間音声終了後に10分間

 

コンピュータが向いている方

  • スピーカーで聞くと、隣の人の音などで気が散ったりして、集中して聴けないという方。

 

ペーパーが向いている方

  • 手許の問題用紙に直接メモを取りながら聴きたい方。
リーディングの違い
コンピュータ受験ペーパー受験
問題閲覧同一画面に本文と問題を分割表示可能問題冊子を前後に行き来して閲覧
メモの取り方画面上でハイライト・メモ可能
配布されたメモ用紙
問題用紙に直接書き込み可能
回答方法画面上にマウス・キーボードで入力問題用紙にメモ⇒答案用紙に鉛筆で転記

 

コンピュータが向いている方

  • 普段からコンピュータの画面で英語の長文を読むのに慣れている方。

 

ペーパーが向いている方

  • コンピュータの画面上で英語の長文を読むことに慣れていない方。
  • 問題用紙にメモを書き込みながら読みたい方。
ライティングの違い
コンピュータ受験ペーパー受験
回答方法画面上にキーボードで入力
(タイピングが得意ならば手書きよりも速い)
答案用紙に手書きで記述
(タイピングが苦手ならばキーボードよりも速い)
内容の調整コピー&ペーストが可能書き直し・追記が必要
文字数の管理リアルタイムで文字数を確認できる自分でカウントする
リスク特にリスクはない字が汚いと採点者が正確に読み取れずスコアに影響するリスクがある
Task1とTask2を逆に記載してしまうリスクがある

 

コンピュータが向いている方

  • ブラインドタッチに慣れている方(手書きよりもスピードが速い)。
  • 手書きの文字が汚くて判別しにくい方。

 

ペーパーが向いている方

  • ブラインドタッチに慣れていない方。
受験環境の違い
コンピュータ受験ペーパー受験
受験機会土日・平日両方で受験機会がある原則土日のみ
試験結果1週間以内に出る2週間後に出る

 

コンピュータが向いている方

  • 平日に受験したい方。
  • 早く試験結果を受け取る必要がある方。

 

④再採点かワンスキルリテイクか

再採点とワンスキルリテイクのどちらを申請すべきか、両者の違いを理解して、有利な方を選択しましょう。

再採点とワンスキルリテイクの違い
再採点ワンスキルリテイク
対象スキル任意の1~4セクションを選択可能任意の1セクションのみ
実施内容採点の見直し(受験はしない)再受験
申請期限テスト日から6週間以内テスト日から60日以内
申請条件特にないコンピュータ版のみ
結果の反映再採点後のスコアが正式スコアとして登録新しいスコアレポートを発行
結果までの時間2-21日再受験後3-5日

 

再採点を実施した方が良い場合

  • 試験時の手応えから考えて明らかにスコアが低いセクションがあり、かつそのセクションのスコアが手応え通りのスコアならば目標スコアに到達する場合

ワンスキルリテイクを実施した方が良い場合

  • コンピュータ受験の結果、3セクションは満足するスコアであったが、残り1セクションのスコアが足りず目標スコアに到達していない場合

 

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